•  任務に就く自衛官たちは普段、どんなラジオ番組を聴き、ラジオにどんな魅力を感じているのだろうか。北海道から沖縄まで、全国の自衛官54人にアンケートをして得た回答の中から選んだ声を紹介する。

     記事の最後では、ニッポン放送アナウンサー・飯田浩司氏に「ラジオの力と魅力」について伺った。

    自衛官がよく聴くラジオ番組はなに?

    出勤時に世の中の動きを知ることができる

    【番組名:ONE MORNING】
    放送時間/毎週月〜金曜日6:00~9:00
    放送局/TOKYO FM・JFN
    放送内容/タレント・ユージとフリーアナウンサー・吉田明世がパーソナリティーを務める朝の情報番組。リスナーからSNS で募集したトピックス、ニュースの裏側を詳しく解説するコーナーなどを発している

     毎日聴いてますが、朝の忙しい時間帯に家事や出勤準備をしながら情報収集できる。音楽、ニュース、世の中の流行の話題などさまざまなジャンルに触れられるのがいいですね。(青森県/50代男性/3等陸佐)

    安住アナが読むリスナーのお便りが面白い

    【番組名:安住紳一郎の日曜天国】
    放送時間/毎週日曜日10:00~11:55
    放送局/TBSラジオ
    放送内容/安住紳一郎アナがパーソナリティーを務めるトークバラエティ番組。安住アナのフリートークに加え、毎週多彩なゲストを迎え、リスナーからFAXやメールでさまざまなエピソードを募り紹介するほか、週末のお出かけ情報も発信している

     リスナーからのお便りの文章力、それを読み上げる安住紳一郎さんのアナウンス力、アシスタントの中澤有美子アナの相づちや笑い声など相まって毎回笑わせてもらっています。(熊本県/40代女性/2等陸曹)

    同年代の主人公の悩みに共感できる

    【番組名:NISSAN あ、安部礼司 ~beyond the average~】
    放送時間/毎週日曜日17:00~17:55
    放送局/TOKYO FM・JFN
    放送内容/ごく普通のサラリーマン・安部礼司の日常をユーモラスに描くラジオドラマ。“平均的日本人”の姿を、音楽や笑いを交えながら表現。リスナーが共感できる「あるあるネタ」や人情味あふれるストーリーが魅力

     主人公の安部礼司らが、19年前の放送開始時からしっかり年を重ねているドラマで、主人公らがいろいろな事情を解決していく姿に、同年代の自分は非常に共感が持てます。(長野県/50代男性/1等陸曹)

    放送を通じて新たな楽曲を知るきっかけに

    【番組名:UPBEAT!】
    放送時間/毎週月~木曜日11:00~14:00
    放送局/FM802
    放送内容/加藤真樹子がパーソナリティーを務める番組。“気分がアガる”音楽とトーク、エンタメ情報、街や季節の話題などで午後の時間を明るく盛り上げる

     この番組をきっかけにインディーズバンドを知ることができて、気づけば新しい曲に出合う楽しみが増えました。注目され始めたアーティストの新曲を耳にするなど、思わぬ発見があるのでこまめに聞いています。(京都府/20代男性/陸士長)

    テレビでは聞けない毒舌トークが面白い

    【番組名:有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER】
    放送時間/毎週日曜日20:00~21:55
    放送局/JFN
    放送内容/お笑い芸人・有吉弘行がパーソナリティーを務める“ストレス解消”バラエティー番組。日曜の夜に、時事ネタから身近な話題までを独自の切り口で語り、リスナーを笑いと本音トークの渦に引き込む

     クリーンなイメージが定着している有吉弘行さんですが、ラジオではその殻を破ったように毒舌トークが全開。テレビ番組では見られない鋭い切り口やリスナーを巻き込んだユーモアに、毎回大笑いしています。(長崎県/30代男性/2等陸曹)

    福山雅治さんのトークに親近感を覚える

    【番組名:福山雅治 福のラジオ】
    放送時間/毎週土曜日14:00~14:55
    放送局/TOKYO FM・JFN
    放送内容/福山雅治がパーソナリティーを務めるトーク&音楽番組。リスナーからの質問・相談をはじめ、最新の活動や音楽の裏話、プライベートなエピソードまで、福山さん自身の言葉で語られる“素顔”に触れられる、ファン必聴番組

     福山雅治さんは私と同年代で、しかも出身地も同じ長崎県。番組を聴いていると、親近感を覚えると同時に、同じ世代でこれほど活躍している方がいることに驚かされます。毎週楽しみにしています。(沖縄県/50代男性/2等空佐)

    自衛官の推しのパーソナリティーは誰?

