•  自衛隊は24時間365日、間断なく日本を守っている。例えば国民の多くが仕事を離れ、くつろぎ楽しむ大晦日の夜。自衛隊は、どのような任務に就いているのだろうか?

     12月31日23:30の航空自衛隊各部隊の現場を覗いてみた(この記事における1日の様子は、大晦日だけではなく絶え間なく国防の任に就く自衛隊を表現するためのイメージです。紹介する活動は特定された時間においてのものではありません)。

    “その瞬間”に備えて、24時間待機を行う(第8航空団第8飛行隊)

    画像: “その瞬間”に備えて、24時間待機を行う(第8航空団第8飛行隊)

     領空に接近する彼我不明機(ひがふめいき。所属が不明な航空機のこと)への対処として戦闘機が緊急発進するスクランブル。

     対領空侵犯措置(注1)の最前線を担うパイロットや整備員たちは、深夜でも出動に備えて待機を続けている。

     待機室では、飛行服を整え、装備をすぐ身に着けられるよう配置し、レーダー情報や気象状況を確認。出動命令が下ればただちに緊急発進する必要があるため、夜間も緊張の糸を切らすことはできない。

     緊急発進に備える隊員たちは静まり返った待機室で、いつ来るか分からない“その瞬間”を待つ。

     「夜間は自機位置の把握が困難になるため、自動制御装置などを活用して安全に飛行するようにしています」と隊員は話す。

     日本の空を守るスクランブル体制は、こうした見えない努力によって切れ目なく維持されている。

    (注1)わが国の領空を侵犯する恐れのある外国の航空機や、領空侵犯した外国の航空機に対して、戦闘機を緊急発進させて、領空からの退去を警告したり、最寄りの飛行場へ強制着陸させるなどの一連の行動をいう

    交代勤務で日夜切れ目なく空からの侵入者を警戒(第19警戒隊)

    画像: 交代勤務で日夜切れ目なく空からの侵入者を警戒(第19警戒隊)

     わが国の領空に侵入してくる彼我不明機や飛行物体の警戒・監視を担うのは、航空自衛隊の各方面隊のレーダーサイト部隊。

     北は北海道・稚内から南は南西諸島の宮古島まで全国28カ所の固定式レーダーサイトによって日本の空を見守っている。

     各レーダーサイトの情報が集約される防空指令所では、幹部兵器管制官曹士警戒管制官が日勤と夜勤の交代勤務で24時間365日間レーダースコープを見つめ、接近・侵入する航空機を発見・識別し、必要に応じて戦闘機などを誘導して対領空侵犯措置を講じる。

     また、各レーダーサイトの稼働態勢を維持する整備員もまた常駐しているが、「限られた人数で勤務する夜間は、不測の事態への対応を常に備えています」と話す。

    暗闇の滑走路を見守る、夜間の航空管制(千歳管制隊)

    画像: 暗闇の滑走路を見守る、夜間の航空管制(千歳管制隊)

     航空自衛隊の航空管制官は、航空機の安全な離着陸と飛行を支えている。

     夜間の管制塔では、計器の光とわずかな外灯だけが点灯する静かな環境の中、周辺空域の監視と航空機との交信が続く。

     視界が限られる夜は、レーダー情報や計器の読み取りがより重要になり、天候の変化や民間機の動向を把握しながら、航空機が安全に進入・出発できるよう細やかな調整を行う。

     管制官は交代制で勤務を続け、深夜でも途切れることなく空の動きを管理している。

    「夜間は航空機の距離感や高度などの把握が難しくなるため、レーダーやパイロットからの無線などを頼りに位置を確認します」と管制官は話す。

     空の安全を守る航空管制の仕事は、夜でも休むことがない。

    (MAMOR2026年2月号)

    <文/古里学>

    国防は眠らない

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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