☆本記事では無人機の総称として「ドローン」という言葉を使用している
☆ここで紹介している自衛隊の無人機は全国の基地・駐屯地の部隊の全てに配備しているものではない
護衛艦『もがみ』機雷処分用水上無人機(USV):護衛艦からの無線による遠隔操縦で機雷を処分できる、水上無人船

マストには、前方と後方を捉える2台のカメラを搭載。このカメラシステムにより、周囲、ほぼ360度の状況を把握する
<SPEC>基準排水量:10t 全幅:3.2m 全長:10.5m 深さ:70cm 運用開始:2023年
艦船の航行を妨害・破壊するために、海中に敷設される海の爆弾、機雷を排除する際に使用する遠隔管制型の水上無人船。
母艦である護衛艦『もがみ』の遠隔管制システムによりUSVの監視、航路のプログラミングによる自動航走や、海上で定点・方位を保持することが可能。
また、船艇に装備したカメラシステムにより、周囲の状況を確認しながら、無線で遠隔操縦もできる。
ウオータージェット推進器を2基、搭載し、高速性能を実現している。
\オペレーターのコメント/

当初は無人艇であるUSVの運用のノウハウがなく、失敗の連続でした。訓練を行うたびに課題が出てきて、それを開発企業と力を合わせて1つひとつ解決していくという過程は非常に大変でしたが、とても有意義な時間でもありました。(護衛艦『もがみ』掃海員長 吉澤1等海曹)
自走式機雷処分用弾薬(EMD):水中に設置された機雷を確認して爆発させることができる自走式の弾薬

自走式機雷処分用弾薬は、海上自衛隊の『あわじ』(※)型掃海艦や『もがみ』型護衛艦などに搭載されている
<SPEC>全長: 1.5m 全幅:50cm 全高:46cm 運用開始:2023年
目標まで潜航して水中に設置された機雷といわれる「機機水雷」を爆発させる、護衛艦『もがみ』の機雷処分用水上無人機(USV)に搭載された自走式機雷処分用弾薬(EMD)。
USVから投射され、搭載されたカメラやソーナーによって機雷の位置を確認し、光ファイバーケーブルを用いた有線遠隔操作で接近する。
機雷の近くに到達した後は、火薬を起爆することで、護衛艦から離れた海域の機雷を処分できる、使い切りタイプの弾薬となっている。
\オペレーターのコメント/

EMDは母艦の『もがみ』からUSVを経由して遠隔操作しています。母艦との円滑な連携を心掛けていますがどうしても操作情報の伝達にタイムラグが生じます。その時間を先読みしながら操縦しなければならないので苦労しますね。(護衛艦『もがみ』掃海員 安部2等海曹)
自律型水中航走式機雷探知機(UUV):自動で水中を航行して機雷を探知することができる無人潜水機

従来の掃海艇のように機雷に接近することなく探知できるUUVは、人的なリスクを大幅に軽減する装備品だ
<SPEC>全長:4m 全高:1.12m 運用開始:2023年
海中に敷設された機雷を自動で航行して探知する、防衛省の技術研究本部が開発した、ソーナーを搭載する小型の無人潜水機。
障害物などを自律的に回避しながら水中の情報を収集し、探知することが難しいステルス性の機雷や、海底に埋没した機雷を捜索する。
UUVが発見した機雷の位置情報などのデータは、母艦である『もがみ』型護衛艦で解析。その情報を基に、同護衛艦に搭載された自走式機雷処分用弾薬(EMD)が機雷を処理する。
\オペレーターのコメント/

UUVは機雷を捜索するルートを事前に設定して運用します。誤ったルートの設定や操作のミスなどにより紛失する恐れがあるので、運用には細心の注意が必要。また、UUVの投入と揚収の際には、機体や船体を損傷しないように気を配っています。(護衛艦『もがみ』水測員 本村2等海曹)
自走式水上標的:不審船舶への対処や警告射撃訓練で使用

射撃訓練を行う際に海自の各艦艇は、水上標的のマスト中央部に設置された反射板を射撃用のレーダーで狙っている
<SPEC>全長:7.23m 全幅:2.75m 全高:6.1m 最高速度:時速約67km 航続距離:約550km 重量:約2t 運用開始:2002年
訓練の際に標的として使用される自走式の水上無人船。12.7ミリ重機関銃や護衛艦に搭載された大砲の射撃訓練での標的となる。
船体に針路や速力を遠隔操作できる標的管制装置を搭載している。訓練支援を行う多用途支援艦に装備され、航行が管制される。
自走式水上標的には弾着観測カメラが搭載されているため、標的への着弾だけでなく、周囲の着弾点も確認できる。また、遠隔操作による2隻同時の運用も可能だ。
(MAMOR2026年4月号)
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<文/魚本拓 写真提供/防衛省>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです
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