•  航空自衛隊は2024年に創隊70周年を迎えた。そして日本の空を守る航空自衛隊は、合計400機以上の航空機を保有している。

     それぞれのパイロットをはじめ、搭乗する隊員たちに、「愛機」への熱い思いとともに紹介してもらった。

    F‐35:世界最新鋭の高性能戦闘機。高度なステルス性能が自慢

    画像: F‐35:世界最新鋭の高性能戦闘機。高度なステルス性能が自慢

    <SPEC>全幅:10.7m 全長:15.6m 全高:4.38m 最大速度:約1955km/h

    【反田和宏2等空佐】
    第3航空団第302飛行隊・飛行隊長。F-4パイロットを経て、F-35に機種転換。各種任務を行うほか、飛行隊長として部下を率いる

    「F−35は最新鋭のステルス戦闘機です。外見はややずんぐりむっくりして見えますが、中身はとてもスマート! 乗り心地や操作性もピカイチです。多数のセンサーを装備し高度に情報化された機体なので、特別な知識がなければ最大性能を発揮することはできません。

     機体のソフトウエアも定期的に更新されるため、日々の自学研さんが不可欠。戦闘機乗りとしての操縦能力に加え、センサーなどで得た情報を効果的に活用するためのマネジメント能力が必要です。今後、航空自衛隊の主役として、日本の空と、国民の笑顔を守るF−35に注目ください!」

    F-15:長く日本の空を守ってきた主力戦闘機「イーグル」

    画像: F-15:長く日本の空を守ってきた主力戦闘機「イーグル」

    <SPEC>全幅:13.1m 全長:19.4m 全高:5.6m 最大速度:約3060km/h

    【二宮康之2等空佐】
    第2航空団第201飛行隊・飛行隊長。F-15のパイロット・飛行隊長として千歳基地(北海道)からフライトを行い日本の空を守る

    「空自の主力として、40年以上にわたり日本の空を守ってきたF−15。大きなトラブルもなく安心して飛べる戦闘機です。初めて乗ったときには『めちゃくちゃ速い』と感じたものでした。

     性能を上げるために電子機器のアップデートは続けられますが、ベースは変わらずに引き続き最前線で活躍する航空機です。F−15は性能もさることながら、どの角度から見てもとてもスマートな外観が格好いいと思います。

     まだまだ活躍できるF−15。F−35などの『若者』に負けないように、今後も日本の空を飛び続けてほしいと思います!」

    KC-46A:航空機の航続距離を延ばす、最新鋭の空中給油・輸送機

    画像: KC-46A:航空機の航続距離を延ばす、最新鋭の空中給油・輸送機

    <SPEC>全幅:約47.6m 全長:約50.4m 全高:約16.1m 最大速度:約1050km/h

    【南目晃宏2等空佐】
    第3輸送航空隊第405飛行隊・飛行隊長。C-130Hパイロットを15年経験し、KC-46Aを運用する飛行隊の長に。美保基地(鳥取県)勤務

    「空中でほかの航空機に燃料を補給し、航続距離や航続時間を延ばす『空中給油』が主な任務となります。KC−46Aは、ボーイング767旅客機をもとに開発された機体で、KC−767と同系統の機体です。まだ導入されたばかりの最新機種のため、今後活躍できることを楽しみにしています。

     力強い上昇性能と、空気抵抗の少ない機体が特徴で、飛行のほとんどを自動操縦できる非常にスマートな機体です。機体を操り、持っている性能を十分に引き出してやるためには、パイロットにもスマートさが求められます」

    F-2:優秀な国産戦闘機。防空や陸・海の支援までこなす

    画像: F-2:優秀な国産戦闘機。防空や陸・海の支援までこなす

    <SPEC>全幅:11.1m 全長:15.5m 全高:5m 最大速度:約2445km/h

    【山本 豊2等空佐】
    第7航空団第3飛行隊・飛行隊長。F-4パイロットを経てF-2に機種転換した

    「日本の技術の『粋』が詰まった国産戦闘機です。操作性、機動性に優れ、対領空侵犯措置への対処、敵艦艇への攻撃までこなせます。

     とにかくよく動く航空機で、性能が優秀すぎて、私の体が時に悲鳴をあげるほど。機体はもちろん、50歳を超えた私の体も重点的にメンテしておかないといけません。これからも基本に忠実に、F−2の性能を十分に発揮させることを意識しながら任務に臨みます。F−2よ、いつもありがとう、これからもよろしく」

    E-767:AWACSの名で知られ「空飛ぶ司令室」になる

    画像: E-767:AWACSの名で知られ「空飛ぶ司令室」になる

    <SPEC>全幅: 約48m 全長: 約49m 全高:約16m 航続距離:約7200km 最大速度:約840km/h 航続距離:約9000km

    【小池達也2等空佐】
    第602飛行隊・飛行隊長。機上兵器管制官として機上で警戒管制を行う

    「E−767は、強力なレーダーを搭載し、地上のレーダーサイトによる監視を補完・延伸させます。戦闘機や艦艇などに指示を出しながら任務を達成する、いわば空飛ぶ司令室。

     合計20人のクルーで運用するため、任務達成のためにはチームワークが重要な機種です。頑丈で器材にも信頼性があり、安心して任務に臨めます。旅客機をベースに作られているので、自衛隊機の中では乗り心地もかなり快適。上空での任務において信頼できる相棒です」

    E-2C/E-2D:強力なレーダーを備える、「空飛ぶレーダーサイト」

    E-2C

    画像: 1987年に配備され、航空機の早期発見のほか、地上レーダーサイトの代替、通信の中継などを行うことができる

    1987年に配備され、航空機の早期発見のほか、地上レーダーサイトの代替、通信の中継などを行うことができる

    E-2D

    画像: E-2Cをベースにしてレーダーの改良が図られた航空機。広範囲をカバーすることができ、早期発見能力が向上している

    E-2Cをベースにしてレーダーの改良が図られた航空機。広範囲をカバーすることができ、早期発見能力が向上している

    <SPEC>全幅:24.6m 全長:17.6m 全高:5.6m 最大速度:約600km/h

    【山下 徹2等空佐】
    警戒航空団飛行警戒監視群第601飛行隊・飛行隊長。職種は機上兵器管制官

    「E−2C/Dは『空飛ぶレーダーサイト』。離れた場所にいる航空機や船を発見し、日本周辺の警戒監視を行う早期警戒機です。『タカの目』を持つ、頼もしい相棒です。アメリカでは艦載機としても運用されているため、主翼を折り畳むこともでき、まるで変形ロボットのような格好良さもあります。

     2人のパイロットと3人のレーダー・オペレーターが協力して任務に臨むE−2C/D。これからも頼りになる空自の『目』として頑張ってくれるでしょう」

    B-777:「政府専用機」としてVIPを輸送する航空機

    画像: B-777:「政府専用機」としてVIPを輸送する航空機

    <SPEC>全幅:64.8m 全長:73.9m 全高:18.5m 最大速度:約1090km/h

    【市橋正樹2等空佐】
    特別航空輸送隊第701飛行隊・飛行隊長。B-777に機長として乗務する

    「空自が運用する機種の中で最も大きな機体であり、他機種に比べて加減速に時間を要したり、地上での取り回しが難しかったりと神経を使うことも。その分、うまく扱えたときの喜びは大きいですね。

     最新のハイテク機でもあり、とても優秀な相方です。ボーイングのベストセラー旅客機が元になった機体であり、皇族をはじめVIPが搭乗するため、快適性も重視されています。関係者全員がチーム一丸となり任務を完遂する達成感は格別です」

    (MAMOR2024年7月号)

    <文/臼井総理 写真提供/防衛省>

    ありがとう、航空自衛隊!

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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