行きたいときに、行きたい所へ、自由に旅をすることがしにくい時代です。そこで、マモルでは、仮想旅行のガイドブックを用意しました。もしも、の旅先は、一般人にはなかなか行けない場所。まさに“秘境中の秘境”です。乗り物はあなたの想像力、さあ出発です!
鳥取より広い砂丘は自衛隊施設だった!?“下北試験場”
日本最大級の砂丘がどこにあるかご存じでしょうか? 鳥取砂丘が有名ですが、青森県の猿ケ森砂丘も最大級です。ここには、実弾の弾道試験などが行われる自衛隊の下北試験場があります。仮想ツアーで、下北試験場での実験・試験を見学したい!
このツアーのキーワード
・実験Show!
・雄大な砂丘
・ヒバ埋没林
日本最大級の砂丘にある防衛装備の実験・試験場
青森県下北郡にある下北試験場。広大な猿ケ森砂丘の大部分が敷地で防衛装備庁が火器・弾薬類の弾道性能に関する試験などを実施している場所。年間200日以上、実弾射撃試験などが行われており、最近では19式装輪自走155ミリりゅう弾砲もここでさまざまな実射試験を経て装備化されている。
この猿ケ森砂丘は、約5000年前に太平洋から運ばれてきた砂が堆積して形成されたものといわれている。観光地として立ち入れる砂丘は鳥取砂丘が最大だが、民間人の入れない砂丘を含めると猿ケ森砂丘が最大級なのだ。一見すると砂しかないこの場所も、仮想ツアーで見学すれば日本の防衛のために重要な場所だと分かるだろう。
下北試験場ってどんなところ?
約3000ヘクタールにもおよぶ広大な砂丘に設けられた下北試験場。夏季は湿度が低く比較的過ごしやすい反面、冬季は降雪期間が長く、平均気温が氷点下になることもある。
下北試験場ツアーの見どころを紹介!
火砲の性能を試す実験Show!!
広大な砂丘を生かしてレールを設置し、誘導弾の弾頭・信管の性能を確認するための威力試験を行う。
火器・弾薬類の弾道性能試験などを行っている。戦車の射撃試験などは、YouTube「下北試験場で行う試験」でも公開されているので、こちらも見ておこう。
雄大な砂丘に広大な設備
広大な砂丘の中に試験用の設備が点在している。写真左の建物は、弾薬が落下した際の安全性などを試験する落下試験塔。
「下北試験場の敷地は、南北に約13.5キロメートル。そのほとんどが砂丘です。サハラ砂漠にいる気分です」(渡辺大郎2等陸尉)
紀元前から存在するヒバ埋没林
試験場の近くには、たくさんのヒバの木が立ち枯れたまま埋まり、それが地表に露出した「ヒバ埋没林」という珍しい風景も見られる。
<文/臼井総理>
(MAMOR2021年12月号)