    飾らない本音が聴ける

     お笑いトリオ「パンサー」の向井慧さん(#むかいの喋り方/CBC)です。いつも飾らずに本音を話してくれるところが魅力的で、自然と耳を傾けてしまいます。話のテンポもよく、どんな話題でも聴きやすく楽しめます。(東京都/40代男性/1等陸曹)

    低音ボイスが落ち着く

     お笑いコンビ「麒麟」の川島明さん(川島明 そもそもの話/TOKYO FM)です。特徴的な低音ボイスは聴いていてとても落ち着きます。さらに芸人ならではの抜群のトーク力で、どんな話題でも面白く楽しませてくれます。(沖縄県/20代男性/3等空曹)

    軽妙なトークが面白い

     しもぐち☆雅充さん(アサトク/FM大阪)です。いつも変わらぬハイテンションで、軽妙なトークを聴いていると自然と笑顔になれます。自ら「中年の星」と称しているのも印象的で、同世代としては励まされる存在です。(兵庫県/40代男性/事務官)

    秀逸なコメントが好き

     リリー・フランキーさん(リリー・フランキー「スナック ラジオ」/TOKYO FM)です。リスナーからの質問に核心を突くような鋭いコメントをしたり、感動的なエピソードを披露したりと、毎回飽きさせません。(神奈川県/30代男性/事務官)

    自衛官のラジオに関する思い出って?

    ラジオが心を癒してくれた

     学生時代、勉強の合間によくラジオを聴いていました。疲れて集中力が切れたときにパーソナリティーの声や音楽が心を癒してくれて気分転換になり、頑張ろうという気持ちになれました。(北海道/40代男性/1等陸尉)

    ラジオをきっかけに仲良くなれた

     中学生の時、同級生が同じ深夜番組を聴いていたと判明し、共通点を見つけたうれしさで会話が一気に盛り上がり、それまで以上に親しくなり友情が深まりました。(京都府/30代男性/3等海曹)

    ハガキを送るのが習慣になった

     昔から幾度となく番組宛てにハガキを送ってきましたが、一度も読まれたことがありません。むしろEメール全盛の時代に、あえて手書きのハガキを送ること自体を、今でも楽しんでいます。(兵庫県/40代男性/3等陸曹)

    パーソナリティーの話術が役立った

     自衛隊内の催しなどで司会を務めるとき、ラジオDJのトーク術を参考にしています。ラジオを聴きながら学んだ話術のおかげで、人前での進行役も自信を持って楽しめるようになりました。(京都府/30代男性/2等陸曹)

    自分の職務の参考になった

     番組内で「アメリカの州兵」について詳しく解説していたことがあり、自分の任務で参考になった。パーソナリティーの軽快なトークも相まって、とても印象に残っています。(茨城県/50代男性/1等陸尉)

    ハガキが読まれるよう試行錯誤した

     中学・高校生のころは、ローカル番組のハガキ職人(注)でした。何とか読んでもらおうと、起承転結を意識して、ハガキ1枚に収まるようにびっしりと手書きしていたころが懐かしい。(石川県/50代男性/1等陸尉)

    (注)番組に繰り返し投稿を続ける常連リスナーのこと

    自衛官はいつラジオを聴く?

    休日のドライブ中に

     車で外出するときはよくラジオを聴いています。流れている話題について妻と話したり、地域イベントの情報を収集したりと、運転中の会話のネタとしてラジオを聴いています。(宮城県/30代男性/1等陸尉)

    就寝前にベッドの中で

     以前は行きつけの理髪店で放送が流れていて、さまざまな番組を聴くきっかけになっていました。最近はポッドキャストで就寝前に聴いていますが、笑ってしまうので家族に怒られます(笑)(兵庫県/50代男性/2等陸尉)

    湯船につかりながら

     通勤時などの車中でもよくラジオを聴きますが、入浴時にも野球中継を聴いています。ゆっくりと湯船につかりながら、応援している阪神タイガースの試合運びに一喜一憂しています。(和歌山県/30代男性/1等空尉)

    家事や運動中にも

     皿洗いや洗濯物をたたむ最中など、家事をしながら聴いています。ほかにも、ランニングやウオーキング中にも。さまざまな話題に触れることができて楽しみになっています。(広島県/50代女性/2等海尉)

    自衛官にとってラジオはどんな存在?

