•  陸上自衛隊では、日ごろの訓練の熟練度を測るため、敵、味方に分かれての模擬戦を行い、戦地における行動、判断、 作戦能力などを審判が判定する「訓練検閲」という“実地試験”がある。

     2025年9月には、東富士演習場で、第14普通科連隊(14普連)と 第35普通科連隊(35普連)が、攻撃側と防御側に分かれて7日間戦う「第10師団訓練検閲」が行われた。

     今回の訓練検閲で35普連を中心に防御を担当した部隊は、敵の普通科部隊の攻撃を阻止し、35普連の陣地を攻撃する航空機や装甲車に対抗するための装備品を運用している。

     そこで、チームとして編成された、35普連と第10高射特科大隊、第10偵察戦闘大隊が防御戦闘で使用した主な装備品を紹介しよう。

    隊員が身につける装備品

    画像: 隊員が身につける装備品

    89式5.56㎜小銃

     一部に強化プラスチックを使用することで軽量化されている。

     単発射撃、連続射撃、3発を連続発射して止まる「3発制限点射」(スリー・ショット・バースト)が可能で、レバーを切り替えて使用する。

     1989年代以降に陸上自衛隊で制式採用された主力小銃。日本人の平均的な体格に合わせて設計されている。

    バトラ装置(受光装置)

     小銃や機関銃から発射されたレーザ光線が当たると、銃弾の命中を示す受光装置。ヘルメットと胸部に取り付けられる。

    画像: 小銃の先にはレーザー送信装置が付いており、空砲と同時にレーザーが送信される

    小銃の先にはレーザー送信装置が付いており、空砲と同時にレーザーが送信される

     撃たれた火器の種類や撃たれた体の部位、ケガの重症度、死亡などの判定が統裁部にデータとして伝達される。車両にも1台ずつ車両用バトラがついている。

    薬きょう受け

     銃弾の発射後に銃から飛び出す薬きょうを自動的に回収する布製のケース。演習場での薬きょうの散乱・紛失を防ぐ。弾薬の流出や悪用を防ぐためにも必ず回収する。

    さまざまな機能を備えた車両

    軽装甲機動車

    画像: 軽装甲機動車

    <SPEC>全幅:2.04m 全長:4.4m 全高:1.85m 重量:約4.5t 最高速度:約100km/h 乗員:4人

     普通科部隊などに装備される装甲車両。敵の弾や爆風から守るため、車体には鉄板や防弾ガラスなどが採用されている。5.56㎜機関銃や01式軽対戦車誘導弾などの火器が使用できる車両となっている。

    16式機動戦闘車

    画像: 16式機動戦闘車

    <SPEC>全幅:2.98m 全長:8.45m全高:2.87m 全備重量:約26t 最高速度:約100km/h

     2016年に採用された国産戦闘車両。105mm砲を搭載しており装甲車の撃破などを行う。
     
     舗装路などでの機動力を高めるため、戦車とは異なり装輪車であり、かつ輸送機に搭載できるため、遠隔地にも展開できる。

    防空のために配備する地対空誘導弾

    93式近距離地対空誘導弾

    画像: 93式近距離地対空誘導弾

    <SPEC>全長:約1.4m 直径:約0.08m 重量:約11.5kg(数値は誘導弾本体)

     高機動車に搭載された、低空域の目標を撃墜することを主として地上から発射するミサイル。

     1994年に導入された国産の装備品で、全国の高射部隊などに配備されている。(通称近SAM)

    81式短距離地対空誘導弾

    画像: 81式短距離地対空誘導弾

    <SPEC>全長:約2.7m 直径:約0.16m 重量:約100kg(数値は誘導弾本体)

     大型トラックの後部に搭載された、陸上自衛隊が持つ純国産のミサイル。

     発射装置と標的を探知するレーダーを搭載した車両で構成され、重要地域などの防空を行う部隊などに配備。(通称短SAM)

    (MAMOR2026年2月号)

    <文/魚本拓 写真/村上淳 写真提供/防衛省>

    自衛隊、われらの7日間戦闘

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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