コロナワクチン大規模接種は、自衛隊にとって異例のオペレーションだった
総理指示からセンター開設まで、わずか1カ月。防衛省を含む各省庁、自治体、民間企業が協同して推し進めた自衛隊ワクチン大規模接種「作戦」の内幕を、大規模接種センターの統括リーダーを担った、防衛省人事教育局の日下英司衛生官に聞く。
大規模接種の実現に欠かせなかった自衛隊
まず、なぜ自衛隊に今回の任務が与えられたのか、改めて聞いた。
「予防接種法では、ワクチン接種の実施主体は市区町村と定められています。しかし、新型コロナウイルスの感染状況は、ある種の有事。自衛隊は有事でも円滑に活動できるよう、自前で医官・看護官を持ちます。国が自治体を支援するには、自衛隊の投入しかないという結論に至ったのでしょう...