•  マモルのキャッチフレーズは「日本の防衛のこと、もっと知りたい!」だ。防衛省・自衛隊の政策や活動を広く国民にお知らせすることがマモルの使命である。

     そこで、読者から募った防衛に関するさまざまな疑問、質問について、われらが広報アドバイザー・志田音々さんがインタビュアーとなって、各界の識者に教えていただく。

    【志田音々】
    タレント、女優。1998年生まれ。埼玉県出身。2019年にデビューし、舞台、ラジオ番組など幅広く活躍中。23年から防衛省広報アドバイザー(注)に就任

    【安居院広報課長】
    防衛省の大臣官房広報課に勤務。テレビ番組や映画作品への協力、各種広報イベントの計画など、防衛省・自衛隊の広報に関する事業を統括している

    (注)防衛省・自衛隊の各種広報活動に協力することを目的として2023年に設けられた制度のこと

    質問1:自衛隊は何のために広報するの?

    安居院広報課長(以下課長):志田さんには防衛省の広報アドバイザーとしていろいろご協力いただいていますが、アドバイザーになって印象的だったことは何かありますか?

    志田音々(以下志田):昨年行った「自衛隊音楽まつり」ですね。その迫力にびっくりするとともに、こんなこともやっているんだなと。これも広報活動の1つですよね。

    課長:はい。防衛省・自衛隊の広報としては、以前から音楽まつりや各地の基地・駐屯地での一般見学会、『防災フェス』といった外部団体が主催するイベントで自衛隊車両を展示したり、基地・駐屯地内で映画やTVドラマの撮影を受け入れたり、必要に応じて戦車や護衛艦を用意したり、さまざまなパンフレットや出版物の刊行などを通して、皆さんに防衛省・自衛隊のことを知ってもらう活動を行っています。

     それは、国民の理解と支持がなければ自衛隊の活動を円滑に行うことができないからです。新規装備品の配備や基地・駐屯地の新設だけでなく、日ごろの活動においても国民の理解と協力によって、国の防衛は成り立っています。

     また、「自衛隊に入りたい」と思ってもらう人を増やすのも大きな目的ですね。防衛省・自衛隊では、最近では、若い世代にも届くよう、ユーチューブでの動画制作のほか、各部隊のアカウントを新設してSNS上での情報発信などにも力を入れています。

    志田:防衛省・自衛隊のエックス(旧ツイッター)のフォロワー数は125万人もいて(2025年4月時点)、ほかの省庁と比べるとダントツに多いですよね。若い人に向けてということですと、SNSが届きやすいと思います。

    防衛省・自衛隊はエックス上で、訓練などの活動報告のほか、ウクライナ情勢の分析や職員の採用情報、広報イベントの告知など、さまざまな情報を発信している。防衛省に寄せられた防衛に関する疑問に簡潔に答えるポスト(ツイート)も

    課長:ほかにも、子どもや若い人には特に興味を持ってもらうように、いろいろ考えています。防衛省では毎年『防衛白書』を出していますが、その内容を小学校の高学年でも分かってもらえるように編集した『まるわかり! 日本の防衛~はじめての防衛白書〜』はその一環です。

    画像: 『まるわかり! 日本の防衛~はじめての防衛白書~』では、国の防衛の必要性や防衛省・自衛隊の取り組みなどさまざまなテーマについて、漢字にルビが振られたやさしい文章で解説されている

    『まるわかり! 日本の防衛~はじめての防衛白書~』では、国の防衛の必要性や防衛省・自衛隊の取り組みなどさまざまなテーマについて、漢字にルビが振られたやさしい文章で解説されている

    志田:キャラクターがいっぱい登場して、文字も丸っぽくて読みやすいですね。ほかにも、東京オリンピックの開会式当日にはブルーインパルスが展示飛行を行ったりと、いろんな広報活動を行ってますが、そうした戦略や方向性はどうやって決めているのですか?

    課長:各年代の方々が今、何をトレンドにしているのかを注視しながら、職員みんなで考えて企画・立案をしています。そのときに重視しているポイントが2つあって、1つは誰に、何を、いつ、どのような手法で発信するかということ、もう1つはその時々の防衛省・自衛隊が置かれている状況を踏まえながら対応していくということです。

    志田:一般の人が自衛隊に何を望んでいるかということは、どのようにしてリサーチしているのですか?

    課長:防衛省内で議論するよりも、今、何が話題になっているのか、アンテナを広げるようにしています。

    志田:最近、課長のアンテナに引っかかったこと、何かありますか?

    課長:若い人の間で「チル」という言葉がさかんに使われているということを知りました。

    志田:「ゆっくりする」、「まったりする」という意味ですね(笑)。

    課長:若い世代の人たちに届くように、あえて若者言葉を使った広報ができないかも考えていますよ。

    志田:自衛隊の広報で、「今、チルってます」なんて言葉が出てくるようになったら、今まで以上に親近感が湧くかもしれませんね(笑)。楽しみにしています!

    <文/古里学 写真/山田耕司(扶桑社)>

    (MAMOR2024年9月号)

    志田音々のねぇねぇ防衛のこと、もっと教えて!

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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