•  日本全国にある自衛隊の基地・駐屯地の隊員食堂で自衛官たちはどんな料理を食べているのでしょう?ぜひ味わっていただこうとレシピを取り寄せました。

     今月は兵庫県阪神基地隊の「鍬焼き」を紹介します。甘辛いたれに漬けて焼く、テンションが上がるビーフステーキ。やわらかくて甘い淡路島タマネギのソテーを添えてどうぞ。

    阪神・淡路大震災から復活!海上自衛隊・阪神基地隊

    画像: 阪神基地隊の本部前には大阪湾が広がり、海上自衛隊の艦艇が停泊することも

    阪神基地隊の本部前には大阪湾が広がり、海上自衛隊の艦艇が停泊することも

     海上自衛隊阪神基地隊の本部は、兵庫県神戸港の東部海面第3工区埋立地の南東部に位置し、周辺には臨海工業地帯が広がっています。1953年、大阪基地隊が創設され、68年に大阪から現地に移転し、阪神基地隊として再編成されました。

     海自の呉地方隊隷下であり、大阪湾、紀伊水道および四国沖の防衛警備を任務とし、海中爆発性危険物などを除去して船舶を安全に航行させたり、災害対応の艦艇、航空機などに対する後方支援を行っています。95年に発生した阪神・淡路大震災で被害を受けるも、機能を大幅に強化して復旧しています。

    甘辛いたれでご飯が進む!「鍬焼き」

    画像: ※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

    ※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

     今回紹介する料理は「鍬焼き」。夏季に提供する際のテーマは“夏バテ防止のスタミナ肉料理”だそうです。

     くわ焼きは甘辛いたれに肉を漬け込んで焼く調理法ですが、その漬けだれにタマネギのすりおろし、和風顆粒だしの素、ゴマ油、おろしニンニクを加えるのが隊員食堂ならでは。タマネギの酵素が繊維を壊して、肉をやわらかくするため、高価な特上牛肉でなくても、おいしく仕上がるとのこと。たれには最低でも2時間は漬け込んでほしいそう。

     また、肉を焼くときにバターを使用し、風味とコクをプラスします。焼き具合は好みですが、外側はカリッと、中は多少レアがお勧めだそう。

     地元で取れる旬の野菜のグリルを付け合わせて栄養と彩りもアップ。漬け焼きにしないステーキも提供していますが、手間をかける分、こちらのほうが人気なんだとか。市販のガーリックチップをステーキの上に散らしても。

    【鍬焼きとは】

     肉や魚、野菜などをしょうゆとみりんをベースにした甘辛いたれに漬け、鉄板やフライパンで焼き上げたもの。焼く前に小麦粉または片栗粉をまぶす場合もある。

    「鍬」は田畑を耕したりならしたりするときに用いる平たい鉄に柄が付いた農具。現在も活用されているが、農業の機械化以前には欠かせなかった。

     昔、農作業の合間に野鳥を捕まえ、鍬の上で焼いて食べたことが料理名の由来とされる。定かではないが発祥の地は大阪ともいわれており、大阪名物料理の1つでもある。

    隊員の感想は?

    画像: 25席ほどのコンパクトな隊員食堂は、アットホームな雰囲気。海に面しており、開放感もあって、癒やしの空間だ

    25席ほどのコンパクトな隊員食堂は、アットホームな雰囲気。海に面しており、開放感もあって、癒やしの空間だ

    「隊員食堂の料理はどれもおいしいのですが、鍬焼きは特においしいです。間違いなく仕事の活力になっていますね」(3曹/女性・20代)

    「隊員食堂の鍬焼きの甘辛い味付けが大好きで、ご飯も進むから毎回大盛りにするのですが、ペロッとたいらげてしまいます」(3曹/男性・20代)

    「肉の焼き加減が絶妙で、肉本来のうまみがギュッと凝縮されている感じ。無我夢中で頬張ってしまうおいしさです!」(3曹/男性・30代)

    航空部隊の食堂や艦艇勤務で積んだ経験を生かす

    【海上自衛隊 阪神基地隊 村上1等海曹】

     徳島県出身で、高校3年生のときに自衛隊広報官から声をかけられ、子どものころから得意だった調理の専門職もあると知り、1991年に入隊しました。航空部隊をメインに最少6人から最多360人の食堂で経験を積んできました。遠洋航海の艦艇勤務ではレセプションや会食などもこなしてきました。

     赴任して7年目に突入する当基地隊の調理室は6階にあり、海を見ながらモチベーションを上げ、おいしい料理を提供しています。また、休みには徳島の自宅に帰り、6歳と3歳の子育てに励んでリフレッシュしています。

    「鍬焼き」のレシピを紹介

    <材料(2人分)>
    牛ロース肉ステーキ用:300g

    <A>
      タマネギ(すりおろす):1/6個
      しょうゆ:大さじ3弱
      みりん:大さじ11/3
      砂糖:大さじ1/2
      和風顆粒だしの素:小さじ1/2
      ゴマ油:小さじ1弱
      おろしニンニク:少々

    サラダ油:大さじ1/2
    バター:10g

    [付け合わせ]
    タマネギ、ニンジン、カボチャ、サヤインゲンなど各適量をフライパンまたはグリルで焼いたもの(フライパンの場合はサラダ油、バター各適量で焼く)

    <作り方>

    1:Aを混ぜ合わせ、肉の漬けだれを作る。

    2:牛ロース肉を1に2時間ほど漬け込む。

    3:フライパンにサラダ油とバターを熱して2を入れ、片面を中火で1分半ほど焼き、裏返して1分ほど焼く。

    4:3を食べやすい大きさに切り、付け合わせの野菜とともに器に盛る。

    (MAMOR2025年6月号)

    <調理/樋口秀子 文/富田純子 料理撮影/星 亘(扶桑社) 写真提供/防衛省>

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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