•  東京オリンピックで過去最多となる5個のメダル(金3、銀1、銅1)を獲得した自衛隊体育学校。そこで用いられているプログラムが『自宅で簡単!自衛隊式エクササイズ』(扶桑社刊)として本になった。

    『自宅で簡単! 自衛隊式エクササイズ』 表紙

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     本記事では5回にわたって、基礎となるトレーニングを本書から紹介する。

     第1回は「準備編」。準備運動というとこれから行う運動の肩慣らし程度に考えていることが多い。しかし、準備運動は、筋肉やそのほかの組織を温めて動きやすくすることで、けがのリスクを軽減させるのが目的なのだ。これなしでは、体に負担がかかってしまう。

     また、軽度の準備運動をすることで、脳にこれから運動を開始するという合図を送ることにもなり、運動効果のアップが期待できるのだ。

     ただし、準備運動も運動のうちなので、過度は禁物。体がほんのりと温まるくらいの強度で行う。また、全ての運動に準備運動が必要かというとそうでもない。日常生活でしている動きの延長ともいえるウオーキングや軽いジョギングは準備運動なしで始めて、徐々に強度を強くしていけばいいのだ。

     ここにあげた準備編は準備運動の側面もあるが、エクササイズとしての筋力アップの効果も期待できる。

    肩甲骨・背中のストレッチ

     上半身、肩周りの筋肉と関節をほぐすのが目的。上半身の中でも重要度の高い肩甲骨付近の関節は、毎日しっかりとケアすることが大切だ。

    画像: 肩甲骨・背中のストレッチ

    やり方

    10~20秒キープ×2セット

    1:両脚を肩幅に開いて立ち、両腕をまっすぐ腕の前に出して組む。視線は正面に向ける。

    2:肩甲骨が左右に開くように意識して、腕を前に出して静止する。

     手のひらは内側を向いた状態で。手を誰かに引っ張られているイメージ。

    股関節のストレッチ

     準備編のストレッチ の一部でもあり、下半身を鍛える運動にもなる。背筋を真っすぐ伸ばすことで、体幹が鍛えられる。

    画像: 股関節のストレッチ

    やり方

    10~20秒キープ×2セット

    1:腰付近に手を当てて、やや広めに脚を広げて立つ。視線は正面に。

    2:つま先と同じ方向に膝を曲げ、腰を落とす。

    このとき、骨盤を立てたままの姿勢が重要なので、前のめりにならないように注意。

    体側のストレッチ

     腕を伸ばして横に曲げる運動。腰から腕の横側にある広背筋を伸ばすことで、上半身はもちろん、下半身のリラックスにもなる。

    画像: 体側のストレッチ

    やり方

    10~20秒キープ×20セット(左右)

    1:両脚を肩 幅程度に開いて立ち、両手を頭の上に上げる。片腕の手首をもう片腕の手で軽く持つ。

    2:つかんだ手の側に上体を横に曲げて静止する。肘を伸ばしたまま、体を真横に曲げる。伸ばした腕が耳に触れるように横に曲げること。腕が顔の前に来るのはNG。

     今回のメニューは以上。次回は「体幹編」だ。

    自衛隊体育学校とは?

    「部隊等における体育指導者の育成」、「オリンピック等国際級選手の育成」、「体育に関する調査研究」を目的として創設され、創設当初からアスリートの育成を行っていて、多くのオリンピアンなどの選手を生み出している。

     ここでは、最新鋭の分析機器を使いアスリートをバックアップしつつ、一般隊員へと研究成果を還元している。つまり自衛隊員が効率よく体力と筋力を鍛えられるトレーニング法の研究がなされているのだ。

    『自宅で簡単!自衛隊式エクササイズ』では、そこで生まれた「自衛隊メソッド」の中から、私たちにも応用できる方法を紹介。自衛官のような引き締まったカラダを手に入れよう!

    自宅で簡単!自衛隊式エクササイズ

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