☆本記事では無人機の総称として「ドローン」という言葉を使用している
☆ここで紹介している自衛隊の無人機は全国の基地・駐屯地の部隊の全てに配備しているものではない
UAV(狭域用)汎用型(国産):空撮用に特化しており警戒・監視に活用される

飛行・撮影データの通信の暗号化など、情報漏洩に対するセキュリティー対策が施されている
<SPEC>非公開 運用開始:2024年
近距離のエリア(狭域)を飛行する、汎用型の小型ドローンは、ACSL社製の国産ドローン。
標準カメラに加え、赤外線カメラやマルチスペクトルカメラ、光学ズームカメラなどを搭載し、スマートコントローラーを使用し操作するドローンだ。
陸上自衛隊では災害派遣での状況把握や普通科部隊などの偵察、警戒監視用として幅広く導入が進められている。
また、南海トラフ巨大地震を想定して陸自が実施した訓練「南海レスキュー2024」でもこのドローンを使用した飛行試験が行われた。
\オペレーターのコメント/
国産ドローンのため、飛行プログラムの改修が継続してできるほか、修理のための輸送時間やコストを抑えられることが特徴です。また、夜間飛行やドローンを目視できない範囲での飛行を行うことが多いため、墜落事故を回避し、安全に飛行させることに留意しています。
UAV(狭域用):耐風性や耐寒性に優れ過酷な環境でも長時間飛行し被災地の被害状況を調査できる

UAVは、2キログラムまでの重量の物資であれば運搬することもできる
<SPEC>非公開 運用開始:2022年
カナダのエリヨン社が開発した、4つの回転翼を備えるクワッドコプター。偵察・監視用のドローンとして各国で広く導入されている。
機体の速度や向きなどを自ら計算する慣性航法装置などによる自律飛行のほか、タブレットでの遠隔操作にも対応。耐風性や耐寒・熱性などに優れ、過酷な環境でも長時間の飛行ができる。
また、高解像度カメラと光学ズーム機能のあるカメラの搭載が可能。空中からの撮影データを正確に視覚化できるため、指揮官の判断を迅速化できる装備だ。
陸上自衛隊は2018年に発生した北海道胆振東部地震で運用し被害状況の調査を行った。
\オペレーターのコメント/
この機体は多機能のため隊員が使いこなせるようになるためには長時間の訓練が必要です。この機体を運用する上で心掛けていることは、飛行間の敵の警戒と安全管理についてです。とくにヒューマンエラーによる事故を防ぐため、不測事態に対処する訓練に重点を置いています。
UAV(中域用):昼だけでなく夜の撮影も可能な偵察無人機
昼だけでなく夜の撮影も可能な偵察無人機

<SPEC>非公開 運用開始:2019年
気象観測やマグロ漁船が使用する魚群探査用としてアメリカのボーイング・インシツ社が開発したドローン「シースキャン」を、偵察用として改修した無人航空機。
可視光と赤外線の2種類のカメラを搭載し、昼夜での撮影が可能となっている。事前のプログラミングによる飛行ルートに加え、状況に応じて飛行中に経路変更もできる。
圧縮空気によるカタパルトで発進し、スカイフックと呼ばれるシステムによって回収する。

機体の回収は、ロープを張った「スカイフック」と呼ばれる装置に機体翼端のフックを引っ掛けて行う(写真/村上淳)
\オペレーターのコメント/
無人機は壊れやすい装備品なので大事に扱うようにしています。機体が小さく軽いため、風から受ける影響が大きく、発進するときや回収する場面は緊張します。とくに回収するときは、機体破損のリスクが高まるので、回収が無事に完了した後は一番の達成感です。
UAV(狭域用)汎用型:民生品を改修した高性能の軽量な災害用の無人機
民生品を改修した高性能の軽量な災害用の無人機

機体には180度の上下撮影に対応したカメラを搭載。ほかのドローンでは難しいアングルからの撮影が可能だ
<SPEC>非公開 運用開始:2018年
「UAV(狭域用)汎用型」は、フランスのパロット社が開発した民生品を、アメリカ軍向けに改修した小型ドローン。
軽量かつ折り畳みが可能で携行性に優れ、高解像度の4K・HDR映像の撮影ができ、光学ズーム機能も備えた高性能カメラを搭載。GPS機能があり、事前に設定したルートに沿った正確な自律飛行が可能だ。
同機は陸上自衛隊が2018年に災害用ドローンとして導入し、普通科部隊などに配備し、偵察用としても使用されている。
\オペレーターのコメント/
電波の接続状況や天候、周辺の障害物などといった、さまざまな墜落事故要因を常に考慮した上での操縦を心掛けています。突風などで操縦のバランスが崩れた際は緊迫しますが、そのような状況でも敵に関する有力な情報資料を入手できたときは達成感があります。
(MAMOR2026年4月号)
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<文/魚本拓 写真提供/防衛省>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです
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