『女性自衛官たち』を見てきた作家が語る「自衛隊という組織」
本誌MAMORにて、連載『女性自衛官たち』を執筆する作家・杉山隆男氏が、これまでに行ってきた女性自衛官インタビューを通じ、感じ取った率直な思いを寄せてくれた。
防衛省へ子連れ出勤。自衛隊の思いがけない寛容さ
自衛隊取材が病みつきになるのは、毎回、驚きの不意打ちを食らうからだ。
『女性自衛官たち』でも、初っぱなからやられた。子供を預かってくれる先が見つからないときはどうしてたんですか。そう聞くと、あっさりこんな答えが返ってきた。「子連れ出勤してました」。ものものしい警備で固められた市ケ谷防衛省のゲートを、幼子の手を引いて母親自衛官が入っていく。それは最も想像しがたい光景だった。だが、母親自...