日本全国にある自衛隊の基地・駐屯地の隊員食堂で自衛官たちはどんな料理を食べているのでしょう?ぜひ味わっていただこうとレシピを取り寄せました。今回は鹿児島県奄美駐屯地の「島豚肉みそラーメン」。郷土料理の肉みそをラー油でピリ辛味にアレンジしてマイルドな味わいのラーメンにドーンとトッピング!
南西地域の防衛を担う奄美駐屯地
陸上自衛隊奄美駐屯地と瀬戸内分屯地は2019年3月にそれぞれ開設されました。共に九州南方海上、鹿児島県佐多岬と沖縄本島の中間に位置する奄美大島にあります。奄美駐屯地は島の北部、標高200メートルの山に囲まれた場所にあり、敷地は東京ドーム約12個分。駐屯地から見える東シナ海の水平線に沈む夕日は絶景で、近くの大熊展望広場は人気観光スポットの1つです。
地上の守りの要である陸自は南西地域の防衛体制強化のため、これまで配備されていなかった九州から沖縄に至る島しょ部、南西諸島の防衛を強化する方針で、奄美大島への部隊配備もその一環です。
奄美駐屯地には南西地域の防衛を任務とする奄美警備隊主力をはじめ、第344高射中隊およびそれらを支援する部隊などが所在。当駐屯地より南西約40キロメートルにある瀬戸内分屯地には奄美警備隊普通科中隊、第301地対艦ミサイル中隊などが配置されています。
今回紹介するのは奄美駐屯地、瀬戸内分屯地で提供されている「島豚肉みそラーメン」。鹿児島県の郷土料理の1つ「肉みそ」をピリ辛味にしてラーメンにのせました。食堂では豚骨と鶏ガラを野菜と一緒に沸騰させながらじっくりだしをとるという本格味。このパイタンスープに肉みそをくずしながら食べると味の変化が楽しめます。隊員によっては食べる前に肉みその半分をご飯のほうにのせるのだとか。家庭では肉みそを多めに作っておくと、チャーハンや焼きそばにも使え、重宝するそう。
島豚とピリ辛味のラーメンがマッチ!
隊員たちに食べた感想を聞いてみると……。
「スープ、肉みそ、ビジュアル、全て大満足。島の駐屯地で、こんなにおいしいラーメンが食べられるなんてサイコ~!」【2曹/男性・40代】
「大好きな島豚がたくさん入っていて、辛すぎないピリ辛味がラーメンとしっかり絡んで、とってもおいしかったです」【士長/女性・20代】
「島豚のひき肉とラーメンがマッチしていて、味付けもちょうどよかった。見た目も食欲をそそり、おかわりしたかったです」【士長/男性・20代】
隊員の「おいしい!」という笑顔を糧に
【陸上自衛隊 奄美駐屯地 奄美警備隊 後方支援隊 糧食班 栄養士 福田由佳】
栄養士の福田由佳さんにもお話を伺いました。
「栄養担当官としては6年目、当駐屯地には開設された当初から勤務し、2年目になります。多くの方の支えで、思ったより早く業務に慣れ、軌道にのせられたかなと思います。月2回は自動車で1時間ほどの瀬戸内分屯地で業務を行っています。
離島での勤務は初めて。輸送手段が全て船便のため、天候によって納品が遅延したり、ストップしたりと突発的な案件が多く、柔軟な対応が求められます。絶景の夕日が望めるぜいたくな環境の中、隊員のおいしい! という笑顔を糧に、気を引き締めて良い献立を作っていきたいと思います」
「島豚肉みそラーメン」のレシピを公開
<材料(2人分)>
中華麺(生):2玉
[スープ]
湯:4カップ
顆粒パイタンスープ(市販):大さじ11/3
[肉みそ]
ゴマ油:小さじ1/2
おろしニンニク、おろしショウガ:各小さじ1
タマネギ(みじん切り):100g
豚ひき肉:120g
麦みそ:大さじ2
砂糖:大さじ1
酒:小さじ2
ラー油:小さじ1
白ゴマ:大さじ1
[トッピング]
チンゲンサイ2枚をさっとゆでて湯をきり、食べやすく切る
<作り方>
1:スープを作る。湯を沸かし、顆粒パイタンスープを溶かす。パイタンスープがなければ、顆粒鶏ガラスープでもよい。
2:肉みそを作る。鍋またはフライパンにゴマ油とおろしニンニク、おろしショウガを入れて弱火にかけ、香りが出たらタマネギを加えて炒め、透きとおってきたらひき肉も加えて炒める。火を止め、余分な油をペーパータオルなどで拭き取り、麦みそ、砂糖、酒を加えて再び火にかける。なじんだら、ラー油を加え、最後に白ゴマを入れて混ぜ炒める。
3:別の鍋にたっぷりの湯(分量外)を沸かし、中華麺を表示どおりにゆで、よく湯をきって器に入れる。
4:③に①のスープを熱くして注ぎ入れ、チンゲンサイをトッピングし、②の肉みそを汁気がある場合はきって、ディッシャー(なければ小さめのボウルなどに詰めてもよい)でひとすくいし、上にのせる。
※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました
注目食材:奄美産島豚
奄美大島では昔から各家庭に豚小屋があり、1頭の母豚と子豚が飼われ、食文化は豚肉とともにあったといわれる。奄美産島豚は育成期間が長く、締まった肉質と甘い脂身が特徴で、上品なうま味と甘みが楽しめる。また豊富な必須アミノ酸に加え、ビタミンB群を多く含む。ふるさと納税の返礼品などでも手に入るが、家庭では市販の豚ひき肉を代用しても。
<調理/樋口秀子 文/富田純子 料理撮影/林紘輝(扶桑社) 写真提供/防衛省>