•  自衛官や事務官が出演して自衛隊の仕事や隊員たちの日常の様子について語るラジオ番組が日本各地でオンエアされている。その1つが、間もなく放送20周年を迎える「自衛TIMES静岡」だ。

     番組はどのように作られ、放送されているのか?

    静岡地本の隊員が多岐にわたる話題をトーク「自衛TIMES静岡」(S-Wave)

    この日出演した3人の隊員と2人の事務官、そしてパーソナリティーのスナオ氏。収録後なので、達成感からなのかみんなニッコリ笑顔だ

    放送時間/毎週月曜日12:15~12:25、毎週木曜日7:45~7:55(再)

    放送局/S-Wave

    周波数/FM76.9MHz

    放送開始年/2008年
     
    放送内容/自衛隊に関連する採用情報、イベント情報、静岡に赴任した新任自衛官や事務官、自衛隊の業務内容を紹介

    パーソナリティー/スナオマサカズ氏 出演部隊/静岡地方協力本部

    自衛官の素顔がうかがえる毎週放送される長寿番組

    画像: 収録時間に集まる隊員ら。皆やや緊張した面持ちでスタジオ入りしていた

    収録時間に集まる隊員ら。皆やや緊張した面持ちでスタジオ入りしていた

     2008年に始まり、間もなく放送20周年を迎えるS-Waveの長寿広報番組『自衛TIMES静岡』。その収録は毎月1回、静岡地方協力本部の隊員が静岡市内にあるスタジオに集合して、1カ月分の収録を、1日で行う。

    画像: 録音ブースの横の控室で自分の出番を待つ。最初は静かだが、収録が進むうちに和やかな雰囲気に

    録音ブースの横の控室で自分の出番を待つ。最初は静かだが、収録が進むうちに和やかな雰囲気に

     隊員はあらかじめ、その日、リスナーに伝えたい情報を書いた原稿を作成し、地本内部で確認して持参する。

     話の内容、テーマは基本的に出演する隊員が決めるが、ともすれば1200を「ヒトフタマルマル」といった自衛隊用語で語ってしまいかねないので、「艦艇」を「船」に言い換えるなど、一般の人が聞いても理解できるよう使う言葉には注意して原稿を書くようにしているそうだ。

     収録は放送日ごとに分かれて1人ずつ隊員がスタジオの録音ブースに入って行われる。中には過去に何回か出演した隊員もいるが、みんな緊張した様子は隠せない。

    画像: あらかじめ用意した原稿をスナオ氏と確認する隊員。収録では棒読みにならないよう気を付けるという

    あらかじめ用意した原稿をスナオ氏と確認する隊員。収録では棒読みにならないよう気を付けるという

    まずは司会・進行を務める番組パーソナリティーのスナオマサカズ氏と、持参した原稿を基に打ち合わせ。

     このときスナオ氏は、「できるだけ皆さんの緊張がほぐれるよう、雑談を交えています。本番では生のリアクションがほしいので、あまり細かい内容や段取りまで話し合うのではなく、収録前のアイドリングになるようにしています」と気を配るそうだ。

    画像: スナオ氏の軽妙な問いかけに、徐々に口がほぐれてくる隊員。トークを途切れさせない収録はさすがプロだ

    スナオ氏の軽妙な問いかけに、徐々に口がほぐれてくる隊員。トークを途切れさせない収録はさすがプロだ

     そしていよいよ収録スタート。広報番組とはいえ、自衛隊のイベント情報や募集告知ばかりだと堅くなってしまうので、隊員個人の魅力が伝わるよう、休日の過ごし方などのプライベートな話題やローカルなネタを振ってトークを盛り上げる。サッカー王国・静岡という土地柄、Jリーグのひいきチームの話になることも多いそうだ。

     最後に隊員がその日に伝えるべき情報を紹介して番組を締めくくる。10分の番組だが、話の内容は多岐にわたり、隊員のおしゃべりの中から、一般の人からはなかなかうかがうことのできない自衛官の親しみやすい素顔が垣間見えてくるのが番組が長く続いている魅力だろう。

    出演隊員の声

    募集課募集係にて採用試験や入隊に関する業務を行う山崎2曹。職種施設科

     2回目の出演という山崎2等陸曹。「やはり緊張しましたが、前回よりはうまく話せたと思います。パーソナリティーの方が原稿の内容以外のことにも話しを広げてくれて助かっています」。

    三島募集案内所にて、副所長兼広報官として自衛官の募集を行う佐藤曹長。職種は普通科

     広報官を希望していた佐藤陸曹長。パーソナリティーが話を引き出す技術は、自分の仕事にも役立っているという。「相手が何を求めているのかを察知して話をするようになりました」。

    三島募集案内所で勤務し、伊豆の国市、伊豆市の地域を担当する平良3曹。職域は機関科

    「原稿の読むところを間違えてしまい、パニックになりました」と録音ブースから出てきた平良3等海曹。過去の出演時には、担当地域の学校の先生から放送を聴いたと言われたそうだ。

    総務課長を務める横山事務官。静岡地本の補給管理や人事・会計などの業務を担当している

     横山防衛事務官は今回が初出演という。本人いわく「めちゃめちゃ緊張しました。限られた時間の中で、言いたいことを相手にちゃんと伝えるということは、やはり難しいですね」。

    総務課で会計班長を務める鈴木事務官。公共料金などの支払いや契約など、会計業務を総括

     初めての出演だが、入念に準備を行い、言いたいことは言えたと語る鈴木防衛事務官。「防衛省・自衛隊には自衛官だけでなく事務官もいることを知ってもらえたらうれしいです」。

    隊員の印象は? スナオマサカズ氏にインタビュー

    スナオマサカズ氏 1976年、群馬県出身。静岡を中心に東海、首都圏で活躍する声優、ナレーター、ラジオ・パーソナリティー。Jリーグの中継やラジオ、テレビの実況、リポーターなど幅広く活躍している

     この番組のパーソナリティーになって2年になるというスナオ氏。その間に何十人もの自衛官と話して、「最初はやはり厳しくてまじめな自衛官というイメージを持っていましたが、直接お会いしてみるとみんなわれわれと同じだなというのが率直な感想です」とその印象を語る。

    シャイな人もいるし緊張してカチカチの人もいるが、家族や趣味の話題になるとみんな熱心に話すのはほかのゲストと変わらないそうだ。

    「ただ仕事に対するプライド、自信、責任感というのは、普通の人よりも強く感じられますね。やはり国防とか災害派遣などの任務に就いていて、背負っているものが会社単位でなく国単位だからかなと思います」とこれまでの放送を振り返って語った。

    (MAMOR2025年12月号)

    <文/古里学 写真/増元幸司 写真提供/防衛省>

    自衛隊ラジオ

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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