•  自衛隊では現在、全国の駐屯地・基地の隊舎の老朽化にともなう建て替えや改修が進行中だ。

     その際、ポイントとなるのが、自衛官の生活・勤務環境の改善。日々の暮らしに必要な機能や余暇の充実、プライバシーの確保に配慮した施設の設計を目指している。

     ここでは、すでに改修された小平駐屯地の女性隊員用隊舎をメインに、現在進行形で装いを新たにしつつある、自衛官たちが寝食を共にする物件を案内しよう。

    生活の基本となるくつろぎのスペース、居室

    画像: 生活の基本となるくつろぎのスペース、居室

     ゆったりしたスペースの、冷暖房完備の3、4人用居室。私物などを収容するロッカーとベッドは各自に用意されている。駐屯地・基地によっては勉強机がそれぞれの隊員のために設置されているところも。

     中には、プライバシーにより配慮した個室のある隊舎もあるという。

     隊員たちはここで、就寝時はもちろん、自由時間にルームメイトと話したり、勉強したり、スマホで友だちと話したりと、思い思いの時間を過ごす。

    小物や雑貨が置ける棚付きヘッドボード

    画像: 小物や雑貨が置ける棚付きヘッドボード

     ベッドには目覚まし時計やスマホ、おしゃれ雑貨などが置けるヘッドボードがある。

     機能性だけでなく、そこにお気に入りのモノを置くことで、殺風景だと思われがちな隊舎での生活に彩りを添える、小さなスペースだ。

    メークしやすい明るくきれいな洗面所

    画像: メークしやすい明るくきれいな洗面所

     洗面所には、8台の洗面台を設置。洗面台の数を増やすことで、朝の混雑が緩和されるようになったという。

     また、これまでは、天井のみだった照明が、洗面台の上部にも取り付けられ、メークを行う隊員に配慮した設計となっている。

     清潔感があってピカピカの洗面所は隊員たちからの評判も上々だ。

    課業外に使用できる自由なスペース、娯楽室

    画像: 課業外に使用できる自由なスペース、娯楽室

     琉球畳が敷かれ、テレビモニターやテーブルなどが設置された、シックな風情の娯楽室。課業外であればいつでも使用できる自由なスペースだ。

     お昼寝やおしゃべり、ゲームなど、その用途はさまざま。中には彼と電話をしたりする人もいるとか。

     特に休日の利用者が多く、娯楽室には誰かしら知人がいるので、用がなくてもふらっと立ち寄る、という人も。仕事の疲れを癒やす、隊員の憩いの場となっている。

    談話室に設置されたドア付きの個室、休憩室

    画像: 談話室に設置されたドア付きの個室、休憩室

     小平駐屯地の厚生センターには、カフェ風の談話室があり、そこには誰でも使用できる個室が設置されている。電話をしたい人や、1人でゆっくりしたい人、昼寝をしたい人などに利用されている。

    訓練や任務の汚れを落とす洗濯室

    画像: 訓練や任務の汚れを落とす洗濯室

     課業外であれば毎日、いつでも使用可能な、複数台の洗濯機が設置された洗濯室。駐屯地・基地によっては、洗濯室とは別に乾燥室があるところも。

     さらに、最近では洗濯機の台数が増え、さらに新しい機種に入れ替わったため待ち時間がぐっと短くなった。これにより毎日の洗濯がスムーズになりより快適になったという。

    簡単な調理ができる隊舎の調理室

    画像: 簡単な調理ができる隊舎の調理室

     隊舎には、電子レンジやオーブントースター、IH調理器、給湯器などが設置された調理室もある。隊舎で暮らす隊員の食事は、隊員食堂で朝・昼・夕の食事が提供されるが、隊員食堂を利用しない申請を出して、ここで料理して食べる隊員もいる。

     また、休日などに隊員たちが集まって食事をすることも。食を通じて隊員同士が親睦を深めるために活用される場ともなっている。

    段差のないバリアフリー仕様のトイレ

     トイレは、段差のないバリアフリー仕様となっている。ケガをした隊員などが安心して利用できるように設計されているのだ。

    旅館並みの大浴場で日々の疲れを取る

    画像1: 旅館並みの大浴場で日々の疲れを取る

     隊舎には、ホテルや旅館並みの大きさの大浴場が設置されているところがある。

    画像2: 旅館並みの大浴場で日々の疲れを取る

     小平駐屯地の大浴場には一度に30人以上入れるサイズの大きな浴槽が2つある。日々の疲れを取るには、シャワーだけでは物足りない、という隊員にとっては欠かせない施設となっている。

