MAMOR 最新号

2月号

定価:780円(税込)

 自衛隊には数多くの部隊があり、中には自隊のテーマソング「隊歌」を持つ部隊もあります。

 その歌詞を読むと、国を、地元を愛する気持ち、家族、仲間を想う気持ちが表されて、各隊員の心意気が伝わってきます。そんな隊歌にあなたも触れてみてください。

 今回は航空自衛隊第9警戒群「第九警戒隊歌」をご紹介します。

第9警戒隊とは…

画像: ※画像はイメージです 出典:下甑島分屯基地Webサイト(https://www.mod.go.jp/asdf/shimokoshiki/second/third/commander.html)

※画像はイメージです 出典:下甑島分屯基地Webサイト(https://www.mod.go.jp/asdf/shimokoshiki/second/third/commander.html

 航空自衛隊下甑島分屯基地(鹿児島県)に所在。アメリカ空軍によって1954年に運用が開始されたレーダーサイトを、55年に自衛隊に移管するため、空自隊員を派遣したのが分屯基地の始まりで、日本の第1号サイトとして、58年より警戒管制業務が開始された。

 61年に第9警戒群および下甑島分屯基地として改編され、2003年に第9警戒隊へ体制を移行。日夜を問わず警戒監視の任務に就く。

「第九警戒隊歌」の歌詞を紹介!

画像: 「第九警戒隊歌」の歌詞を紹介!

歴史も古き甑島

薩摩隼人の血を受けて

防人われら二百余が

誓いも堅く集いたる

おお団結の第九警戒隊

尾岳が峰に雲わきて

レドーム(1)白く光るとき

防人われらひたすらに

心をみがき技を練る

おお精鋭の第九警戒隊

西海はるかこの孤島

雨風あらしすさぶとも

防人われらゆるぎなき

無限の空に備えあり

ああ勇壮の第九警戒隊

この歌詞を解説

(1)レーダーのアンテナを格納し、風雨や太陽光から守るためのカバー

<作詞/満江敏郎 作曲/宇藤三千男 編曲/坂本洋一>

先人の苦労の積み重ねで今日のサイトがある

「毎朝、課業開始前に、当歌を放送しています」と教えてくれたのは、現在、第9警戒隊に所属する尾藤修一准空尉と今泉ここ呂空士長だ。

 隊歌の前身の群歌は昭和時代からあったようで、2003年に第9警戒隊に変わったタイミングで、今の第九警戒隊歌に編曲されたそう。

 歴代群司令の話によれば、「下甑島分屯基地開設当初の隊員が、恵まれない離島サイトの環境下にあって、苦労を苦労とも思わず不平不満も言わず、第1号サイトの誇りを持って黙々と働いてきたからこそ、今日の近代化したサイトの姿がある」のだとか。

「歌詞から、甑島と部隊の歴史、当時の任務や勤務環境を垣間見ることができるのが素晴らしい」と語る尾藤准尉。特に「本土から離れた孤島で、台風にさらされようとも、揺らぐことなく最善の策を講じ、柔軟に対応できる力」を歌った3番の歌詞がお気に入りだという。

 一方、曲調に関しては、「冒頭は伸びのあるメロディーで歌い込むことができ、シンプルで覚えやすいのも良い」と今泉士長。

 現役隊員も、団結し、切磋琢磨する意識を高めることができるという隊歌を、ぜひ聴いてみて!

(MAMOR2024年1月号)

<写真提供/防衛省>

これが部隊のテーマソング

※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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