1960年代、子どもたちを熱狂の渦に巻き込んだ空想特撮テレビドラマ 『ウルトラマン』が、庵野秀明&樋口真嗣のタッグによってスクリーンに登場する。この制作に、防衛省・自衛隊が全面協力し、作中では自衛隊も大活躍! 5月20日発売のMAMORでは、映画『シン・ウルトラマン』の監督・樋口真嗣さんや汎用生物学者・船緑由美役の早見あかりさんのインタビューをはじめ、作中での自衛隊の描かれ方について特集を組んでいる。
今回、防衛省職員で禍特対(カトクタイ)の班長役で出演する西島秀俊さんからコメントをいただいた。
『シン・ウルトラマン』
作品概要:地球上に次々と巨大不明生物「禍威獣」(カイジュウ)が出現。日本政府は禍威獣対策を主とした防災庁および専従組織「禍威獣特設対策室(通称・禍特対)」を設立した。しかし通常兵器での応戦は限界を超え、国土防衛の維持が困難となりつつあった。そんな折に大気圏外から謎の飛翔体が飛来。それは人間と同じ形をした銀色の巨人。禍特対の報告書には「ウルトラマン(仮称)、正体不明」と書かれていた。
脚本:庵野秀明 監督:樋口真嗣 出演:斎藤工、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり/西島秀俊ほか
製作:円谷プロダクション、東宝、カラー 配給:東宝 TOHOシネマズ日比谷など全国の映画館で公開中
防衛省防衛政策局員 田村君男役 西島秀俊がコメント
『シン・ウルトラマン』の出演オファーをいただいたときは非常にワクワクしましたし、呼ばれたことをうれしく思いました。僕が演じるのは禍威獣特設対策室専従班(通称・禍特対)の班長です。禍特対は禍威獣に対処するスペシャリスト集団で、自衛隊とも連携します。
撮影中に特に印象的だったのは、都内にウルトラマンが現れるシーンでエキストラとして出演協力いただいた陸上自衛隊の隊員と撮影をしたこと。港区のど真ん中に登場した装甲車と、周りに規律正しく立つ陸自隊員との共演は、なかなかできない体験でした。
自衛隊との共演は貴重で素晴らしい経験だと思う
自衛隊には『空母いぶき』撮影時もお世話になりました。そのときにF−15の飛行訓練に同乗して体重の約7倍の重力も体験し、パイロットの方にお話も伺ったのですが、僕からすると「不可能に近い」と思えるような大変な訓練を日々されていました。災害も含めさまざまなことから国を守るため、隊員が過酷な任務に就いていることを改めて感じました。
『空母いぶき』では空自と海自の隊員にお話を聞くことができ、『シン・ウルトラマン』では陸自隊員とも共演できました。陸・海・空各自衛隊の隊員と映画撮影でご一緒できたのは貴重な機会で、個人的に素晴らしい経験をさせていただいたと思っています。
【西島秀俊】
1971年東京都生まれ。94年、映画『居酒屋ゆうれい』(東宝)で映画初出演。以降、多くの映画やテレビドラマなどで活躍。主な出演作に『八重の桜』(13年NHK)、『きのう何食べた?』(19年テレビ東京系)、『名探偵ピカチュウ(声の出演)』(19年ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ)、『空母いぶき』(19年キノフィルムズ)など。21年、主演を務めた『ドライブ・マイ・カー』(配給:ビターズ・エンド)は第94回アカデミー賞国際長編映画賞を受賞
(MAMOR2022年7月号)
<文/古里学 イラスト/田島康樹>
※MAMOR5月20日発売号の特集「シン・ウルトラマンと新しい自衛隊の描かれ方」より