MAMOR 最新号

5月号

定価:780円(税込)

 日本全国にある自衛隊の基地・駐屯地の隊員食堂で自衛官たちはどんな料理を食べているのでしょう?ぜひ味わっていただこうとレシピを取り寄せました。

 今回は石川県輪島分屯基地より、地元特産品の“輪島ふぐ”を使ったぜいたくな1品「ふぐにゅうめん」。冬はにゅうめん、夏はそうめんでいただくのがお勧めです。

日本海防衛の最前線、輪島分屯基地の任務とは

画像: 能登半島の最高峰高洲山(567メートル)の山頂付近にあるレーダーサイトから、広く日本海上空を監視する

能登半島の最高峰高洲山(567メートル)の山頂付近にあるレーダーサイトから、広く日本海上空を監視する

 航空自衛隊輪島分屯基地は、日本海に突き出た能登半島の北西に位置し、輪島塗や朝市などで有名な石川県輪島市にあります。輪島市は古くは日本海交易の要衝として、三津七湊(室町時代末期、日本最古の海商法『廻船式目』に記された日本の十大港湾)の1つに数えられた輪島港や、2021年に開創700年を迎える曹洞宗の大本山總持寺を有するなど、歴史のある街です。

 そして当基地も今年で開庁65周年。所在するのは中部航空警戒管制団隷下の部隊である第23警戒群で、群本部、監視管制隊通信電子隊、基地業務隊などの部隊で編成されています。

 主たる任務は日本海を正面に臨む防衛の要として、わが国に接近する不審な航空機や飛来する弾道ミサイルなどを大型の固定レーダーで、365日24時間体制で監視することです。

濃厚で上品。食堂きってのスペシャルメニュー「ふぐにゅうめん」

画像: 濃厚で上品。食堂きってのスペシャルメニュー「ふぐにゅうめん」

 緊張を強いられる隊員が楽しみにしている人気メニューが、今回紹介する「ふぐにゅうめん」。地元の特産品である“輪島ふぐ”の骨の部分を軽くあぶったもの、アゴだし、昆布を水に入れて一晩寝かせただしを使ったつゆは、濃厚でありながら上品な味わいです。フグにはうま味成分であるグルタミン酸やイノシン酸が含まれているため、だしをとるには最適な食材なのだそう。仕上げにさっと塩焼きしたフグと錦糸卵をトッピング。スペシャルな気分に浸れること間違いなしのメニューです。

 暑い時季にはだしつゆをよく冷やしてつけ汁にし、季節に合わせたスタイルで提供されています。

「フグってこんなにおいしいんだ!と感動しました」

画像: 新型コロナウイルス対策のため、食堂の座席は間引かれているが、食事中の食堂が隊員の憩いの場であることに変わりはない

新型コロナウイルス対策のため、食堂の座席は間引かれているが、食事中の食堂が隊員の憩いの場であることに変わりはない

 隊員たちの感想は?

「フグの塩焼きのトッピングに高級感を覚えます。アゴとフグのだし汁でいただく輪島のにゅうめんは最高!と思いますね」【1曹/男性・50代】

「入隊前までは、フグに親しみがありませんでしたが、輪島に来てフグってこんなにおいしいんだ!と感動しました」【士長/女性・20代】

「フグの鮮度は抜群。さらに焼いてあるので生臭くなく、ほかのトッピングと合わせていろいろな味を楽しめるのがいいです」【1尉/男性・50代】

楽しくおいしい料理で隊員たちを支える

【輪島分屯基地 基地業務隊空士長 鴨﨑心】

 出身は広島県広島市。こちらに赴任して約3年になります。大人数の部隊ではないので、隊員の感想を直に聞くことができるのがうれしい点で、「おいしかった」と言ってもらえるとがぜんやる気が出ます。

 月末の金曜日は、ちまたでも話題になっている空自空上げの日(注)。毎回、工夫を凝らした空上げを提供しています。ほかにも隊員のリクエスト献立や季節を感じられる行事食など豊富なメニューを用意。食材の地産地消も心掛け、楽しくおいしい料理で隊員の体力増進と士気高揚に役立つことができればいいなと思っています。

(注)航空自衛隊では、各基地で提供される鶏の唐揚げを、「空自全体でより上を目指す」という意味を込めて「空上げ(からあげ)」と呼んでいる。また、月末の金曜日を「空上げの日」と決め、各基地の食堂で空上げを提供している。

「ふぐにゅうめん」のレシピを紹介

画像: ※そうめんの場合も、同様のトッピングで

※そうめんの場合も、同様のトッピングで

<材料>

フグ:6切れ(60g)
そうめん:4束(200g)

[だしつゆ]
フグ(骨付き部分):約120g
水:5カップ
アゴだしパック:2パック(20g)
昆布:1枚(5g)
しょうゆ、みりん:各1/4カップ
塩:少々
※そうめんのつけ汁は水21/2カップに、しょうゆ、みりん各1/2カップとする。そのほかの材料は同じ。

[トッピング]
錦糸卵(市販品):30g
青ジソ(千切り):3枚
万能ネギ(小口切り):適量
おろしショウガ(好みで):適量

<作り方>

1:だしつゆを作る。鍋に水を入れ、アゴだしパック、昆布と、軽くあぶったフグの骨を入れて一晩寝かせ、ひと煮立ちさせる。フグの骨、アゴだしパック、昆布を取り除き、しょうゆ、みりんを加えて味見をし、塩で味を調える。
※そうめんのつけ汁は冷やす。

2:フグは塩(分量外)を軽くふってさっと焼く。焼きすぎると固くなるので注意。

3:鍋にたっぷりの湯(分量外)を沸かし、そうめんを入れ、表示どおりにゆでる。ゆで上がったそうめんは湯をきって器に入れる。
※そうめんで食べる場合は流水でもみ洗いし、冷たくする。

4:③に温めた①を注ぎ、②をのせ、トッピングを彩りよく盛る。

注目食材:輪島ふぐ

画像: 注目食材:輪島ふぐ

 石川県能登地域にはトラフグをはじめ、マフグ、ショウサイフグなど多様な天然フグが水揚げされている。そのうち、輪島の港で水揚げされるフグが「輪島ふぐ」と呼ばれる。当基地のある輪島市は、2018年に天然フグ漁獲量日本一(2年連続7度目)を獲得。その漁獲量から、地元では比較的リーズナブルに味わえるのが観光客にも好評だ。カルシウム、ビタミン、コラーゲンが豊富な美容と健康によい食材の1つ。

(MAMOR2021年5月号)

<調理/樋口秀子 文/富田純子 料理撮影/山田耕司(扶桑社) 写真提供/防衛省>

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