自衛隊には数多くの部隊があり、中には自隊のテーマソング「隊歌」を持つ部隊もあります。
その歌詞を読むと、国を、地元を愛する気持ち、家族、仲間を想う気持ちが表されて、各隊員の心意気が伝わってきます。そんな隊歌にあなたも触れてみてください。
今回は、東京都新宿区市ケ谷に所在する東京地方協力本部の歌「仰ぐ霊峰」をご紹介します。
東京地本とは…
自衛隊地方協力本部の1つ、東京地方協力本部の略称で、東京都新宿区市ケ谷に所在。
陸・海・空3自衛隊の共同機関で、管轄する東京都内エリアにおける防衛省・自衛隊の総合窓口となる。
自衛官募集業務を行う募集課をはじめ、隊員の再就職を支援する援護課、予備自衛官の管理・招集などの業務を行う予備自衛官課などで構成される。
前身は1956年に編成された自衛隊東京地方連絡部で、2006年に自衛隊東京地方協力本部に改編された。
東京地本の歌「仰ぐ霊峰」の歌詞を紹介
一
仰ぐ霊峰 富士の嶺 千代田の森も 緑濃し
一億の園 美わしく 築く平和の 任重し
使命燦たり 東京地本
二
城の南や 北・東 多摩の湖面の 果までも
友を訪ねて 星月夜 己が庵は 未だ明し
士気愈高し 東京地本
三
務終わりし 友垣が 里に帰りて 尽す身に
幸多かれと 祈りつつ 心を砕く 新天地
団結は固し 東京地本
四
盤根定かな 常盤松 雄々しくそびえ 立つ像
坤與の齢 続くまで きずなとならん 任重し
誇りも崇し 東京地本
<作詞/川久保太郎 作曲/志記久男>
募集・援護マンとしての使命感を沸き立たせる
当歌は、東京地方連絡部(略称・東京地連 現・東京地本)の創立20周年を記念して、1976年に作られたそう。
作詞者は当時の第9代東京地連部長、作曲者は当時の東部方面音楽隊の隊員だが、2人とも故人のため、代わりに答えてくれたのは、現在、東京地本に勤務する杉本淳子准陸尉だ。
「歌詞については、1番は美しい日本を守るための使命感を、2番は東京の地で昼夜を問わず働く広報官の募集活動の様を、3番は再就職先での仲間の幸せを願う援護マンの気持ちを表現しているのではないかと想像します」
そして4番の歌詞にある「常盤松」については、「東京地連の象徴であった松の木で、根を張り勇ましくたたずむこの松の木のように、全隊員が誇りと絆を持ち続けてほしいという願いが込められているのではないでしょうか」と語る。
2010年に「東京地連」となっていたタイトルと歌詞を「東京地本」に変更するため、海上自衛隊東京音楽隊に隊歌のリニューアルを依頼。
東京地本の隊員にとっては、今一度、募集・援護マンとしての使命感を思い起こさせる「原点回帰」の歌、ぜひ聴いてみて!
Youtubeから曲が聴けます
(MAMOR 2023年10月号)
<写真提供/防衛省>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです