「1日中冷房の室内で仕事してカラダがだるい……」
病気じゃないけど、なんとなく体がだるい、疲れが取れないってことないですか? 1年中、毎日を元気で健やかに過ごしたい! そう願うあなたに、とっておきの術を“体が資本”という自衛官から教えてもらいましょう。
それは、1日数分のストレッチングと、食べる「メシ」にちょっと気を付けるだけという簡単な術。なんといっても多数のオリンピアンを生み育てた自衛隊体育学校直伝ですから、毎日繰り返せば、元気が出ること間違いなし!
「冷房病」には体を温めることが有効
体は暑いと放熱しようと血管を拡張させ、寒いと熱を逃がさないように血管を収縮させるため、冷房の効いた室内と暑い外の出入りを繰り返すと、自律神経のバランスが乱れ、血行不良から体が冷え、だるさを感じやすくなるといわれています。
「冷房病」といわれる症状で、改善するには体を冷やさないことが大切のよう。そこで本記事は、「体を温める」メシ&ストレッチ術をご紹介します!
ストレッチ:肩甲骨周辺をストレッチすると体の温め効果大!
肩の回旋:少し寒いなと感じたときに5回
1:イスに深く腰掛け、背筋を伸ばし、肩に指先をつける
2:肘で大きな円を描くように、肘を上げ、前から後ろにゆっくり回す
3:後ろから前にも回し、1の姿勢に戻る。1~3を5回繰り返す。慣れてきたら、5~10回をリズミカルなペースで行う。同様に立って行ってもOK
【教官ポイント!】
手のひらを外側に向けて腕を左右に開くことで、肩甲骨周辺がしっかりストレッチされ、体の温め効果が高まります
ウィンギング:少し寒いなと感じたときに5回
1:背筋を伸ばし、両腕を顔の幅に開けて上げる。手のひらは自分の側に向け、肘は直角に曲げ、肩の高さに合わせる
2:肘を肩の高さに保ったまま、手のひらを外側に向けながら、ゆっくりと腕を肩の付け根から左右に開く。肘は直角のまま、肩甲骨を中央に寄せる
3:手のひらを外側に向けたまま、腕を頭の上に伸ばし、左右の手の甲を合わせたら腕を下ろし、肘を直角にし、2から1の姿勢に戻る。1~3を5回繰り返す。慣れてきたら、5~10回をリズミカルなペースで行う。同様にイスに座って行ってもOK
【自衛隊体育学校 第1教育課 体育班 体育教官 久保田1等陸尉】
国防の任務に就く自衛官や部隊を強くするための体育・格闘指導者を育成する第1教育課で体育教官を務める。自衛官の健康な体づくりのため、ストレッチにも精通する
【モデル隊員自衛隊体育学校 第1教育課 体育班 体育助教 佐々木1等空曹】
メシ:根菜やショウガ、ニラなど体を温める食材を取ろう!
「暑いときは、どうしても冷たい飲み物、食べ物を欲してしまいますが、寒暖差でだるさを感じるときには、体を温める食材を積極的に取り入れたいですね」と語るのは、管理栄養士の梶岡2曹。
ゴボウ、ニンジン、ショウガ、レンコンなどの根菜系や、タマネギ、ネギ、カボチャ、ニンニク、ニラなどが代表食材だ。また、体の免疫細胞の約7割は腸に存在しているそうで、腸内環境を整えることも寒暖差疲労には有効とのこと。
整腸食材といえば、ヨーグルトや納豆などの発酵食品だ。そして最近注目されているのが、玄米表面の硬い層(ロウ層)を取り除いた「ロウカット玄米」。腸内環境を整えるのはもちろん、成分のγ−オリザノールが自律神経の働きを整えてくれるのだとか。硬い層がないため消化もよく、食べやすくてお勧めだそう。
【簡単お勧め料理】
手軽に根菜が取れてお勧めなのが「ゴボウとレンコンのサラダ」。スライスしてそれぞれゆでたゴボウとレンコンを、合わせ調味料(マヨネーズ、しょうゆ、すりごま、砂糖)であえ、好みで一味唐辛子をかけていただきます
航空自衛隊車力分屯基地の「ごんぼう麺」

MAMOR本誌連載「全国自衛隊の隊員食堂」で紹介したメニューの中から選んだ1品は「ごんぼう麺」。
市販されているゴボウを練り込んだ麺を用い、具にもゴボウのささがきを加えた根菜たっぷりの1品。食物繊維も豊富なゴボウは、腸内環境の改善にも役立つ。
レシピを知りたい方は、こちらの記事「 航空自衛隊 車力分屯基地『ごんぼう麺』の作り方」をチェック!
【自衛隊体育学校 第2教育課 運用班 メディカルトレーナー室 栄養係 梶岡2等陸曹】
管理栄養士の資格を持ち、オリンピックなどを目指す自衛官アスリートを栄養アドバイスでサポート。減量を必要とする選手には、食事の取り方などの助言も行う
(MAMOR2024年10月号)
<人物撮影/星 亘(扶桑社) 料理撮影/小野岳也>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです