自衛隊には数多くの部隊があり、中には自隊のテーマソング「隊歌」を持つ部隊もあります。
その歌詞を読むと、国を、地元を愛する気持ち、家族、仲間を想う気持ちが表されて、各隊員の心意気が伝わってきます。そんな隊歌にあなたも触れてみてください。
今回は、東京都に所在する女性自衛官教育隊の「女性自衛官教育隊隊歌」をご紹介します。
女性自衛官教育隊とは
朝霞駐屯地(東京都)にある陸上自衛隊の部隊。女性の新隊員、陸曹候補生に対して、任務遂行に必要な知識や技能を習得させるための教育訓練を行う。
陸・海・空3自衛隊で唯一、女性自衛官のみを教育しており、年間1000人ほどが入校する。
「女性自衛官教育隊隊歌」の歌詞を紹介
一
紺碧(こんぺき)の大空のもと 戦いのやまぬ地あれど
幾年か平和に明けし 日本の未来に羽ばたく
白鳩(しろはと)よ 優しくありて ああ栄光の女性自衛官
二
先人の歴史に絶えて ためしなく乙女の胸に
防人の血潮を秘めつ 武蔵野の野辺に羽ばたく
白鳩よ 麗しくして ああ栄光の女性自衛官
三
夕映えの真白き富士に 誓うとや使命に耐えつ
先ず婦徳(ふとく)(1)純潔の身に たぎる血をたたえ羽ばたく
白鳩よ 慎しくして ああ栄光の女性自衛官
四
たち難き思いし遂げて はるかなる故郷あとに
集い来し縁を永遠に 育みてともに羽ばたく
白鳩よ 心に笑みもて ああ栄光の女性自衛官
「女性自衛官教育隊隊歌」の歌詞を解説
(1)婦人として守るべき義務
優しく、麗しく、慎しく、心の笑みを忘れずに
当歌は、1968年の「婦人自衛官教育隊」の創隊に合わせて作られた歴史ある隊歌。93年に25周年を迎えるにあたり、新しいメロディーに編曲され、2003年に名称が「女性自衛官教育隊」に変更されたことから、一部歌詞も修正されたそう。
平和への願いが込められていて、歌詞にある「白鳩」は、平和と女性自衛官を象徴しているのだとか。
「1~4番の“白鳩よ”の後に続く歌詞は、全国から集まった若い入隊者に対して、『女性の持ち味を生かしましょう。優しく、麗しく、慎しく、心の笑みを忘れずに』と示した指導上の指針から引用していて、初代隊長の思いが込められているんです」と答えてくれたのは、女性自衛官教育隊で総務班長を務める本宿かおる2等陸尉だ。
教育隊の隊員は、入隊式や入校式で歌うために猛練習をするので、すぐに覚えるそう。
女性自衛官が陸曹になるためには、避けては通れない課程のため、陸曹ならば1度は口ずさんだことがある歌。
耳にすれば、入隊または入校した当時の自分を思い出し、初心に立ち返ることができるという隊歌を、ぜひ聴いてみて!
(MAMOR2024年3月号)
<写真提供/防衛省>
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