日本の海を守る海上自衛隊にも、外敵の脅威に対処するために陸上で戦う部隊がある。それが海自の港湾などの警備を担う陸警隊(りっけいたい)だ。
全国5箇所にある地方隊の中でも、首都圏内にあり、海自の中枢ともいえる横須賀地方隊に所属する陸警隊は精鋭部隊として知られている。
横須賀市にある海自施設6地区の24時間体制での警備をはじめ、その任務は多岐にわたる。マモルでは、横須賀基地への不審者侵入を想定した訓練に同行。マンガ形式でその様子をリポートしよう。
基地内に拳銃を所持した不審者が侵入!
とある日の朝、横須賀基地新井地区の基地内に拳銃を所持した不審者が侵入。警備隊本部からその一報が陸警隊長に連絡された。
不審者の発見場所や人数、外見の特徴など、その動向に関する状況を、陸警隊長が速やかに隊員たちに志達する。
迅速に6人からなる対処要員チームが編成され、各種装備を装着した後、陸警隊長の合図とともに現場へ出動していく。
警備犬と連携して不審者を捜索
2人1組で行動し、前方、側面、後方を警戒しながら不審者の捜索にあたる隊員たち。
不審者から距離をとり、できるだけ死角となる位置で臨戦態勢を取った対処要員チームは、まずは口頭で警告を行う。警備犬がいることを不審者に知らせるため、ほえさせて威嚇!
対処要員が不審者の身柄を確保!
放たれた警備犬は一直線に不審者のもとへ。そして、ひるんだ不審者の腕にかみつき、動きを封じた!
倒れた不審者に銃口を向けながら「動くな!」と警告する対処要員。2人の隊員でうつ伏せにすると、ナイロンカフ(簡易手錠)で両手を後ろ手に縛り、無力化する。
不審者を立ち上がらせ、防弾盾を持つ隊員を先頭に、周囲を警戒しつつ連行する対処要員。こうして今日も、基地の平和は守られた。
<文/魚本拓 写真/村上由美>
(MAMOR2023年6月号)
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです