•  自衛官を養成するための4年制大学「防衛大学校」。通う学生たちは何を学び、どんな生活を送っているのでしょうか?

     マモルの広報アドバイザー・志田音々さんが、防衛大での学生生活について久保文明防衛大学校長に聞いてみました。

    【志田音々さん】
    タレント、女優。1998年、埼玉県出身。2023年から防衛省広報アドバイザー(注1)を務める。舞台『かげきしょうじょ‼ 第3章The Final』に出演

    【久保文明防衛大学校長】
    第10代防衛大学校長。1956年、東京都出身。東京大学法学部卒。ジョンズホプキンズ大学客員研究員、慶応義塾大学教授、東京大学大学院教授などを歴任し、2021年4月より現職

    (注1)防衛省・自衛隊の各種広報活動に協力することを目的として2023年に設けられた制度のこと

    防衛大学校ってどんな大学?

    画像: 防衛大学校ホームページより(https://www.mod.go.jp/nda/about/)

    防衛大学校ホームページより(https://www.mod.go.jp/nda/about/

    志田音々(以下、「志田」): 防衛大学校の受験案内を見かけたのですが、どんな大学なのですか?

    久保文明(以下、「久保」): 防衛大学校(防大)と一般大の大きな違いは、防大は自衛隊の幹部となる自衛官を養成するための4年制大学ということです。

     一般大の場合、例えば法学部を卒業したからといって必ずしも法律家になるわけではありませんよね? しかし、防大生の卒業後の進路は、陸・海・空いずれかの幹部候補生学校になります。

    志田:なるほど。では授業の内容も一般大学とは違うのですか?

    久保:文科省が定めているものと同等の教育課程を実施しますので、卒業後には学士号を取得できます。ただ、必修として「防衛学」と「訓練」があるのが、大きな特徴ですね。

    志田:防衛学とは?

    久保:幹部として必要な国防論、戦史、戦略、軍事技術、部下に対する指揮・統率を学ぶ学問です。

     もう1つの訓練ですが、行進などの基礎は日常的に行って、本格的な訓練は、春季、夏季、秋季、冬季の各定期訓練で全学年が集中して行います。

     それぞれ、陸・海・空各部隊の見学や、基本教練やカッター、スキーなどの共通訓練のほか、陸・海・空各要員に分かれて、歩哨・斥候、艦艇実習、航空機整備など、より専門的な訓練も行われます。

    志田:ほかにも特徴はありますか?

    久保:全寮制であることも特徴の1つです。学生は4個の学生大隊に分かれて、それぞれの寮で生活します。2026年度からはさらに1個の大隊が増え、5個大隊化を予定しています。

     各大隊は、中隊、小隊で構成され、各学年2人ずつ計8人が起居を共にする部屋が最小単位になります。そこで毎朝6時起床、22時半消灯という規則正しい生活を送ります。

    課外活動の様子は?

    画像: 毎年2月に行われる第4学年を対象にしたダンスパーティー。士官としてのふさわしい立ち居振る舞いを学ぶため、伝統的に行われる 写真提供/防衛省

    毎年2月に行われる第4学年を対象にしたダンスパーティー。士官としてのふさわしい立ち居振る舞いを学ぶため、伝統的に行われる 写真提供/防衛省

    志田:アルバイトはできますか?

    久保:できません。しかし、学生は特別職国家公務員という身分になり、給料(注2)が出ます。給料日には校内のATMに行列ができますよ。

     卒業生に聞くと、防大で楽しかったことは「月1回の給料日」と「充実した友人関係」とよく言われますね。

    志田:青春期の多くの時間を共に過ごすのですから、人間関係もぐっと深まりそうですね。

    久保:学生はいずれかの運動系の校友会(部活)に加入することを原則としております。野球やサッカーなどに加え、防大らしい部に銃剣道(注3)、短艇、グライダー、パラシュートなど、約40の運動部があります。

     学業に加え、普段の寮生活や校友会を通じて、親密な友人関係を築けるのが防大の魅力だと思います。

    画像: 開校記念祭で行われる棒倒し。準備の段階から入念に作戦を立て、他チームの練習を“偵察”するなど、各チームが勝利に向けて情熱をささげる

    開校記念祭で行われる棒倒し。準備の段階から入念に作戦を立て、他チームの練習を“偵察”するなど、各チームが勝利に向けて情熱をささげる

    志田:一般大と同じように学園祭などもあるのかな?

    久保:一番有名なのは毎年11月に開催される開校記念祭でしょう。これは校内を一般開放して、行進パレードや模擬戦闘の実演なども行われます。

     なかでも棒倒しは、相手チームが集団で支えて立てる約4メートルの棒を、集団で攻撃して先に倒すことを競う激しい競技で、防大の名物となっています。最近は、女子学生が自陣に棒を運び込んだ数を競う棒引きという競技も行われていますので、一度、ぜひ見学に来てください。

     ほかにも、2月には第4学年による卒業ダンスパーティーが行われ、学生たちはそれぞれ異性のパートナーを同伴し、社交ダンスを踊るのです。

    志田:素敵! でも彼女・彼氏がいない人はどうするんだろう?

    久保:学校外の友人を誘ったり、開校記念祭にパートナー募集のポスターを張る学生もいます(笑)。

    志田:それは行かなきゃ! 恋が芽生えるかも?(笑)

    (注2)毎月学生手当として約15万円が支給され、6、12月には期末手当として約26万円が支給される

    (注3)銃の先に銃剣を付けた状態を模した「木銃」を使い、剣道と同じような防具を身に着けて1対1で勝敗を競い合う武道

    (MAMOR2025年11月号)

    <文/古里学 写真/増元幸司>

    志田音々のねぇねぇ防衛のこと、もっと教えて!

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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