•  広島県呉基地を母港とする海上自衛隊の輸送艦『しもきた』から「広島お好み焼き」を紹介します。

     焼きそばも楽しめる、1枚で2度おいしい大満足の艦めしです。

     日本全国にある自衛隊の基地・駐屯地の隊員食堂についてレポート! みなさんにもぜひ味わっていただこうと、記事の最後にはレシピも紹介します。

    防災拠点として活躍する輸送艦『しもきた』

    画像: 輸送艦『しもきた』は、LCAC(写真手前)と呼ばれるホバークラフト2艇を搭載できる

    輸送艦『しもきた』は、LCAC(写真手前)と呼ばれるホバークラフト2艇を搭載できる

     輸送艦『しもきた』は、海上自衛隊呉基地(広島県)を母港とし、横須賀基地(神奈川県)に司令部をおく掃海隊群隷下の第1輸送隊に所属し、災害時は防災拠点として傷病者を受け入れたり、洗濯や入浴の支援をしたりと、さまざまに活躍しています。

     そんな『しもきた』をはじめとする海自艦艇の多くにも、乗組員が食事をする隊員食堂があり、その食事を作る給養員も乗艦しています。

     艦艇という限られたスペースのため、調理場はおおむね狭いですが、調理器具をつるしたり、食材の一部を食堂の椅子の下に収納するなどして、各艦、最大限広く使える工夫を凝らしているそうです。

    広島県民のソウルフード「広島お好み焼き」

     今回紹介する『しもきた』の隊員食堂の料理は、母港である広島の県民が推すソウルフード「広島お好み焼き」です。

     薄く焼いた生地の上に、たっぷりのキャベツ、ネギ、モヤシと豚肉を重ね、炒めた焼きそばも加えます。焼きそばは炒める前に電子レンジで加熱してめんつゆと絡めておくのがポイント。

     キャベツはビタミン類が豊富で、ネギ、豚肉は疲労回復効果が期待でき、栄養学的にもバランスのとれた料理といえます。

     隊員食堂では、業務用加熱調理機器で1度に15枚を焼き上げます。このメニューのときは、おいしそうな匂いが漂い、食欲をそそられた隊員たちが熱いうちに頬張ろうと、笑顔で集まってくるのだとか。

     今回はシンプルな具材ですが、イカやエビ、季節によってはカキ、餅、チーズなどを入れて楽しんでほしいそうです。

    広島風お好み焼きとは

     一般的な広島風は水分が多めのさらっとした生地にキャベツ、モヤシ、豚バラ肉、麺、卵などを重ねていく「重ね焼き」が特徴。

     広島風の中には、モヤシは入れず、ひき肉の脂でカリッと焼き上げる「備後府中焼き」や、鶏モツを使う「三原焼き」など、ご当地お好み焼きもある。ソースは甘口で、鉄板の上でひと口サイズに切って熱々を食べるのが作法とされる。

     関西風はどろっとした生地に具材を混ぜてから焼く「混ぜ焼き」で、辛口のソース+マヨネーズで食すことが多い。

    隊員の感想は?

    画像: 隊員食堂は、1度に100人ほどが食事をできる広さ。陸上自衛官も乗艦することがあり、みんなでわいわい楽しく過ごせる場になっている

    隊員食堂は、1度に100人ほどが食事をできる広さ。陸上自衛官も乗艦することがあり、みんなでわいわい楽しく過ごせる場になっている

    「艦で広島お好み焼きを食べられるなんて最高です! 粉ものを嫌いなんて人はいないと思います。何枚でもいけます!」(曹長/男性・40代)

    「肉も野菜もたっぷりで栄養満点の広島お好み焼き。隠し味にめんつゆが入っていることで、あっさり食べられます」(1曹/男性・40代)

    「広島出身ですが、納得のいく広島お好み焼きです。出航中で疲れていても、どんどん食べられる優しい味で、元気が出ます!」(士長/男性・20代)

    6隻ほどの艦艇勤務を経て、『しもきた』へ

    【海上自衛隊 輸送艦『しもきた』給養員 日野海曹長】

     島根県出身で、父と兄が海上自衛隊員だったこともあり、2005年に入隊しました。護衛艦『とね』をはじめ、6隻ほどの艦艇勤務を経て、24年から『しもきた』勤務です。献立作成から食材発注などをこなしながら5人の給養員を束ねています。

     うちの人気メニューは今回紹介したお好み焼きのほかにチキン南蛮、トンカツなど。乗組員にとって、食事は一番の楽しみだと思うので、とにかく「今日もおいしかった!」と言ってもらえる料理を提供したいです。この言葉は提供する側のモチベーションの維持にもつながります。

    「広島お好み焼き」のレシピを紹介

    画像: ※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

    ※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました

    <材料(2人分)>

    豚バラ薄切り肉(長ければ半分に切る):4~6枚(120g)
    キャベツ(5ミリ幅に切る):3枚
    万能ネギ(小口切り):1束
    モヤシ:1袋

    <A>
      小麦粉:50g
      水:3/4カップ
      和風顆粒だしの素:小さじ1

    <B>
      焼きそば麺(蒸し):2玉
      めんつゆ(ストレートタイプ):大さじ1

    卵:2個
    サラダ油:適量
    塩、コショウ、ガーリックパウダー:各少々
    お好み焼きソース、青のり、カツオ節、マヨネーズ(好みで):各適量

    <作り方>

    1:Aを混ぜ合わせて生地を作る。

    2:約200℃に温めたホットプレート(大きめのフライパンでも可)にサラダ油を入れ、1をお玉1杯ほど落とし、円形になるように延ばす。端が少しめくれるくらいまで焼き、塩、コショウ、ガーリックパウダーを振る。上にキャベツ、仕上げ用に適量を残した万能ネギ、モヤシ、豚肉をそれぞれ半量ずつのせ、生地少量を上からかける。

    3:大きめのヘラ(またはヘラ2つを使う)でひっくり返す。はみ出た具を中におさめながら形を整え、5分ほど焼く。

    4:その間にBの焼きそば麺を電子レンジ(600W)で20秒ほど加熱し、ボウルに入れてめんつゆを加えてほぐす。

    5:ホットプレートの空いたスペースに4を入れ、軽く炒めたら、麺の上に3をのせる。さらに空いたスペースに卵1個を割り入れ、ヘラで十字に切れ込みを入れ、その上に麺ごとのせる。1分ほど焼いたら、卵の下にヘラを入れてひっくり返す。

    6:器にのせ、お好み焼きソース、青のり、カツオ節、残りの万能ネギを好みの量かける。マヨネーズをかけてもよい。同様にもう1枚焼く。

    (MAMOR2025年12月号)

    <調理/樋口秀子 文/富田純子 料理撮影/林 紘輝(扶桑社) 写真提供/防衛省>

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

    This article is a sponsored article by
    ''.