•  15歳から18歳という、遊びたい盛りの青春期を、わが国を守るために、勉学と訓練に費やす若者たちがいる。

     その学び舎は、高機能化・システム化された防衛装備品を運用する自衛官となる者を育成する陸上自衛隊高等工科学校。そんな陸上自衛隊高等工科学校で年に1度開催される「開校祭」の翌日、工科学校の創立68周年記念行事が執り行われた。

     記念行事には、同校の後援会会員の国会議員や歴代学校長、各協力団体の会長などの来賓が出席。開校祭と同様に一般開放され、約2000人もの人たちが来場した。その様子をレポートします。

    創立68周年記念行事に生徒たちも参加

    画像: 創立68周年記念式典に先立ち、行事に参加する来賓に向けて、吹奏楽部の生徒たちによる栄誉礼が行われた

    創立68周年記念式典に先立ち、行事に参加する来賓に向けて、吹奏楽部の生徒たちによる栄誉礼が行われた

     陸上自衛隊では1955年、科学技術の発展により近代化する自衛隊の装備品に対応できる人材を育成するため、「生徒制度」を発足した。

     63年には防衛大臣直轄の教育機関として「少年工科学校」を創立。2010年には、その伝統を継承しながら、任務の多様化や高等学校教育の変化を受け、同校を「陸上自衛隊高等工科学校」として再編した。

     こうした歴史を歩んできた工科学校の創立68周年記念行事では、快晴の空の下、記念式典と生徒隊による観閲行進、ドリル演技、和太鼓演奏を実施した。

    生徒への期待を口にした学校長

    画像: 「本校は創設以来、伝統を継承しつつも、時代の変革に応じて組織、教育内容を充実・発展させてまいりました」と語る今井陸将補

    「本校は創設以来、伝統を継承しつつも、時代の変革に応じて組織、教育内容を充実・発展させてまいりました」と語る今井陸将補

     式辞では学校長の今井俊夫陸将補が、記念行事の出席者への感謝の言葉を述べた後、これまでの同校の歩みを振り返り、今後の抱負について語った。

     そして、「将来の陸上自衛隊の主役を担う覚悟で職務にまい進し、信頼の下、各人が成長しつつ、役割をしっかりと果たしてもらいたい」と生徒への期待を口にした。

    多くの来場者でにぎわいをみせた創立68周年記念行事

    画像: 講堂のロビーに飾ってある、巨大な校章のレプリカ。向かって右が現在の「飛桜馬」(天かける大望)で左は少年工科学校時代のものだ

    講堂のロビーに飾ってある、巨大な校章のレプリカ。向かって右が現在の「飛桜馬」(天かける大望)で左は少年工科学校時代のものだ

     記念行事の後には、装備品展示や広報展示などが行われた。10式戦車16式機動戦闘車、戦車が故障・損傷した際に回収などを行う11式装軌車回収車などの展示を、来場者が興味深そうに見ていた。

     また、講堂内にある巨大なサイズの校章のレプリカや、生徒たちの1日のタイムスケジュールを示した広報展示にも、多くの人が見入っていた。

     こうして、開校祭と同じように、多くの来場者でにぎわいをみせた、2日にわたる一連の行事は盛会のうちに幕を閉じた。

    (MAMOR2024年2月号)

    <文/魚本拓 撮影/増元幸司 写真提供/防衛省>
    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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