•  自衛隊での無人機の導入は、1960年代に海上自衛隊が運用した無人対潜ヘリコプター「DASH」にまでさかのぼる。現在自衛隊はどのようなドローンを運用し、また、将来、導入を予定しているのか。今回は陸上自衛隊の対空訓練時に活躍するドローン3機種を紹介する。

    ☆本記事では無人機の総称として「ドローン」という言葉を使用している

    ☆ここで紹介している自衛隊の無人機は全国の基地・駐屯地の部隊の全てに配備しているものではない

    高速標的機バンシー80:迎撃用ミサイルの射撃訓練を行う標的機

    画像: 自動プログラミングによる飛行のため安全性が高く、自動・手動の切り替えにより操作性も良い <SPEC>全長:約3m 全幅:約2.5m 全高:約1m 運用開始:1993年

    自動プログラミングによる飛行のため安全性が高く、自動・手動の切り替えにより操作性も良い
    <SPEC>全長:約3m 全幅:約2.5m 全高:約1m 運用開始:1993年

     高速標的機バンシー80は、海外製の標的機であり、敵の航空機やミサイルなどに対処する迎撃用ミサイルの射撃訓練の際、標的として使用する。

     滑走路なしで飛び立ち、迎撃できたかどうかが判断できる射弾審査(命中判定)機能を備えている。

     専用の管制装置により、プログラミングされたコースを自動で飛行、または手動に切り替えて飛行し、81式短距離地対空誘導弾93式近距離地対空誘導弾87式自走高射機関砲などの射撃訓練で使用する。

    無線誘導標的機(RCMAT):重機関銃の訓練で使用するプロペラ機

    画像: 無線誘導標的機の発射は人力で行う。指示役の隊員の合図で、2人の隊員が機体を持ち上げ、勢いをつけて飛ばしている <SPEC>全長:約1m 全幅:約2m 全高:約0.5m 運用開始:1961年

    無線誘導標的機の発射は人力で行う。指示役の隊員の合図で、2人の隊員が機体を持ち上げ、勢いをつけて飛ばしている
    <SPEC>全長:約1m 全幅:約2m 全高:約0.5m 運用開始:1961年

     敵の航空機を射撃する12.7ミリ重機関銃の訓練で、標的として使用されるプロペラ機。

     レシプロエンジンを搭載し、地上から操縦手がラジコンと同様に送信機により、手動で遠隔操作する。

     主翼の形は大きな三角形の発泡スチロール製で、機体は繊維強化プラスチック製。胴体と左右主翼の3つに分割でき、訓練時には組み立てて使用。準備時間が短く、整備も簡単。

     また、胴体(エンジン・燃料タンク)以外の翼であれば被弾しても飛行継続が可能。

    対空射撃用標的(UAV型):高射特科部隊が訓練時に使うプロペラ機

    画像: 対空射撃用標的には、機器に異常が発生した場合、緊急着水できるように安全機能が装備されている <SPEC>全長:約3.5m 全幅:約3m 全高:約1m 運用開始:2020年

    対空射撃用標的には、機器に異常が発生した場合、緊急着水できるように安全機能が装備されている
    <SPEC>全長:約3.5m 全幅:約3m 全高:約1m 運用開始:2020年

     敵の航空機などを撃ち落とす射撃訓練時に、高射特科部隊が使用するプロペラ機。

     自動プログラミングによる飛行のため、安全性が高く、専用の管制装置により、プログラミングされたコースを自動で飛行。

     飛行状況の監視などを行う主操作員と、射撃部隊への情報提供を行う副操作員、電波の送受信状況の監視を行うレーダーオペレーターで運用。

     飛行状況はGPSやカメラでリアルタイムで確認し、終了後、海上に着水するように設定する。

    \オペレーターのコメント/

    画像: 無人プロペラ機など陸上自衛隊の「対空訓練」を支える装備3種を紹介!ミサイルや弾丸が標的機に命中すると?

    標的機発射の瞬間は定刻に安全に発射できるか、また、ミサイルや弾丸が標的機に命中するときはパラシュートが開傘するか、機体を見失わないか緊迫します。しかし、標的機が飛行を終え、回収を終えた瞬間、大きな安堵感があり、標的機運用に関わる全隊員に感謝しています。(第101無人標的機隊 亀山2等陸尉)

    (MAMOR2026年4月号)

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    <文/魚本拓 写真提供/防衛省>

    自衛隊ドローン装備年鑑X

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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