雑誌『MAMOR』は、2023年10月号にて200号を迎えました。
ごく普通の若者たちが、大切な人や国の平和を守るため、日々、奮闘している姿を知ってほしいと考え、創刊当初から本誌では「自衛官」個人に焦点を当てた連載を多く掲載してきた。
若者たちの“グローイング・アップ物語”は、読む者の胸を熱くする。それが、国を守るために身をていする若者に密着取材、となればなおさらのことだ。
ここで紹介する以外にも同様の連載はあるが、今回はなかでも印象に残る6本に絞って紹介しよう。
10年以上たった今でも、掲載した自衛官たちを、われわれスタッフは覚えているし陰ながら応援してきた。まるで親戚の子を世に送り出す気分なのである。
駆け出せ! 青春 高等工科学校物語
(vol.41~53<2010年7月~11年7月号>)
陸上自衛隊高等工科学校の若き男子学生の1年間に密着
一般の高等学校の普通科と同等の教育に加え、陸曹として必要とされる各種技術の専門教育や防衛基礎学、各種訓練などを行っている陸上自衛隊高等工科学校。
当連載では、本校に入学したばかりの第56期生を中心にその1年間を追った。
普段の学業や体力測定、体育祭、クラブ活動、水泳訓練、野営訓練などの様子を読者があたかも“授業参観”するかのようにリポートした。
自衛隊Rookies!
(vol.76〜103<2013年6月~15年9月号>)
新隊員の任務内容や彼・彼女らの素顔を紹介
国防を担う自衛官になろうと入隊するのは、どんな人たちなのか?
そんな素朴な疑問に答えるべく、全国各地にある陸・海・空各自衛隊の部隊を訪ね、新隊員「ルーキー」の話を聞いてくるという当連載。
自衛官になろうとしたきっかけや、入隊後の自衛隊の印象、配属先やそこでの仕事の内容、苦労する点ややりがい、今後の目標などについて語ってもらっている連載だ。
自衛隊ナースを目指す第51期生たちの記録「看護学院日記」
(vol.18〜29<2008年8月~09年7月号>)
国防を担う看護師を目指す女子学生たちの姿を追う
自衛隊病院などで勤務する看護師を養成する、自衛隊中央病院高等看護学院。2008年に入学した第51期の女子学生に1年間、密着したのがこの連載だ。
学生は全員「営内生活」と呼ばれる寮生活を送りながら、3年間で看護学を3,120時間、自衛隊関連課目の訓練を616時間習得し、看護師資格の国家試験合格を目指す。国防を担う看護師へと成長していく姿をリポート。
防衛大学校60期女子学生の12カ月 いつもポケットに志を
(vol.66~75<2012年8月~13年5月号>)
防大の女子学生の生活と彼女たちの本音に迫る
2012年に防衛大学校へ入学した女子学生は44人。この第60期生の女子学生6人の学校生活に密着取材し、学業や訓練だけのリポートに絞るのではなく、彼女たちの本音を聞くため、座談会を頻繁に開催。
多数を占める男子学生のなかでの活動の様子やさまざまな葛藤が語られている。1年を通して各女子学生の個性や成長が感じられるガールズトークが魅力の連載だ。
防衛大学校第55期学生の青春「109号室日記」
(vol.6〜18<2007年8月~08年8月号>)
防衛大学校の学生の活動を日記形式でリポート
自衛隊の幹部自衛官を養成する防衛大学校(以下防大)。2007年4月に入学した第55期生の6人の男子学生に、1年間密着取材した連載だ。
防大生が暮らす「学生舎」の109号室で生活をともにする彼らのさまざまな活動を日記形式で伝えている。
4月の入校式、7月の夏季定期訓練での戸惑い、11月に実施される開校記念祭での熱狂など、防大生のドキュメントを展開。
海上自衛官候補生“公開”日誌 われらは海の子!
(vol.54〜61<2011年8月~12年3月号>)
海上自衛官候補生を育成する教育機関を取材した連載
海上自衛隊の自衛官候補生を養成する横須賀教育隊の男子候補生が、着隊してから一人前の自衛官になるまで何を学び、どう成長していくのかを日記形式で伝えている。
隊舎「海志館」での生活や、実際に航行する艦艇に乗って各部署での任務の説明を受ける航海実習、体力練成のための運動会などをリポート。
自衛官としての基礎を学び、修業して旅立つまでの、汗と涙の記録だ。
(MAMOR2023年10月号)
<文/魚本拓 写真提供/防衛省>