P-3C

<SPEC>全幅:30.4m 全長:35.6m 全高:10.3m 重量:約56t 最大速度:約730km/h
長年にわたり主力哨戒機として改修を重ねながら各部隊で運用されてきた。水中の音を探知するソノブイのほか、現在は約半数の機体が衛星通信装置を搭載している。堅実な機体設計と高い信頼性が特長。
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P-1

<SPEC>全幅:35.4m 全長:38m 全高:12.1m 重量:約80t 巡航速度:約833km/h
2013年から部隊配備が始まった、純国産の新型哨戒機。従来よりも遠方の目標を探知可能なレーダー、小型水上目標の識別が可能な光学・赤外線センサー、センサーやレーダーの情報を高速・自動化して処理することが可能なシステムを搭載している。
操縦士(PILOT):P-1課程では、ほかのクルーとのコミュニケーション力が必要になる

(左)教官・岩崎3等海佐。飛行教育班長、パイロット課程主任を務める。(右)学生・相原2等海曹。航空学生出身、P-1を操縦するのが昔からの夢
「P−1は優秀な機体なのでただ飛ぶだけならあまり苦労しませんが、ほかのクルーとのコミュニケーション力が求められると感じます」と語る相原学生。
「システムを理解し、ほかの隊員が何をしているのか知らなければ任務を果たせません」
岩崎教官は、「地上でのシミュレーター訓練が増え、空中教育は以前の半分になりましたが、十分に成果を出せていると考えます。操縦の基本は不変ですが、システムの深い知識と理解が必要な機体なので、こちらも相応の知識を持たないと対等に教えられません」と語る。
フライトエンジニア(FE):1人体制で、より責任が重く。運航を支える完璧なFEをめざして

(左)教官・横尾2等海曹。ヘリコプターの整備員からP-3C、P-1に転換。FE教官として着任したばかり。(右)学生・菅原3等海曹。最前線での仕事を希望してFEを志す
飛行中のシステム監視などパイロットの補佐を行うFEは、P−3Cの2人配置から1人配置に変わった。
「その分果たす責任も重くなりました。パイロットやほかのクルーに信頼されるFEになるには、知識はもちろん伝え方などコミュニケーション力も重要だと教えています」と語る横尾教官。
一方の菅原学生はP−1整備員からのチャレンジ。
「運用する側になるとやることが大きく違いますね。まだ課程も始まったばかりで、なかなか操作には慣れませんが、パイロットが安心して操縦できるようなFEになるべくひたすら勉強しています」と語る。
音響員(MC1、MC2):音響情報で探知する「職人」への道。訓練装置の充実が学生の助けに

(左)教官・上村2等海曹。指導官付として学生の生活全般も面倒を見る。(右)学生・寺澤3等海曹。教育隊で音響員の仕事を知り、その「職人技」に憧れて志望したという
「P−1に触れるのは初めてなので、P−1に関わったことがある学生との差を感じますが、同期のアドバイスで乗り切ることができました」と語る寺澤学生。
音源を解析するという専門的な仕事だが、課題は航空機全般の知識にあるという。
「訓練を通じて、先を読む能力が身に付いてきたと感じます」
上村教官は、「今は個別訓練装置が充実していますので、反復練習で操作を確実に身に付けさせることに注力しています。そうすれば実機での訓練にスムーズに移行できます」と充実した教育体制を語る。
「どうせやるなら楽しめ、と学生には伝えています」
非音響員(MC3、MC4):操作を繰り返し学べるシミュレーターが充実

(左)教官・黒木2等海曹。訓練後の学生が冷静に反省点を振り返るのを見ると成長を感じるという。(右)学生・松尾海士長。体力錬成にも注力。同期と支え合いながら学習の壁も乗り越えている
非音響員としてP−1に搭載された各種センサーの操作などを学ぶ松尾学生。
「覚えることが多く、臨機応変な対応も必要で身に付けるのも大変ですが、思った通りに操作できると達成感を覚えます」と語る。
黒木教官は、学生に対して座学でも重要な点は必ず口頭で質問し、知識の定着度を確認するという。
「AEC(ノートパソコンやタブレットなどで利用できるこれらのデジタル教材、Advanced Education Contentsのこと)と呼ぶは紙の教科書より便利な教材ですが、頼り過ぎず個々の理解度に合わせることが大切です」と教育の狙いを語る。
戦術航空士(TACCO):ミッションの要として、システムと戦術を駆使する

(左)教官・坂園1等海尉。TACCOは「哨戒機の頭脳」。クルーの連携を取りながら任務を完遂する達成感が魅力と語る。(右)学生・板山3等海尉。戦術に深くかかわる仕事のため志望した
「文系出身で工学や物理の知識がなく不安がありましたが、AECのテキスト読み上げ機能で繰り返し聞いて覚えました」と語る板山学生。
P−1は高度で複雑なシステムを有することから、理解するにも苦労があったという。
坂園教官は、「デジタルネーティブ世代の学生はシステムへの理解が早いですね。自学学習の環境が整っているので、知識よりも『学び方』を最初にしっかり教えるようにしています」と語る。
機上電子整備員(IFT)
多数搭載される電子機器、その全てを把握するために

(左)教官・秋山2等海曹。若手教官として学生と積極的に話し心情把握に努める。(右)学生・下八重海士長。実機による飛行訓練の1回1回を大切にして、皆の目標となるクルーを目指している
多数の電子機器への対処が求められる仕事であり、必要な知識も多岐にわたる。
「実機を見て学ぶのが一番早いのですが、AEC導入によって機内の詳細がパノラマ映像で何度でも見られるようになり、学習効率も高まりました」と語る秋山教官。
一方の下八重学生は、「どれだけ予習してもやはり実機での訓練は緊張します。全部の機材を面倒見なくてはなりませんので、学習間隔が空かないように繰り返し勉強するように心がけています」と語る。
機上武器員(ORD):ソノブイの扱いをメインに。実機での教育も重要

(左)教官・内間3等海曹。学生のフライトに同乗したとき彼らの成長を感じるのが楽しみと語る。(右)学生・森3等海曹。部隊配属後、教官として後輩育成にも携わりたいと将来の目標を話す
ソノブイや魚雷などP−1に搭載される武器を扱う機上武器員は、主に潜水艦を捜索するソノブイの管理や装てん、使用法などを学ぶ。
「3Dマップなどにより、実機の実習前でもイメージしやすくなっています」と内間教官は教材の進化を語る。
森学生は、「ヘリコプター部隊出身のため、機内や機器の扱い方が全然違うのに最初戸惑いました」と振り返る。
今後については「訓練修了の証しであるウイングマーク取得が目標です」と力強く語ってくれた。
(MAMOR2026年4月号)
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<文/臼井総理 写真/星亘(扶桑社)>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです
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