•  自衛隊には数多くの部隊があり、中には自隊のテーマソング「隊歌」を持つ部隊もあります。

     その歌詞を読むと、国を、地元を愛する気持ち、家族、仲間を想う気持ちが表されて、各隊員の心意気が伝わってきます。そんな隊歌にあなたも触れてみてください。

     今回は、奈良県に所在する「航空自衛隊幹部候補生学校」の「幹候校(かんこうこう)行進歌」をご紹介します。

    航空自衛隊幹部候補生学校とは…

     航空自衛隊奈良基地(奈良県)にある、空自の幹部自衛官となるために必ず入校する学校。

     防衛大学校、防衛医科大学校、一般大学の卒業者などに対し、幹部自衛官としての資質を養うとともに、初級幹部として職務を遂行するのに必要な知識と技能を習得させるための教育訓練を行う。

    「幹候校行進歌」の歌詞を紹介

    見よ白雲の空遠く 平和を祈る肝と魂
    ああ若鷲(1)の理想をもて
    練え磨かんいざ共に
    進み行く我等の幹候校

    いけ白雲の空遠く 護はかたき技と学術
    今大空の光受けて 練え磨かんいざ共に
    輝く我等の幹候校

    咲け白雲の空遠く 大和男子の意気と熱
    おお精鋭の血は燃えて 練え磨かんいざ共に
    羽ばたく我等の幹候校(2)

    飛ぶ白雲の空遠く 荒ぶ世界の嵐雲
    いざ盤上の峰越えて 練え磨かんいざ共に
    栄えゆく我等の幹候校

    「幹候校行進歌」の歌詞を解説

    (1) 若い鷲ということで、幹部自衛官の卵である幹部候補生学校の学生を例えている 

    (2) 航空自衛隊幹部候補生学校のこと

    若き幹部の卵たちが団結力を高める歌

    「当歌は昭和の中ごろに作られ、作詞・作曲者は共に自衛隊員。作曲者は航空音楽隊(現・航空中央音楽隊)の初代隊長で、空自の音楽隊創設に尽力された方でした」と話すのは、幹部候補生学校総務課広報室の市成千尋1等空尉だ。

     さらに詞や曲に込められた思いを憶測で語ってくれた。

    「幹部候補生という若手幹部の基本教育の現場である幹部候補生学校において、心身ともに鍛え、空の王者と呼ばれるワシのように、空の守りの王者となるべく羽ばたけという願いが込められているのではないでしょうか」

     そんな市成1尉が推すのは一番の歌詞。前半で日本人としての心を歌い、後半にかけては幹部候補生としての意気込み、そして仲間に対する熱き思いを歌っているのが良いとのこと。今は行進しながら歌うことはないそうだが、学生活動で隊歌コンクールを開催し、各区隊で合唱することはあるのだとか。

     覚えたてのころは自信を持てず小さい声だったのが、しっかり覚えると、どこの区隊が一番大きな声で歌えているか、動きを加えてより団結感を出せているか、競い合うという行進歌を、ぜひ聴いてみて!

    画像: MAMOR 2024年7月号これが部隊のテーマソング『幹候校行進歌』 youtu.be

    MAMOR 2024年7月号これが部隊のテーマソング『幹候校行進歌』

    youtu.be

    (MAMOR2024年7月号)

    <写真提供/防衛省>

    これが部隊のテーマソング

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

    This article is a sponsored article by
    ''.