近年、自衛隊と諸外国との共同訓練が増えている。その中から、2025年に行われた陸上自衛隊と米海兵隊との実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25」をレポート。
訓練に参加した自衛官に、自衛隊単独の訓練と何が違い、どんな知見が得られ、どんな意義を感じたのか聞いてみた。
初登場のミサイルシステムも。島しょ防衛を想定した大規模訓練

アメリカ海兵隊による対戦車火器の射撃訓練
陸上自衛隊とアメリカ海兵隊の連携強化を図る国内最大規模の共同訓練「レゾリュート・ドラゴン」は、訓練開始当初は北海道や東北の演習場などで実施されていたが、23年からは南西諸島にも展開。

アメリカ海兵隊による小火器および対戦車火器の射撃訓練
5回目となる25年は、島しょ防衛を想定して北海道、山口県、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県などを舞台に自衛隊とアメリカ軍合わせて2万人近い隊員が参加する過去最大のものとなった。

陸自のV-22による物資輸送訓練を見守るアメリカ海兵隊の隊員たち
日本側は陸自をはじめ、海上自衛隊、航空自衛隊も参加。一方アメリカ軍は海兵隊に陸・海・空各軍が加わり、各地で射撃訓練や兵たん訓練、民間船などを使用した輸送・救護訓練、さらに島しょ部防衛を想定し、上陸しようと近づく敵艦、敵兵に対する戦闘訓練を行った。

アメリカ軍の隊員と車両エンジン整備の共同訓練を行う、目達原駐屯地(佐賀県)九州補給処の陸自隊員たち
また、アメリカ軍が保有する新型の中距離ミサイル発射システムが日本で初展開され、陸自の12式地対艦誘導弾とともに対艦・対空戦闘訓練も行われた。
訓練DATA(2025年)
●訓練開始年/2021年
●直近実施日/2025年9月11~25日
●実施場所/北海道、山口県、九州各県、沖縄県など
●参加国/日本、アメリカ
●自衛隊の参加部隊・人数/陸自西部方面隊、陸上総隊など約1万4000人
規格の違いを理解して整備。訓練後には一緒に筋トレも

【九州補給処/河野3等陸佐】
今回の共同訓練では、整備隊長として参加し、アメリカ海兵隊の整備工場や器材などを活用した各種装備品の整備や、3Dプリンターを使った応急部品の作製などを行いました。
日本とアメリカの整備要領を共有し、お互いの能力を高めることが抑止力や連携の強化、共同対処能力の向上につながるのですが、火器や通信器材の構造・整備要領、特性の違いなどについて共有した情報や、訓練内容を理解するための言語能力の必要性、そしてイメージ図作成の難しさを強く感じました。
訓練終了後に一緒に体力トレーニングを行ったのも良い思い出です。
整備の要領だけでなく、学んだ自己主張の大切さ

【九州補給処/木戸川3等陸曹】
野外用通信器材のアンテナを整備する通信整備員として共同訓練に参加しました。
装備品の違いや整備要領などの違いだけでなく、アメリカ人は自分の意見や意思をはっきりと口にするので、訓練序盤ではなかなか意思の疎通が図れずぎこちない感じでしたが、訓練を重ねるうちにプライベートの話をしたり、一緒に体力錬成や食事をしたりするほど打ち解けることができました。
訓練終盤に、海兵隊が普段行っている整備を実際に教えてもらえたのが印象的でしたね。
訓練を通して、自分の考えを明確に表現することの大切さを学んだ気がします。
(MAMOR2026年1月号)
<文/古里 学 写真提供/防衛省>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです
