「護守印」は、海上自衛隊の一部の艦艇が航行の安全を祈念し作成したもので、広報のため、艦の見学者にも記念に配布されている。
今回、マモルでは特別に各艦艇の「護守印」を一挙公開。新年度に向けてあなたの心に護守印パワーを!
護衛艦『あさひ』の護守印
護衛艦『あさひ』
ガスタービンエンジンと電動機を組み合わせた、海上自衛隊のハイブリッド護衛艦。燃費性能に優れている。また、潜水艦の潜望鏡を自動探知する水上レーダーも装備。母港は佐世保(長崎県)。
<SPEC>基準排水量:5100t 全幅:18.3m 全長: 151m 速力: 約56km/h 深さ:10.9m 喫水:5.4m
護衛艦『あさひ』艦長のコメント
【『あさひ』5代目艦長 大濵英樹2等海佐】
護守印のデザインは本居宣長の和歌「敷島の やまと心を 人とはば 朝日に匂う 山さくら花」から考えられました。困難な任務も完遂してくれる個性豊かな乗員たちが『あさひ』の自慢。護守印を持っていると百人力ですよ。
護衛艦『あしがら』の護守印
護衛艦『あしがら』
長射程化、高速化、小型化が進む空対艦ミサイルに対応するため、防空の管制能力を高めた護衛艦。司令部や味方部隊と即時に情報を共有し、日本に飛来する弾道ミサイルの対処なども行う。母港は佐世保(長崎県)。
<SPEC>基準排水量:7750t 全幅:21.0m 全長:165m 速力:約56km/h 深さ:12.0m 喫水:6.2m
護衛艦『あしがら』艦長のコメント
【『あしがら』10代目艦長 仲井大介1等海佐】
『あしがら』のロゴマークが金太郎で、そのモデルが坂田金時という侍のため、護守印のデザインがかぶとと刀に。乗員一同で強い『あしがら』をつくり上げ、「侍魂」が艦に宿るようにとの願いも込められているんです。
護衛艦『いせ』の護守印
護衛艦『いせ』
ヘリコプター搭載型護衛艦。広大な格納庫を持ち、ヘリを最大10機搭載可能。艦橋にある構造物が右げん側に寄せられた造りで飛行甲板が広いため、4機のヘリが同時に発着艦できる。母港は佐世保(長崎県)。
<SPEC>基準排水量:約13950t 全幅:33.0m 全長:197m 速力:約56km/h 深さ:22.0m 喫水:7.0m
護衛艦『いせ』艦長のコメント
【『いせ』8代目艦長 金子純一1等海佐】
護守印に描かれたツバキとツルは『いせ』の優雅な様子を、三日月は「病気や災いから守ってくれる」という言い伝えから平和と航海の安全への願いを表現。大型の艦体で少々の波では揺れないのが頼もしいです。
護衛艦『おおなみ』の護守印
護衛艦『おおなみ』
2003年に配備された護衛艦隊の中核を構成する汎用護衛艦。主砲に127ミリ速射砲を装備し、水上打撃力を強化したのが特徴。対空ミサイルなどの垂直発射装置が前部に装備されている。母港は横須賀(神奈川県)。
<SPEC>基準排水量:4650t 全幅:17.4m 全長:151m 速力:約56km/h 深さ:10.9m 喫水:5.3m
護衛艦『おおなみ』艦長のコメント
【『おおなみ』16代目艦長 佐々木康光2等海佐】
『おおなみ』を表す大きな波と、本艦の建造計画が承認された1998年が寅年だったことを示すトラが描かれた護守印。「心は熱く、頭は冷静に」をモットーに全員が同じ方向に突き進むのが“おおなみスタイル”です。
護衛艦『きりしま』の護守印
護衛艦『きりしま』
複数の目標を同時に対処できるイージス・システムを搭載し、艦隊防空能力が向上。高い指揮管制能力と情報処理能力を持つ。垂直発射装置などを装備している。母港は横須賀(神奈川県)。
<SPEC>基準排水量:約7250t 全幅:21.0m 全長:161m 速力:約56km/h 深さ:12.0m 喫水:6.2m
護衛艦『きりしま』艦長のコメント
【『きりしま』18代目艦長 石寺隆彦1等海佐】
護守印の中央にはたて(イージス)を配し、その上に高千穂峰にある「天逆鉾」と自衛艦旗、Z旗(注2)を配することで、即応態勢を保つことを意味しています。長期勤務に耐えうる粘り強さが『きりしま』の自慢です!
(注2)国際信号機の1つ。旧海軍では、重要な局面で士気高揚のため、艦艇のマストに掲げられた
護衛艦『たかなみ』の護守印
護衛艦『たかなみ』
水上における打撃力強化に重点が置かれており、対空ミサイルとアスロック(ロケットの先端に魚雷を装備したもの)を垂直に発射する垂直発射装置を装備している。母港は横須賀(神奈川県)。
<SPEC>基準排水量:4650t 全幅:17.4m 全長: 151m 速力: 約56km/h 深さ:10.9m 喫水:5.3m
護衛艦『たかなみ』艦長のコメント
【『たかなみ』15代目艦長 西川瑠美2等海佐】
波しぶきを模した南十字星は、先々代『高波』の勇敢な犠牲的な行動を象徴すると同時に、これらの良き伝統を受け継ぐ意思も表しています。われら『たかなみ』は、『高波』に負けない行き足(加速状態)で突き進みます!
護衛艦『てるづき』の護守印
護衛艦『てるづき』
弾道ミサイルの警戒・対処に従事する護衛艦を、敵の航空機や潜水艦などの攻撃から守る役割を担う護衛艦。高い防空能力を生かし、対空目標の広域捜索・追尾などを行う。母港は横須賀(神奈川県)。
<SPEC>基準排水量:5050t 全幅:18.3m 全長:151m 速力:約56km/h 深さ:10.9m 喫水:5.4m
護衛艦『てるづき』艦長のコメント
【『てるづき』8代目艦長 林 功2等海佐】
護守印の中央上部には月の女神「アルテミス」を、右下には『てるづき』を描き、「照り輝く月の下、率先して任務に臨み、達成する」という艦の方針を示しています。乗員は艦名の由来「照り輝く月」を誇りに思っています。
護衛艦『はるさめ』の護守印
護衛艦『はるさめ』
1997年3月に就役した護衛艦。護衛艦隊の中心的役割を担う。従来艦よりも少人数で運用できる操だ装置が搭載されているほか、居住性の向上が図られた造りになっている。母港は佐世保(長崎県)。
<SPEC>基準排水量:4550t 全幅:17.4m 全長: 151m 速力: 約56km/h 深さ:10.9m 喫水:5.2m
護衛艦『はるさめ』艦長のコメント
【『はるさめ』19代目艦長 北村友嗣2等海佐】
護守印には最新のロゴマークを採用しました。知勇兼備の防人が愛馬を駆使して国の護りに赴く姿をシルエットとして描き、いかりのマークは旧海軍の伝統を継承したもの。持っていると守ってもらえそうな護守印です。
(MAMOR2024年3月号)
<写真提供/防衛省>