人の命を直接左右する、自衛隊指揮官の任務と志と苦悩
自衛隊で部隊を率いる指揮官は、どんな思いで任務に臨み、どんな悩みを抱えているのだろう。かつて陸上自衛隊の戦車部隊で指揮官を務め、戦術指揮に関する著書を多数執筆している木元寛明元陸将補に、自衛隊の指揮官に与えられる任務や心掛けなどを、エピソードとともに聞いた。
人命を左右する自衛隊の指揮官に求められるもの
防衛大学校を卒業した木元氏は、陸上自衛隊入隊当初から「指揮官人生」を歩み続けた。最初の任地、富士教導団戦車教導隊では小隊長として61式戦車4両、隊員15人を率いるところからスタート。最も多くの部下を持ったのは平成の初め、北海道・北千歳駐屯地に本拠を置く第71戦車連隊で連隊長を務めたときだ...