•  日本全国にある自衛隊の基地・駐屯地の隊員食堂で自衛官たちはどんな料理を食べているのでしょう? ぜひ味わっていただこうとレシピを取り寄せました。

     今月は鹿児島県奄美基地分遣隊の「鶏飯」を紹介します。ご飯に具材をのせ、鶏スープをかけた奄美大島の郷土料理です。さらさらと食べられ、胃腸にも負担がかからないヘルシーメニュー!

    海上自衛隊 奄美基地分遣隊とは?

    画像: 海上自衛隊 奄美基地分遣隊とは?

     海上自衛隊奄美基地分遣隊は、海自佐世保警備隊(長崎県)の隷下にあり、鹿児島市の南方約420キロメートルに位置する奄美大島の最南端、瀬戸内町に所在します。奄美大島は海と山の両方を楽しむことができ、希少な動物や植物が多く、2021年には世界自然遺産に認定されました。

     25年で創設63周年を迎える当分遣隊の主な任務は、基地の警備と管理、基地を使用する艦船および航空機に対する支援などです。

    隊員が楽しみにする奄美の郷土料理 鶏飯

    画像: 隊員が楽しみにする奄美の郷土料理 鶏飯

     今回紹介するメニューは、奄美大島の郷土料理である「鶏飯」。食べたことはなくても料理名を聞いたことがある人も多いのでは?

     隊員食堂では、鶏のガラとしっとりとした鶏胸肉を1キログラムずつと、干しシイタケを水から入れてアクをとりながら丁寧にだしを取るため、鶏スープのおいしさを存分に味わうことができるそう。

     紹介するレシピは、家庭でも作りやすいよう、本物のガラではなく、鶏ガラ顆粒スープの素を用いた簡単アレンジ版。

     また、本来の鶏飯ではコリコリッとした食感を楽しめる具として、奄美地域や沖縄県で食されるパパイヤ漬け(パパイヤの若い実を塩で下漬けしてから、みそやしょうゆで漬けたもの)をのせますが、当食堂ではタクアンの千切りで代用しています。

     だしを取った後の鶏胸肉と干しシイタケの臭みを取るために、しょうゆ、砂糖、酒に加えておろしショウガで味付けすることもポイント。うまみがぎゅっと詰まったスープは残さず飲み干せると、月1回の提供日を楽しみにしている隊員も多いそうです。

    さっぱりした味わいでさらさら食べられる!

    画像: 長いテーブルに隊員が向かい合って食事をする。距離が近く、まるで家庭の食卓のような雰囲気だ

    長いテーブルに隊員が向かい合って食事をする。距離が近く、まるで家庭の食卓のような雰囲気だ

    「さっぱりとした味わいの『鶏飯』は、トッピングの組み合わせにより、いろいろな味が楽しめ、何回食べても飽きません!」【2曹/男性 40代】

    「黄金のスープは、奄美の海のように透き通っています。うまみ成分たっぷりで、おいしさが口いっぱいに広がります」【曹長/男性 50代】

    「つやつやの白飯と具材がスープに絡まって、するすると喉を通り、箸が止まりません。食後の満腹感がハンパないです」【1曹/男性 40代】

    調理場から見える隊員の食べっぷりがモチベーション

    画像: 調理場から見える隊員の食べっぷりがモチベーション

    【海上自衛隊 奄美基地分遣隊 補給科給養員長 川前海曹長】

     鹿児島県肝属(きもつき)郡の出身です。1988年に入隊してから、計7隻の護衛艦や補給艦などで「艦メシ」を作っていました。多いときで乗組員は250人。海上から陸に上がり、1度に食事ができる人数が12人というアットホームな雰囲気の食堂での勤務となり、なんだかほっとしています。

     ただ、離島ですし、近年は台風が多く、1週間食材が届かないことがあるので、発注の加減が難しいですね。店が少ないのでテレビなどで見る料理を作ってあげたいと思っています。調理場から見える隊員の食べっぷりがモチベーションになっています。

    「鶏飯」のレシピを紹介!

    画像: ※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

    ※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

    <材料>(2人分)
    ご飯:丼2杯分

    [スープ]
    水:3と1/2カップ
    鶏胸肉:100g
    干しシイタケ:5、6枚
    塩:小さじ小さじ1/2
    めんつゆ(4倍濃縮):大さじ1
    鶏ガラ顆粒スープの素:大さじ1/2
    しょうゆ、砂糖、酒:各大さじ1と1/2
    おろしショウガ:小さじ1

    [そのほかの具]
    錦糸卵(市販品30gまたは卵2個を溶き、薄焼き卵を作って千切り)
    タクアン(千切り):4枚
    万能ネギ(小口切り):適量

    <作り方>

    1:スープを作る。鍋に水、鶏胸肉、干しシイタケを入れて中火にかけ、沸とうしたらアクを除き、弱火にして15〜20分煮てだしを取る。だしが取れたら、鶏胸肉と干しシイタケは取り出す。だし汁をザルまたはペーパータオルなどでこし、塩とめんつゆ、鶏ガラ顆粒スープの素を加えて味を調える。

    2:具2種を作る。1で取り出した鶏胸肉は繊維に沿って裂き、干しシイタケは千切りにする。小鍋に入れ、しょうゆ、砂糖、酒とおろしショウガを加え、ときどき混ぜながら煮汁がなくなるくらいまで煮る。

    3:丼にご飯を入れ、2とそのほかの具を彩りよくのせ、1をかける。

    鶏飯とは

     奄美大島を代表する郷土料理。ほぐした鶏肉、干しシイタケ、錦糸卵、パパイヤ漬けなどをご飯の上にのせ、鶏ガラのスープをかけて食す。

     かつて、奄美群島が薩摩藩の支配下に置かれていた時代、本土から渡ってくる威圧的な役人の気持ちを和らげるために作られたおもてなし料理とされる。

     当時はスープをかけるのではなく炊き込みご飯風だったが、昭和の時代からスープをかけるお茶漬け風に。鹿児島県内では居酒屋、郷土料理店、学校給食のメニューとして人気。

    (MAMOR2025年3月号)

    <調理/樋口秀子 文/富田純子 料理写真/星 亘(扶桑社) 写真提供/防衛省>

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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