• 海自・空自の航空学生出身先輩パイロットに聞いた!学んだことは任務に生きる

     海上自衛隊と航空自衛隊で採用されているパイロット養成制度「航空学生」。2年間の厳しいカリキュラムにそって、毎日懸命に学んでいる。かつて航空学生として過ごした現役パイロットたちも、その経験の上に今の活躍があるのだ。「日々の努力は必ず今後の糧になる」と、後輩を勇気づけるエールを送ってもらった。

    海上自衛隊救難飛行艇のパイロット「しっかり学び全力で遊べ!」

    画像: 海上自衛隊救難飛行艇のパイロット「しっかり学び全力で遊べ!」

    毎日の大変な掃除も今に生きています

     パイロットとして国防の任務に携わりたくて航空学生への道を選んだという石丸心2等海尉。

    「毎日の『甲板掃除』(注)が一番大変でした。短い清掃時間で担当場所を常にきれいに保つのは苦労します。おかげで今では効率よく物事を実施できるようになりました」

     航空学生時代に身に付け、US−2のパイロットとなった今も生きていることは、「やるときはやる。休むときは全力で休むこと」だと語る。オン・オフの切り替えで多忙な日々も乗り越えられるという。

    「しっかり勉強して、体力も付け、休日は全力で遊び、学生生活を頑張ってください!」

    (注)海上自衛隊では、艦艇での生活を基準とするため、陸上での掃除も「甲板掃除」と呼ぶ

    海上自衛隊ヘリコプターのパイロット「今の苦労は部隊で役立つ!」

    画像: 海上自衛隊ヘリコプターのパイロット「今の苦労は部隊で役立つ!」

    目標タイム達成のために、同期と走り込みました

    SH−60Kでしか経験できない任務や訓練がたくさんあるのがやりがいです」と語るのは古閑淑晃2等海尉。学生時代のエピソードで印象に残っているのは、同期と走り込んだ3キロメートル走だ。

    「教育課程の中で行われる運動能力測定に向けて同期全員で走り込みました。その結果、平均タイム10分30秒という目標タイムをクリアできました」

     今、航空学生として学ぶ後輩たちには、こんなアドバイスを送る。

    「学生時代、時間に厳しい生活を体験したことは、与えられた飛行時間内で最大限の成果を出すことにつながるなど、部隊に行っても役立ちます!」

    航空自衛隊ブルーインパルスのパイロット「3気精神で困難を乗り切れ!」

    画像: 航空自衛隊ブルーインパルスのパイロット「3気精神で困難を乗り切れ!」

    航空学生魂は今も自身の支えになっています

     平川通3等空佐は、多くのパイロットが憧れるアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の飛行班長。そんな彼にも、苦労した航空学生時代があった。

    「細かい作業が苦手で、アイロン掛けやベッドメーキングなどを何度もやり直しをさせられました。水泳も苦手で、水泳訓練では大変な思いをしました」

     航空学生時代に得て、今も任務遂行に生きていることには、「やる気、元気、負けん気」の3気精神を挙げる。

    「今も、困難な任務に直面したときや、失敗して落ち込んでいるときに思い出します。航空学生魂は、現場に出てもずっと私の根本です」

    航空自衛隊戦闘機のパイロット「同期と支え合って悩み、苦しみを乗り越えて!」

    画像: 航空自衛隊戦闘機のパイロット「同期と支え合って悩み、苦しみを乗り越えて!」

    同期に支えられてここまで成長できました

     F−15のパイロットとしてスクランブル任務にあたる立和田あかり3等空尉も、航空学生時代は走ること、泳ぐことが苦手だったと振り返る。

    「毎朝のランニングや駅伝競技会、水泳競技会などはとても苦労しました。時には隣を走る同期に背中を押されながら無我夢中で走ったことを覚えています」

     同期に支えられた2年間だったと振り返る立和田3尉。

    「悩み、苦しいこともありましたが、いつも同期や先輩、教官、友人たちの支えで乗り越えられました。航空学生の皆さんも、周りの人を大切に、良いところをたくさんまねして突き進んでください!」

    (MAMOR2022年1月号)

    <文/臼井総理 撮影/伊藤悠平>

    国防に舞い上がれ!自衛隊航空学生

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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