東京オリンピックで過去最多となる5個のメダル(金3、銀1、銅1)を獲得した自衛隊体育学校。そこで用いられているプログラムが『自宅で簡単!自衛隊式エクササイズ』(扶桑社刊)として本になった。
本記事では5回にわたって、基礎となるトレーニングを紹介する。
最終回となる第5回は「筋力アップ編 その2」。自衛官のような体、つまり運動習慣をつけた適度な筋肉は、見た目にも美しいし、また余分な脂肪が付きにくい体といえる。
そんな体を実現するためには、体幹を鍛えるのと同時に、日常生活でよく使う筋肉を鍛えることが必要。筋肉を動かすということはカロリーを消費することで、それが日常的に使う部位であれば、普通に生活しているだけでも余分な脂肪がたまりにくくなるというわけだ。
筋力アップ編では、イスを使ったトレーニングを紹介。これならちょっとした時間にも、正しい姿勢を意識しやすく、安全にエクササイズができる。
ただし、見た目以上の強度があるため、最初から無理をしないで、少しずつ回数を増やしていくといい。また、エクササイズをして痛いと思ったら、中止すること。
チェア・アームリフト
肩甲骨と胸を刺激する運動。肩甲骨と胸の筋肉を立体的に刺激し、体幹の可動性を向上させるとともに筋肉や関節が固まるのを防止する効果もある。
やり方
10回×2セット
1:イスに浅めに腰掛け、背筋を伸ばして両肘、両手の順番で、胸の前で合わせる。視線は正面。肘が付かない場合は胸より高く上げるか、近づく範囲でもOK
2:両肘、両手を強く押し合わせながらゆっくりと上がる範囲で引き上げ、ゆっくり戻す。肘の位置は鼻の高が目安
チェア・スクワット
全身の筋力を刺激して、脂肪を燃やしやすい状態にするエクササイズ。一般のスクワットよりもイスを使うことで、安全に、しかも正しい動きができる。
やり方
5回×2セット
1:イスを後ろに置き、背筋を伸ばして脚を肩幅に開いて立つ。腕は床と並行に伸ばし、肩の高さまで上げる
2:後ろにあるイスに腰掛けるイメージで尻を突き出し、ゆっくりと膝を曲げる。このとき、膝がつま先よりも前に出ないこと。
イスに触れる手前でゆっくり元の姿勢に戻る
チェア・伸び上がりスクワット
チェア・スクワットの応用編。こちらも代謝が上がる作用があるとともに、可動性向上の効果も期待できる。
やり方
5回×2セット
1:イスに浅く腰掛けて、背筋を伸ばして脚は肩幅に開く。腕は垂直の状態から、頭の上へ伸ばしながら立つ
2:背筋を伸ばして真っすぐ上に伸び、1秒間キープする。その後、ゆっくり元の姿勢に戻る
今回のメニューは以上。より本格的なトレーニングに挑戦したければ、ぜひ『自宅で簡単! 自衛隊式エクササイズ』を読んでほしい。強靭な体を手に入れることができるはずだ。
自衛隊体育学校とは?
「部隊等における体育指導者の育成」、「オリンピック等国際級選手の育成」、「体育に関する調査研究」を目的として創設され、創設当初からアスリートの育成を行っていて、多くのオリンピアンなどの選手を生み出している。
ここでは、最新鋭の分析機器を使いアスリートをバックアップしつつ、一般隊員へと研究成果を還元している。つまり自衛隊員が効率よく体力と筋力を鍛えられるトレーニング法の研究がなされているのだ。
『自宅で簡単!自衛隊式エクササイズ』では、そこで生まれた「自衛隊メソッド」の中から、私たちにも応用できる方法を紹介。自衛官のような引き締まったカラダを手に入れよう!