•  陸・海・空の自衛隊員が週替わりで登場するラジオ「SDFアワー」が在沖縄3FM局で同時に放送されている。

     番組はどのように作られ、放送されているのか? 出演隊員たちに話を伺った。

    陸・海・空が週替わりで登場「SDFアワー」(FM21)

    画像: 2025年1月24日に放送された「サザンウィング」からの1コマ。当時の那覇基地司令などがゲストとして出演し、直近に行われた航空祭について語った。放送前にはSNSなどで番組の告知を行っている

    2025年1月24日に放送された「サザンウィング」からの1コマ。当時の那覇基地司令などがゲストとして出演し、直近に行われた航空祭について語った。放送前にはSNSなどで番組の告知を行っている

    放送時間/毎週金曜日20:00~21:00

    放送局/FM21、FMレキオ、ちゅらハートFMもとぶ

    周波数/FM76.8MHz、FM80.6MHz、FM78.2MHz

    放送開始年/2014年

    放送内容/在沖縄3FM局で同時に放送されている、自衛官が自らの活動と想いをつづる番組。陸自が担当する「美ら島とともに」、海自が担当する「美ら海の防人」、空自が担当する「サザンウィング」の3コーナーを週替わりで放送。それぞれの駐屯地・基地で自衛官が自ら録音した番組素材を、各放送局に持ち込んで、放送される

    出演部隊/陸上自衛隊第15旅団、海上自衛隊第5航空群、航空自衛隊第9航空団

    双方向性を重視する空自の「サザンウィング」

    画像: サザンウィングでの収録の様子。パーソナリティーだけでなく、音響スタッフも自衛官だ

    サザンウィングでの収録の様子。パーソナリティーだけでなく、音響スタッフも自衛官だ

    「サザンウィング」は、航空自衛隊那覇基地の肱岡3等空佐がパーソナリティーを務め、地域に寄り添った話題や任務紹介、ゲストとして出演する隊員の体験談を届ける番組。

     毎回テーマに沿った台本を作成し、収録ではアドリブも交えながら進行。ゲストの隊員が緊張してしまわないよう、打ち合わせでは雑談を交えリラックスした雰囲気をつくるなどパーソナリティーの隊員が工夫している。

     番組の魅力はリスナーとの双方向性。常連リスナーからメールで送られてくる質問に答えるやり取りが恒例となり、「この前の放送を聞いて~」といった感想や体験談が次回のテーマに採用されることもある。

     節目の放送では、陸・海・空各自衛隊の担当者が一堂に会した特別番組を制作。600回記念放送ではクイズ企画などを取り入れて盛り上げた。

     台本制作は肱岡3佐と空曹2人が担当。肱岡3佐は「年度で計画を立て、出演を希望する隊員を募ることもあります。部隊の雰囲気や素顔が伝わるように心がけています」と語る。

    海自の魅力を発信する「美ら海の防人」

    画像: ラジオ局(FM21)で収録されている「美ら海の防人」。有志の隊員や事務官らとともに番組を盛り上げる

    ラジオ局(FM21)で収録されている「美ら海の防人」。有志の隊員や事務官らとともに番組を盛り上げる

     定年後の再任用期間も含め自衛隊勤続42年という大ベテランの今村海曹長がメイン・パーソナリティーを務める海上自衛隊の「美ら海の防人」。

     今村曹長が担当するのはほぼ月に1回だが、原稿の作成、ゲストとなる隊員の選定など、収録の2カ月前から準備を行っている。

    画像: 番組の収録後、音量の調整やBGMの挿入など、編集作業を行うのも自衛官だ

    番組の収録後、音量の調整やBGMの挿入など、編集作業を行うのも自衛官だ

     スライドや動画などを使う部内でのプレゼンテーションと違い、声だけで伝えることの難しさを実感しながら、そのためにはどうすればいいのか、試行錯誤を続ける。

     そのかいあってか、リスナーから「面白くて自衛隊のイメージが変わった」というお便りをいただいたり、局のスタッフから「自衛隊に対して好感をもてるようになった」と言われたときは本当にうれしかったという。

    画像: 収録中に使用するマイクや出演者が着けるヘッドホンなど、音響機器を操作するのも自衛官だ

    収録中に使用するマイクや出演者が着けるヘッドホンなど、音響機器を操作するのも自衛官だ

     これまでの放送で好評だったのは、同じ基地内で家族が働いている「夫婦や親子の自衛官」特集の回。また今村曹長が得意のギターの弾き語りをリクエストされ、腕前を披露したこともあるという。

    第15旅団の活動をアピール!陸自の「美ら島とともに」

    画像: 第15旅団のユーチューブ公式チャンネル「陸上自衛隊 第15旅団」でも、過去の放送を公開している。音楽隊の演奏者や航空機パイロットなど、さまざまな職種の隊員をゲストに招きトークを行っている

    第15旅団のユーチューブ公式チャンネル「陸上自衛隊 第15旅団」でも、過去の放送を公開している。音楽隊の演奏者や航空機パイロットなど、さまざまな職種の隊員をゲストに招きトークを行っている

     那覇駐屯地(沖縄県)に主力部隊が所在する陸上自衛隊第15旅団は南西諸島、特に沖縄地方の防衛を主任務とする。

     その第15旅団の活動を県民に広く知ってもらおうと、毎回、第15旅団の隊員をゲストとして招き、旅団内の各部隊の紹介や広報イベントの告知などを発信しているのが、陸上自衛隊担当の「美ら島とともに」である。

    画像: メイン・パーソナリティーを務める、白石2曹の収録風景。あえて完璧な台本を作成せず、ゲストが伝えたいことや話の流れを大切にして、番組を制作しているという

    メイン・パーソナリティーを務める、白石2曹の収録風景。あえて完璧な台本を作成せず、ゲストが伝えたいことや話の流れを大切にして、番組を制作しているという

     2025年3月からメイン・パーソナリティーを務める総務課広報渉外班の白石2等陸曹は、リスナーが聴きやすいように発声練習をしたり、自衛隊用語は一般の人も理解できる言葉に変えたりと、できるだけリスナーに言いたいことが伝わるよう、さまざまな工夫をして番組に臨んでいるという。

    「第15旅団の活動をわかりやすく丁寧に紹介していきます。番組では、沖縄に関する豆知識や独自の風習なども発信しています。私自身も知らなかったことが多々あり、勉強になります。屋外の雰囲気を感じてもらえるよう、外で収録したこともあります」。

    出演隊員の声

    広報イベントのポスター作成やホームページ運営などを担当する白石2曹。職種は普通科

    「ゲストとして招いた隊員のご家族やコアなリスナーからメッセージを送ってもらえたりして、励みになっています」という「美ら島とともに」パーソナリティーの白石2曹。

    那覇航空基地(沖縄県)にて広報を担当する今村曹長。職域は、電子器材の整備を行う電子整備員

    「パーソナリティーを7年も続けているとリスナーは家族のような感じですね」と語る「美ら海の防人」でパーソナリティーを務める、ラジオネーム「今ちゃん」こと今村曹長。

    戦闘機の教官経験もある、パイロットの肱岡3佐。現在は、第9航空団で広報を担当している

    「担当当初は、緊張から声が裏返ったりしましたが、今ではアドリブを入れながら、緊張なくできています」と語る「サザンウィング」のパーソナリティーを務める肱岡3佐。

    (MAMOR2025年12月号)

    <文/古里学 写真提供/防衛省>

    自衛隊ラジオ

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

    This article is a sponsored article by
    ''.