(注)Rは偵察機、Qは無人機を表す機体種別、4は4回目に設計された機種、Bは機種の型式を表す
How do you operate?
無人偵察機「RQ-4B」の運用方法と設備を知る

RQ-4Bを運用するための地上設備内に設置された、通信用のUHFアンテナとTFTアンテナ
パイロットとセンサーオペレーターが地上から操作
「RQ-4Bは基地内にある専用の施設で運用しています。遠隔操作で機体の操縦を担当するパイロットと各種電子機器の操作を担当するセンサーオペレーターの2人1組で任務を遂行しています」
RQ-4Bパイロットの半田2等空佐がそう説明してくれた。半田2佐は、元々はF-4のパイロットをしていた。RQ-4Bのパイロットは、全員が戦闘機や輸送機の操縦経験者だという。

RQ-4Bのパイロットは地上の施設で機体を操作。飛行中の機体の位置や高度などの情報が表示されたモニターに向かい、状況を監視する
「RQ-4Bの運用では、飛行する機体の周囲の状況を実際に視認することができず、航空機から送られてくるデータや映像を見て状況を判断して操縦しなければなりません。そのとき、これまでの戦闘機パイロットとしての経験が、状況判断に役立っていますね」
RQ-4Bは、駐機場から滑走路へと移動し、離陸するまでの間、同機の後方を車両が追随する。機体の走行に障害となる危険物などが周囲にないかを、パイロットの代わりに確認するためだ。その車両を運転するのは、運用中の同機の操縦者とは別のパイロット担当者だ。

RQ-4Bを実際に見て驚くのは、極端に長い両翼だ。その全幅はF-15の約3倍もあるという
「そのほかにも、RQ-4Bは飛行までの事前作業の手順が多いんです。まず、三沢の駐機場から出発して戻ってくるまでの『ミッションプラン』と呼ばれるルートを選択する必要があります。これはあらかじめプログラミングされたもので、膨大なパターンがあり、航空機の行動も含まれ、飛行中にも任務や経路、その時々の状況で選択するため、自分は地上にいるとはいえ、緊張感があります。基本的には自律飛行ですが、飛行経路の微調整などで操縦する場合は、操縦かんではなく、マウスとキーボードで操作します」
未知の装備品だけに、その運用方法はまだ手探りの段階だと、半田2佐は言う。
「ただ、運用方法はクルーの意見で確立していける、そのチャレンジができるということでもあります。無人機を運用する部隊の先駆けとして、その経験を次代に伝えていければと思っています」
無人偵察機「RQ-4B」を地上から支える偵察航空隊のクルーたち
【Pilot】

「無人機の操縦は今まで操縦してきた有人航空機での経験が役立っています」と話す偵察航空隊RQ-4Bパイロット半田2佐
【Radio Operator】

RQ-4Bの「顔」がかわいいという偵察航空隊整備隊石井3等空曹。「新しい機体に関われることがこの仕事のやりがいです」
「RQ-4Bを運用する衛星通信の管理や、地上通信に関わる各種調整を行っています。地上局から機体へ向けて電波を発射したとき、確実に衛星通信が機能しているかなどを調整しているのです。異常があった場合はメーカーの技術者から対処法を聞き、その内容を衛星通信の管理者に伝達します。通信システムは24時間、つながっていて当たり前なので、そのことに対する責任と、私たちの任務がなければ機体が飛行できないということに誇りを感じています」
【Sensor Operator】

「メーカーの技術者との英語によるコミュニケーション能力の向上が、今後の課題です」と話す偵察航空隊第502飛行隊山本1等空曹
「センサーオペレーターとして、画像情報を収集するための機材の立ち上げと点検、飛行中の被写体の撮影、情報収集後の画像の整理、関係部署への画像データの送付などを行っています。偵察地点の天候や光の状況によって使用するセンサーを変えたり、撮影の障害となる地形を避け、被写体を撮影しやすい飛行経路に変更するようパイロットに指示するなど、飛行中はやることが多くて大変ですが、ほかの職種にはないクリエイティブな業務に達成感を感じます」
【Commander】

偵察航空隊司令竹岡1佐の指導方針は「前進」だという。「常に進化し続ける技術を捉え、安全保障環境の変化に対応してまいります」
防空に必要な情報収集の一翼を担う偵察航空隊
「現在、RQ-4Bの導入時の目標であった『遠方かつ広範囲の情報を収集する』という任務が実行できており、日本の防空に必要な情報収集の一翼を担っていると自負しています」
偵察航空隊司令の竹岡1等空佐はそう語る。
「その任務を実施するにあたって、本隊は新編時に、さまざまな部隊から異なる特技を持つ隊員が集められました。全員の力を合わせて任務を達成する必要があるため、隊員同士のコミュニケーションを大切にするよう伝えています」
偵察航空隊は自衛隊で無人機を運用する初の部隊。新たな道を開拓していくことの難しさと同時に魅力を感じていると、竹岡1佐は言う。
「本隊は全隊員が自ら考え、方針を立てて実行していくという、プロダクティブな任務にあふれた部隊です。今後も隊員一丸となり、臆することなく新しいことに挑戦していきたいと思っています」
(MAMOR2026年4月号)
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<文/魚本拓 写真/村上淳>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです
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