    流行を知ることができる

     簡単に情報収集ができるツール。何か作業しながらでも、ゆっくりとくつろぎながらでも聴くことができ、知らなかった知識や情報、流行などを手軽に知ることができます。(熊本県/30代女性/3等陸曹)

    言葉で学べる高度な文化

     ラジオは私にとって「高度な文化」です。テレビのように映像がないぶん、パーソナリティーが言葉を丁寧に紡ぐことで伝わるものが多く、そこから学ぶこともたくさんあります。(滋賀県/50代男性/3等陸佐)

    生活の一部

     友達のように、パーソナリティーとリスナー間の距離が近く感じるのは、ほかの媒体にはない魅力だと思います。好きな音楽を発掘できるのも、ラジオの魅力的なところだと思います。(愛知県/40代男性/2等陸曹)

    世界の情勢を学べる媒体

     まさに今旬な情報が手に入る存在です。また、さまざまな視点から有識者の意見を聴くことができるので、新たな考えに気づけたり、世界と日本の情勢を学んだりするツールとして役立っています。(神奈川県/50代女性/准海尉)

    ニッポン放送アナウンサー・飯田浩司氏が語る、「ラジオの力と魅力」とは?

    画像: ニッポン放送アナウンサー・飯田浩司氏が語る、「ラジオの力と魅力」とは?

     外交、防衛、経済の話題をメインに、朝のあわただしい時間に世の中の動きを早く、深く、コンパクトに提供するラジオ番組『飯田浩司のOK! Cozy up!』ニッポン放送)で、7年間パーソナリティーを務める飯田浩司氏にラジオが持つ力についてうかがった。

    ラジオの最大の魅力はメディアとしての自由さ

     ラジオの魅力とは何なのか、ズバリ飯田浩司氏に聞くと、「ラジオのもつ自由さ」という答えが返ってきた。

    「たとえばテレビだと段取りが秒単位で決められていたり、新聞も紙幅が限られます。それに対しラジオは構成が自由で、出演者の裁量に任される部分がかなり多い。

     私の番組でも、取り上げる話題の見出しと概要説明はしますが、後はコメンテーターとその場の空気や流れで話を持っていくことができます。

     言葉で全部表現していかなければならないので、不自由なようにも見えますが、リスナーの想像力に訴えかけることができるのもラジオの大きな魅力ですね」

     かつてのラジオは、ローカルなエリアで、しかも放送されている時間でないと聴くことができなかったが、今はポッドキャストでいつでもどこでも世界中で聴取することができる。

    「先日も番組でLNG(液化天然ガス)船について話していたら、“私はLNG船で働いていて、番組を聴きながらホルムズ海峡を航行しています”というリスナーからのメールが届きました」

     地球の裏側の出来事もリアルタイムで入手できるため、番組では常にホットな話題に事欠かない。

     そうしたトピックスを声だけで伝えるということは、ハンデキャップである一方でラジオを流しながらほかのことをする「ながら聴き」ができるという、ほかのメディアにはない大きなメリットにもなる。

    災害で力を発揮するラジオというメディア

     さらに最近注目されているのが、災害発生時のラジオの力だ。ラジオが貴重な情報メディアとしていざというときに大きな力を発揮している。

     そのためできるだけ正確で素早い情報を提供できるよう、普段はスタジオから放送することの多い飯田氏も、できるだけ現場に足を運ぶようにしている。

    「スタジオで分かることは限られています。なので、2016年の熊本地震や18年の北海道胆振東部地震のときは現地にうかがいました。現場では、自分の目で見て耳で聞いたことをちゃんと電波に乗せようと努めています。

     音声によるコミュニケーションは人間の根源的な部分。ラジオは、ただニュースを伝えるだけでなく、パーソナリティーが考えてしゃべることが重要になってくるでしょう。

     何げない雑談でもリスナーの耳に残りますから、それができるのがラジオの魅力だと思いますね」

    【番組名:飯田浩司のOK! Cozy up!】
    放送時間/毎週月~金曜日6:00~8:00
    放送局/ニッポン放送
    周波数/AM1242kHz、FM93.0MHz
    放送開始年/2018年
    放送内容/ニュースにどんな背景があり、生活にどのような影響があるのか、多彩なコメンテーターやゲストと共に、考えていく番組

    (MAMOR2025年12月号)

    <文/古里学 写真提供/防衛省>

    自衛隊ラジオ

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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