• 画像: 陸上自衛隊・中央情報隊歌の「隊歌」を紹介。歌詞にある「戦場の霧」が意味するものとは?

     自衛隊には数多くの部隊があり、中には自隊のテーマソング「隊歌」を持つ部隊もあります。

     その歌詞を読むと、国を、地元を愛する気持ち、家族、仲間を想う気持ちが表されて、各隊員の心意気が伝わってきます。そんな隊歌にあなたも触れてみてください。

    中央情報隊とは…

     朝霞駐屯地(東京都)に所在する陸上自衛隊陸上総隊直轄の情報科部隊。各部隊の情報を一元的に収集・処理して、陸自の活動に必要な情報を提供している。

    「陸上自衛隊中央情報隊歌」の歌詞を紹介

    鋭き刃を背に抱き 熱き魂心は一つ

    情報の砦築くため 情報戦に勝利する

    我ら中央情報隊 情報部隊の要なり

    常に未来を先見し たゆまぬ努力と探求心

    個々の力を結集し 新たな道を切り開く

    我ら中央情報隊 戦場の霧をいざ晴らす

    心に堅い鍵を持ち 

    日本の誇りを使命に燃ゆる

    豊富な知識と創造性

    世界を視野に飛躍する

    我ら中央情報隊

    部隊の道を照らし行く

    <作詞/後藤忠 作曲/陸上自衛隊中央音楽隊>

    「陸上自衛隊中央情報隊歌」の歌詞を解説

     自衛隊が作戦を行う戦場とは、終始、霧(地形、気象、敵情など不確実要素・要因が多々ある)の中にあり、その霧を晴らし任務を達成するには、各種情報の優越が非常に重要であることを歌っている。

    情報科の「職種き章」がモチーフの詞に注目

    画像: 情報科の「職種き章」がモチーフの詞に注目

    「当歌は、2007年に中央情報隊が発足した後、部隊の『団結』、『士気』を高めるために隷下部隊に広く歌詞を募集し、陸自中央音楽隊に作曲の協力を得て、12年に完成しました」と答えてくれたのは、11年まで地理情報隊の第1科長を務め、22年に定年退職した、作詞者でもある後藤忠氏だ。

     その歌詞は、全ての情報科隊員に理解を得られるよう、情報科の職種き章をモチーフに考えたとのこと。

     後藤氏いわく、1番の歌詞にある「鋭き刃を背に抱き 熱き魂心は一つ」は、き章にある日本刀を表現。第4の戦闘力である切れ味鋭い情報力を持つ隊員の勇ましい姿勢を歌っており、2番の歌詞にある「常に未来を先見し たゆまぬ努力と探求心」は、き章にある望遠鏡を表現。

     先見・洞察力の高い隊員の勤務姿勢を歌っており、3番の歌詞にある「心に堅い鍵を持ち 日本の誇りを使命に燃ゆる」は、き章にある鍵を表現。

     情報分析と保全の重要性を理解し、高い使命感を持ってまい進する隊員の姿勢を歌っているのだとか。戦場の霧を晴らそうと、尽力する隊員らの信念が感じられる隊歌を、ぜひ聴いてみて!

    (MAMOR2024年12月号)

    <写真/山田耕司>

    これが部隊のテーマソング

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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