•  日々、厳しい任務に取り組む自衛隊員の健康と鋭気を生み出す隊員食堂。本誌マモルでは連載ページ「隊員食堂」で全国の隊員食堂の自慢メニューを紹介しているが、本記事では、その調理場に注目! 今回は自衛隊体育学校の調理場に潜入してみた。

    【朝霞駐屯地特体食堂情報】
    喫食数/約120食
    特徴/席数は約110席。栄養や健康管理に関する情報が目につく所に張られていたり、体育学校出身の歴代アスリートの写真も掲げられている
    雰囲気/同じ競技のアスリートが集まって、リラックスしながら食事をしている
    人気メニュー/朝霞たっぷりタルタルフィッシュ

    通常献立にプラスαのアスリートの勝負めし

    画像: 配食の場にも、A、B各メイン料理を出すコーナーのほかに、特体メニューを出すコーナーが設けられている

    配食の場にも、A、B各メイン料理を出すコーナーのほかに、特体メニューを出すコーナーが設けられている

     陸上自衛隊朝霞駐屯地(東京都)には、一般の隊員食堂のほかに、自衛隊体育学校に所属するアスリート隊員(特別体育課程学生)のための「特体食堂」がある。

    【特体献立A】

    画像1: 通常献立にプラスαのアスリートの勝負めし

    【特体献立B】

    画像2: 通常献立にプラスαのアスリートの勝負めし

     隊員食堂のランチは、400キロカロリーの差があるA、B2つの献立から隊員がどちらかを選ぶようになっているが、特体食堂では、さらに準主菜と副菜、フルーツなどからなる特体食がプラスして提供される。アスリート隊員は自らのトレーニングメニューやウエートコントロールの状況に合わせ、A、Bどちらかと特体食を組み合わせて食べている。

    栄養管理でメダリストを生み出す

    画像: 特体食堂を訪れたアスリートは、入り口にサンプルとして並べられた本日のメイン料理と特体メニューを見て、メインをAとBのどちらにするか素早く決める

    特体食堂を訪れたアスリートは、入り口にサンプルとして並べられた本日のメイン料理と特体メニューを見て、メインをAとBのどちらにするか素早く決める

     現在、特体食堂を利用しているのは、駐屯地内に居住するアスリート隊員約120人。その特体献立を仕込み4人、調理1、2人で作っている。

     献立づくりを任されている藤本防衛技官によると、アスリート隊員のカロリー基準は1日4400キロカロリーと一般隊員より1200キロカロリーほど多く、A・B各献立とは異なる副主菜で、なおかつ栄養バランスが取れ、味にバラエティーのある特体献立を作るのはなかなか難しいそうだ。

    画像: アスリートは、自衛官の中では比較的ゆっくりと食事をとっている印象。消化不良を起こさないように、しっかりとかんで食べているようだ

    アスリートは、自衛官の中では比較的ゆっくりと食事をとっている印象。消化不良を起こさないように、しっかりとかんで食べているようだ

    「金曜の昼はカレー、麺類は週2回程度出すほかに、揚げた白身魚に甘酢あんやタルタルソースをかけた朝霞名物の『朝霞たっぷりタルタルフィッシュ』も月に1回提供しています。精神的な疲れを癒やすためにスイーツ類を加えたり、飲み物も水やお茶だけでなく意識的に乳飲料、果汁飲料などを取り入れ、栄養を補うようにしています」

    画像: 「オリンピックの代表選手が大会後にあいさつに来ることもあるのですが、ここで食べた食事でメダルをとったのかと思うと本当にうれしいですね」と藤本技官

    「オリンピックの代表選手が大会後にあいさつに来ることもあるのですが、ここで食べた食事でメダルをとったのかと思うと本当にうれしいですね」と藤本技官

     時間をかけて考案した献立をアスリートが笑顔で食べているのを見るとホッとするし、それが試合の結果につながるかと思うと大きなやりがいを感じるという。

    (MAMOR2024年10月号)

    <文/古里学 撮影/増元幸司 写真提供/防衛省>

    「隊員食堂」の調理場に潜入!

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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