MAMOR 最新号

5月号

定価:780円(税込)

画像: 敵の潜水艦を探し出せ! 知られざる海の戦い「対潜水艦戦」とは?

 島国・日本の国防において脅威となるのが敵の潜水艦だ。

 隠密行動をする“海の忍者”の侵入を防ぐため、海上自衛隊は日夜、任務に就いているが、彼らはどのように海中の潜水艦を発見しているのだろうか。 

 世界トップレベルといわれる海自の潜水艦探知能力を知るために、対潜水艦戦のシミュレーションを作成した。日本が得意とする「抜群のチーム力」で敵を撃破する仮想潜水艦戦が今始まる!

「対潜水艦戦」ってどんな任務?

画像: 対潜戦のイメージ。輸送艦を哨戒機、哨戒ヘリコプター、護衛艦で護衛し、潜水艦の脅威から守りながら目的地まで安全に航行させるのが目的だ

対潜戦のイメージ。輸送艦を哨戒機、哨戒ヘリコプター、護衛艦で護衛し、潜水艦の脅威から守りながら目的地まで安全に航行させるのが目的だ

 対潜水艦戦(以下・対潜戦)とは、敵潜水艦が発するスクリュー音などの音響情報や通信電波などを探知し、捜索や追尾、攻撃などを行うこと。

 敵潜水艦の警戒・攻撃に特化した哨戒機や、護衛艦、哨戒ヘリコプター、潜水艦などで編成される。日本周辺海域や海峡など、わが国の主要航路の要衝を監視したり、潜水艦の出航情報を基に特定海域を捜索したりと、日々さまざまな状況で対潜戦が行われている。

対潜戦に登場する艦艇と航空機を紹介

 今回シミュレーションした対潜戦の状況は、1機のP−3C哨戒機のほか、2隻の護衛艦とそれぞれ搭載している哨戒ヘリコプターSH−60Kで編成を組み、目的地まで航行する輸送艦『おおすみ』を護衛し、必要に応じて敵潜水艦に対処するというもの。

『おおすみ』の航行ルート上に敵潜水艦がいるかどうか各ユニットが警戒し、連携する作戦が展開される。

P-3C

画像: P-3C

 潜水艦や不審船舶の監視を行う哨戒機。機動力が高く、広い範囲を捜索できるため、遠方の警戒・監視を担当する。
 
<SPEC>全幅:30.4m 全長:35.6m 全高:10.3m 全備重量:約56t 巡航速度:約645km/h 最大速度:約730km/h

SH-60K

画像: SH-60K

 潜水艦や不審船舶の監視を行う哨戒ヘリコプター。敵潜水艦を捜索するつり下げ式ソナーを搭載している。

<SPEC>全幅:16.4m 全長:19.8m(寸法はローター回転時)全高:5.4m 全備重量:約10.9t 最大速度:約255km/h

護衛艦

画像: 護衛艦

 水上レーダーやソナー(音波の反響によって水中の情報を得る)など、多くのセンサーで潜水艦を探索するほか、対艦ミサイルや魚雷なども搭載している。シーレーンの安全を守るという重要な役割を担うマルチプレイヤーだ。

輸送艦『おおすみ』

画像: 輸送艦『おおすみ』

 人員や物資などを輸送するための艦艇。自衛隊の特殊車両やヘリコプターなども格納・輸送することができる。

<SPEC>基準排水量:8900t全幅:25.8m 全長:178m 速力:約41km/h 深さ:17.0m 喫水:6.0m 乗員:約135人

敵潜水艦

画像: 敵潜水艦

 今回の対潜戦では、「輸送艦を攻撃する」という任務を達成するため、P-3CやSH-60K、護衛艦に探知されないように近づきながら、攻撃を試みる。潜水艦は、外壁に音波吸収材を設置するなど、隠密性を高めた構造になっている。

 次回は、いよいよシュミレーションの内容を解説していきます。

(MAMOR2023年7月号)

<文/魚本拓 CGイラスト/浜口泰昭>

海自のVR対潜水艦戦を実況中継!

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