ロシアによるウクライナ侵略のニュースを目にしない日はない。インタビューを通して分かる、老いも若きも性別も関係なく、ウクライナ一般国民の国防意識の高さに驚かれた方も多いのではないだか?
もし、同じ事態が日本に起きたら果たして私たちはインタビューにどう答えるだろう? マモルでは、2009年と14年の2回、明日の日本を背負って立つ10~30代の国民に、国防意識を問うアンケート調査を実施している。世界の安全保障環境が激変した22年、若者の意識は変わったのか?その回答を探るべく発売中のMAMOR2022年12月号では、緊急アンケート調査(注)を実施した。「あなたは国を守りますか?」
(注)2022年8月12〜19日、全国15〜39歳の男女400人を対象にクロス・マーケティング社 QiQUMOを利用しオンライン調査を実施(有効解答率100%)
アンケート属性はこちら
【年代】
15〜20歳:28% / 21〜25歳:21% / 26〜30歳:26% / 31〜35歳:15% / 36〜39歳:10%
【性別】
男性:45.3% / 女性:51.9% / 答えたくない:2.8%
【職業】
会社員:43.4% / 学生:23.8% / パート・アルバイト:13.2% / 専業主婦・主夫:5.3% / 家事手伝い:4% / 自営業:2.5% / 公務員:2% / 自由業:2% / NGO・NPO職員:0.3% / その他:2%
【婚姻の有無】
未婚:76.2% / 既婚:23.8%
「なぜ、戦わないのか?」街頭で10〜30代の若者に聞いてみました
今回の調査では「もし日本が侵略されたら戦いますか?」という設問に対し71.8パーセントが「戦わない」と回答した。アンケート結果の数字だけでは分からない若者の考えを知るべく、2022年9月下旬、都内で道行く一般の若者にインタビューしてみた。
現実問題として考えるとリアルではない回答も
「何もしない。自分が戦わなくても自衛隊やアメリカ軍が何とかしてくれる」(20代・男性)
「服従する。嵐が過ぎ去るのを待ちます」(20代・男性)
「逃げます。アメリカなら安全かも」(30代・男性)
「逃げます。安全な場所を探して逃げ続ける」(20代・女性)
休日の午後、東京・都心を歩いていた20人の若者に、「日本が侵略されたら戦いますか?」と聞いてみた。「戦う」と回答したのは6人。「戦わない」と答えた14人の若者に、「なぜ、戦わないのですか?」と理由を聞いてみると、「怖い。戦いたくない。戦争反対」(20代・男性)、「自衛隊やアメリカ軍が守ってくれる」(20代・女性)という声が多く聞かれた。
「逃げる」と答えた人に、「敵が攻めてきた状況で、四方を海で囲まれた日本から出るのは容易ではないのでは?」と質問すると、困ったような反応だった。
また、「戦わず逃げもせず侵略者に服従する」と答えた人に、「一般市民に対する拷問や殺人など、ウクライナで起きているといわれる戦争犯罪を知っていますか?」と聞くと「ニュースは見ないので知らない」と答えた。
このリポートを読まれたあなたは、どう答えますか?
防衛への関心は高まっているが…
Q:日本の防衛問題に興味がありますか?
はい:46.3% / いいえ:53.7%
2018年内閣府調査では…
非常に関心がある:14.9% / ある程度関心がある:52.9% / あまり関心がない:25.9% / 全く関心がない:5.5% / 分からない:0.8%
2018年「自衛隊・防衛問題に関する世論調査」では自衛隊に全く関心がないと答えた人は5.5パーセント。多くの国民は自衛隊に対して少なからず関心を持っている。
自衛隊への関心は高まっている
過去20年の「自衛隊に対する関心度」を比較すると、2011年の東日本大震災以降、自衛隊への関心が少しずつ高まっているのが分かる。
「国を愛する気持ちを持っている?」内閣府調査の回答は(2022年3月発表)
Q:あなたは他人と比べて、「国を愛する」という気持ちは強いほうだと思いますか?
非常に強い:9.5% / どちらかといえば強い:42.1% / どちらかといえば弱い:7.2% / 非常に弱い:1.6% / どちらともいえない:38.8% / 無回答:0.8%
Q:あなたは、今後、国民の間に「国を愛する」という気持ちをもっと育てる必要があると思いますか?
そう思う:30% / どちらかといえばそう思う:54% / どちらかといえばそうは思わない:12% / そうは思わない:3% /無回答:1%
※内閣府調査「社会意識に関する世論調査(2022年3月)」(注:日本全国18歳以上の日本国籍を有する男女3000人に調査)の質問「国を愛する気持ちの程度」、「国を愛する気持ちを育てる必要性」の調査結果より
<文/古里学>
(MAMOR2022年12月号「日本が侵略されたら戦いますか?」より一部抜粋)