•  大晦日の夜、家族との団らんや年越しイベントなど、プライベートな時間を楽しむ人は多い。では、間断なく日本を守っている自衛隊はこの時間、どのような任務に就いているのだろうか?

     12月31日23:30の海上自衛隊各部隊の現場の様子を紹介する(この記事における1日の様子は、大晦日だけではなく絶え間なく国防の任に就く自衛隊を表現するためのイメージです。紹介する活動は特定された時間においてのものではありません)。

    夜の海で目を光らせる、護衛艦のワッチ(護衛艦『まや』)

    画像: 夜の海で目を光らせる、護衛艦のワッチ(護衛艦『まや』)

     わが国の領海に侵入しようとする不審船などの捜索や対処を行うのは海上自衛隊の艦艇だ。

     広大な海上を警戒するため、護衛艦では昼夜を問わず任務が続いており、特に夜間は艦橋を中心に緊張が高まる。

     艦橋では航海指揮官(注1)や航海科員などがワッチと呼ばれる時間ごとの交代勤務で見張りに立ち、周囲の船舶や海況を絶えず監視する。

     視界が限られる夜は、レーダーや他船の航海灯などを頼りに慎重な操艦が求められ、自艦の存在を悟られないように、外に光を漏らさないようにしなければならない。

    「目を慣れさせるために当直の30分以上前には起きて待機しています」と乗員は語る。

     護衛艦もまた、海上防衛の最前線で任務にあたり続けている。

    (注1)艦長の指揮の下、艦の運航を行う、経験と資格を持つ隊員のこと

    夜の海を監視する哨戒ヘリコプター(哨戒ヘリコプター)

    画像: 夜の海を監視する哨戒ヘリコプター(哨戒ヘリコプター)

     夜の海上では、海上自衛隊のヘリコプターもまた警戒任務を続けている。

     護衛艦に搭載される哨戒ヘリコプターは、日没後も洋上の監視や潜水艦の捜索にあたることがあり、暗闇での発着艦は高度な技量と艦との緊密な連携が欠かせない作業だ。

     夜間は視界が悪く、海と空の境界が見えにくくなる上、洋上の艦艇は常に揺れ続けている。

     パイロットは計器飛行を基本に慎重に接近し、艦側は最低限の灯火で誘導を行う。風向やうねりも刻々と変わるため、着艦のタイミングを合わせること自体が難しい。

     ヘリの揚収や整備を担う隊員は、「視界が悪い夜間は、昼間以上に整備員間のコミュニケーションを密にしています」と話す。

     艦とヘリが一体となる“見えない夜の任務”によって、海上の平和が守られている。

    人知れず海中で動く海の忍者たち(潜水艦『いそしお』)

    画像: 人知れず海中で動く海の忍者たち(潜水艦『いそしお』)

    「海の忍者」といわれる潜水艦の任務は、海中から領海を警戒・監視、敵の潜水艦や水上艦艇の対処も行い、その活動は高い秘匿性に守られている。

     任務の性格上、潜水艦は365日24時間休むことがない。そのため乗組員は交代で昼夜分かたず任務にあたる。

    「潜水艦では、6時間ごとに交代する『6時間ワッチ』など、勤務時間は区切られているが、オンとオフの時間が日に日にずれていくので、時間感覚が狂っていくのが大変ですね」と、潜水艦で任務にあたる隊員はその苦労を語った。

    (MAMOR2026年2月号)

    <文/古里学>

    国防は眠らない

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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