    消灯時間まで利用が可能なシャワールーム

     シャワールームは、課業の終了後から消灯時間まで利用が可能。1人が使用する時間の制限などは特にないという。

     独立個室型シャワーブースが8台ほど用意されており、混雑が緩和されるよう配慮されている。

    体力維持・向上のためのトレーニングルーム

    画像: 体力維持・向上のためのトレーニングルーム

     小平駐屯地の隊舎内にはトレーニングマシンやバランスボールなどが設置されたトレーニングルームがあり、隊舎に居住する隊員であれば課業外や休日などに自由に使用できる。手軽に、“ちょこっと”ジムに行ける感覚だ。

     全国各地にある自衛隊の隊舎にはこのようなトレーニングルームがある所も多い。

    隊員食堂での食事を紹介

     別棟には隊員食堂があり、朝・昼・夕と栄養士によって栄養価が計算された、バランスのとれたメニューが3食提供される。

    朝食:朝からおいしいメニューが並ぶ

    画像1: 朝食:朝からおいしいメニューが並ぶ

     朝食メニューも調理員によってしっかりと作り込まれたおいしい料理が並ぶ。メインのおかずにサラダ、ご飯、みそ汁、小鉢、デザートと栄養を考えたバランスのいい食事がいただける。

    画像2: 朝食:朝からおいしいメニューが並ぶ

    【写真のメニュー】
    おろし豆腐ハンバーグ、キャベツとツナの炒め物、キャロットサラダ、ご飯、みそ汁、温泉卵、リンゴ 右写真のメニュー/チリコンカン、マッシュポテト、アボカドとハムサラダ、ご飯、みそ汁、温泉卵、乳酸菌飲料 

    昼食:午後の活力になる肉や魚の献立

     ランチメニューは午後の任務に励めるよう、肉や魚を使用したボリューム満点のメニューが提供される。とある日のメニューを見てみよう。

    画像1: 昼食:午後の活力になる肉や魚の献立

    【写真のメニュー】
    白身魚のお好み揚げ、じゃがもろこし(バターしょうゆ味)、ご飯、みそ汁、ミルク寒天ブルーベリー 

    画像2: 昼食:午後の活力になる肉や魚の献立

    【写真のメニュー】
    トウキョウXのサラダ豚しゃぶ、根菜の煮物、発芽玄米ご飯、みそ汁、白玉あずき

    画像3: 昼食:午後の活力になる肉や魚の献立

     小平駐屯地の隊員食堂では、毎週火曜の昼食が「麺類の日」となっている。焼きそば、ラーメン、パスタ、そば、うどんなどバラエティー豊かな麵料理で隊員たちが飽きないよう工夫されている。

    夕食:おいしくて栄養バランスが良い食事を提供

    画像: 夕食:おいしくて栄養バランスが良い食事を提供

     地域ごとの地産地消のメニューや、海上自衛隊ではカレー、航空自衛隊では空上げといった名物料理が提供されることもあり、隊員たちにとって、毎日の楽しみの1つとなっている。

     写真のとある日の夕食には、煮豚、味玉、にんにくがたっぷり入った野菜炒め、ぎんなんがトッピングされた「小平丼」が提供された。

    デザート:甘さひかえめの手作りスイーツ

    画像: デザート:甘さひかえめの手作りスイーツ

     隊員食堂ではなんと手作りのデザートまで出るというから驚きだ。甘さ控えめのムースやプリン、トライフルをはじめ、ブルーベリーなどが入ったマフィンなども提供されるという。写真は出雲駐屯地(島根県)で出されたトライフル。

    (MAMOR2025年10月号)

    <文/魚本拓 写真/鈴木教雄 写真提供/防衛省>

    けっこう快適で落ち着くんです 自衛隊ぐらし

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

    This article is a sponsored article by
    ''.