•  病気じゃないけど、なんとなく体がだるい、疲れが取れないってことないですか?

     1年中、毎日を元気で健やかに過ごしたい!そう願うあなたに、とっておきの術を“体が資本”という自衛官から教えてもらいましょう。

     それは、1日数分のストレッチングと、食べる「メシ」にちょっと気を付けるだけという簡単な術。なんといっても多数のオリンピアンを生み育てた自衛隊体育学校直伝ですから、毎日繰り返せば、元気が出ること間違いなし!

    胃が疲れたときは消化を助ける努力を

     暴飲暴食をすると、胃は弱り勝ち。胃の主な役割は、食べたものを胃酸の働きによって消化することですが、胃に過度な負担がかかると胃酸分泌のバランスが崩れ、消化能力が弱まることも。

     胃が疲れたなと感じたときは、消化を促すストレッチや消化のよい食べ物で、胃をいたわってあげましょう。

    ストレッチ:おなか周りに適度な刺激を与えて消化を促し、胃の調子を整えよう!

    体を横に倒すストレッチ:左右各5回

    1:右脚を1歩前に出して腰を落とし、左膝を床に着ける。両膝の角度はそれぞれ90度に。

    2:左腕を真っすぐ上に伸ばす。

    3:上体をゆっくり右に倒したら、その姿勢を10秒キープ。このとき、左肘は曲げずに、高く遠くに向けて伸ばすようにする。1の姿勢に戻り、反対も同様に行い、左右交互に5回ずつ行う。

    【教官POINT】

     食べすぎた後のおなか周りのストレッチは、胃腸の働きを促す手助けになります。食後すぐではなく、おなかが多少落ち着いてから行うようにしましょう。

    体をひねるストレッチ:左右各1回

    画像1: 体をひねるストレッチ:左右各1回

    1:あおむけに寝て、脚を開いて膝を立て、おなかに手をあてる。腹式呼吸(鼻から深く吸って口から吐く)を5回ほど繰り返し、リラックスする。

    画像2: 体をひねるストレッチ:左右各1回

    2:両膝を曲げたまま左に倒し、左のかかとを右膝の上にのせ、両腕は少し開いて下ろす。

    画像3: 体をひねるストレッチ:左右各1回

    3:両膝を倒したまま両腕を頭の上に真っすぐ伸ばし、1分キープ。このとき、ゆったりとした腹式呼吸を続ける。1の姿勢に戻り、腹式呼吸5回は省略して、反対も同様に2、3を行う。

    【教官POINT】

     3の姿勢で、肩や首、腰などに違和感がある場合は、下の写真のように両腕は脚のほうに下ろし、左かかとは床に下ろすことで負荷が楽になります。

    画像4: 体をひねるストレッチ:左右各1回

    メシ:消化のよい食べ物と消化を助ける食べ物を合わせて

    「年末は、暴飲暴食の機会が増え、胃が荒れがちに。そんなときは、消化のよい食材を選んで食べ、胃を安静に保ちましょう」と語るのは、管理栄養士の梶岡2曹。

     例えば、消化のよい鶏肉や白身魚に、消化を助けるジアスターゼが豊富に含まれるダイコンや、胃の働きや胃の粘膜を正常に戻す効果があるビタミンUを多く含むキャベツを合わせるのは理想的。

     ただし、ジアスターゼは加熱すると効果が薄れるのでダイコンは生で、キャベツは繊維を柔らかくするため加熱して使用したいとのこと。

    「飲み物に関しては、胃を刺激する炭酸やカフェイン入り飲料は避け、ノンカフェインのお茶を常温で飲むのがお勧め。1度沸騰させた湯を40~50℃まで冷ました白湯も、胃を温めて消化機能を改善するので、試してみてほしいです」と梶岡2曹は話す。

    【簡単お勧め料理】

     胃が疲れたときにお勧めなのが「鶏肉のみぞれかけ」。そぎ切りにした鶏肉の両面を焼いて塩、こしょうし、ダイコンおろし、刻んだネギをのせ、ポン酢をかけて完成。油は消化に負担がかかるので、肉の脂だけで焼くのがポイント。

    胃が疲れたときにおすすめ!航空自衛隊奥尻島分屯基地の「三平汁」

    画像: 胃が疲れたときにおすすめ!航空自衛隊奥尻島分屯基地の「三平汁」

     消化のよい白身魚のホッケ、ジャガイモ、ニンジン、ダイコンなどで作る北海道の郷土料理「三平汁」は、疲れた胃にやさしい汁物。タラやサケを使っても。レシピを知りたい方は、以下をクリックして記事をご覧ください。

    レシピはこちらから

    【自衛隊体育学校 第1教育課 体育班 体育教官 久保田1等陸尉】
    国防の任務に就く自衛官や部隊を強くするための体育・格闘指導者を育成する第1教育課で体育教官を務める。自衛官の健康な体づくりのため、ストレッチにも精通する

    【自衛隊体育学校 第2教育課 運用班 メディカルトレーナー室 栄養係 梶岡2等陸曹】
    管理栄養士の資格を持ち、オリンピックなどを目指す自衛官アスリートを栄養アドバイスでサポート。減量を必要とする選手には、食事の取り方などの助言も行う

    【モデル隊員自衛隊体育学校 第1教育課 体育班 体育助教中山2等陸曹】

    (MAMOR2025年2月号)

    <物写真/山田耕司(扶桑社) 料理写真/柏谷高志>

    自衛隊式 元気が出るメシ&スト術入門

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

    This article is a sponsored article by
    ''.