• 画像: アメリカ・スペースX社の通信衛星「スターリンク」。ウクライナでもサービスが提供され、軍事面でも活用されているという。現在宇宙には、軍事・非軍事問わずさまざまな人工衛星が稼働している 画像/©Aleksandr Kukharskiy、shutterstock.com

    アメリカ・スペースX社の通信衛星「スターリンク」。ウクライナでもサービスが提供され、軍事面でも活用されているという。現在宇宙には、軍事・非軍事問わずさまざまな人工衛星が稼働している 画像/©Aleksandr Kukharskiy、shutterstock.com

    2020年、航空自衛隊の守る領域に「宇宙」が加わった。その後も新部隊を新編するなど、宇宙領域への展開が加速している。

    経済・社会活動に不可欠な宇宙空間の安定利用を確保

     航空自衛隊には、自衛隊唯一の宇宙領域専門部隊、宇宙作戦群があり府中基地(東京都)や防府北基地(山口県)に部隊を配置している。それらの指揮を執る杉山1佐に任務の内容を聞いた。

    「宇宙航空研究開発機構(JAXA)やアメリカ宇宙軍などと協力して、宇宙領域で何が起きているのかを把握する任務など、宇宙空間を安全かつ安定的に利用できるよう活動しています。

     人工衛星やスペースデブリなど宇宙物体の位置や軌道の把握、各国の衛星運用・利用状況やその意図、能力を把握することに取り組んでいます」

     また、26年度に、地球周回静止軌道上に存在する宇宙物体の状況を把握するための人工衛星を打ち上げ予定だという。

    都心オフィス街に拠点が?「宇宙協力オフィス」の挑戦

     23年10月、東京都港区にある「虎ノ門ヒルズビジネスタワー」内に、航空自衛隊の「宇宙協力オフィス」が開設された。隊員が常駐し、民間企業との交流や情報収集のほか、空自の活動について周知するためのイベントなどを行っている。

    「民間企業の方には、防衛省・空自が宇宙分野で活動していることがあまり知られておらず、意見交換会などでは驚かれることもありますが、和やかな雰囲気で意見交換でき、話も盛り上がりやすいと感じています。宇宙領域に限らず、関連性の高いサイバー、電磁波などに関するさまざまな技術、ビジネスの話をしていただけるので、参考になり大変ありがたいですね」と同オフィスの運営に携わる奥田2佐は語った。

    【杉山公俊1等空佐】
    宇宙作戦群・群司令。2023年3月より現職。宇宙作戦群を構成する5部隊の指揮・総括を行っている

    【奥田智洋2等空佐】
    航空幕僚監部防衛部事業計画第2課・宇宙領域班総括。元々の職種は気象で、理学博士の肩書きも持つ

    (MAMOR2024年7月号)

    <文/臼井総理 写真提供/防衛省>

    ありがとう、航空自衛隊!

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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