•  第一線救護衛生員とは、准看護師と救急救命士の資格を持つ衛生員(医療に関する任務を行う隊員)で、有事の際に陸上や洋上、航空機内などで銃撃や爆発などで隊員が負傷したといった特殊な条件下で、医師に代わり緊急救命行為を行うことが主な任務だ。今回はそんな第一線救護衛生員の任務をマンガで解説。

    (注)このマンガは取材に基づくフィクションです。登場する護衛艦や隊員の名前は架空のものです。医療の専門用語は分かりやすい表現に変更しています

    有事に隊員の命をつなぐ、第一線救護衛生員とは

    画像1: 有事に隊員の命をつなぐ、第一線救護衛生員とは
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     第一線救護衛生員に法令で認められている緊急救命行為は、①外科的気道確保(気管を切開し気道を確保する)、②肺への胸腔穿刺(気胸により縮んだ肺と胸壁の間の空間に針を挿し呼吸状態の改善を行う)、③大量出血に対する骨髄路などからの輸液投与、④鎮痛剤投与、⑤感染症予防のための抗生剤投与の5つ。第一線救護衛生員は専門教育を受け自衛隊内の認定試験に合格した隊員に付与される。

    隊員の命をつなぐ第一線救護衛生員の装備

     衛生員が緊急救命行為で使用する道具と、身に着ける装備の一部を紹介しよう。

     顔には負傷者の血液や体液などによる感染から目や口を守るゴーグル・マスクを着用。また、甲板などで膝を付く姿勢で治療に当たることが多いために膝当てを着用する。

    画像1: 隊員の命をつなぐ第一線救護衛生員の装備

     ウエストポーチには胸腔穿刺で使用する針や止血帯など緊急救命行為に必要な用具を入れる。

     胸部を負傷し穴が開いた際などに負傷部に貼る大きなばんそうこうのようなチェストシール。

    画像2: 隊員の命をつなぐ第一線救護衛生員の装備

     胸腔穿刺で使用する針の入ったケース。約8センチメートルの針が入っている。

    画像3: 隊員の命をつなぐ第一線救護衛生員の装備

     救命用の止血帯。患部に巻き、ハンドルを締めて止血を行う。

    画像4: 隊員の命をつなぐ第一線救護衛生員の装備

     右より、喉を切開してチューブを挿入する際に切開部を広げるため使用するペアン、切開などに使用するスライド式のメス、気道確保する際に使用するチューブ、チューブにつなぐ補助器具。

    【清澄炯一(きよすみけいいち)氏】
     山口県出身、埼玉県在住。代表作『めしあげ!!~明治陸軍糧食物語~』全5巻
    (KADOKAWA刊)。現在、日本文芸社週刊漫画ゴラクにて、『戦野の一服』隔月連載中

    (MAMOR2021年8月号)

    <文/古里学 写真/村上由美>

    第一線救護衛生員の育て方

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