自衛隊の各部隊にあるロゴマークには、部隊の存在を内外に示す役割や、隊員同士の結束を強める役割がある。
日々任務に励む隊員たちは、ロゴマークに対してどのような思いを抱いているのだろうか?
今回は海上自衛隊・航空自衛隊のさまざまな部隊で働く隊員たちに話を伺った。
第24航空隊(海上自衛隊)
源義経をモチーフにしたよろい武者と鳴門海峡の力強い荒波と渦潮を組み合わせたデザイン。「敵を影のように追跡する」という意味が込められている
地域ゆかりの源義経が由来
「ロゴマークにある『SHADOW』は、本隊が使用するコールサイン(航空機で交信する際の呼び出し名)です」と話す松久保3佐
SH-60Kを保有・運用し、日本の周辺海域の警戒監視を行うなど、防衛任務にあたる第24航空隊は小松島航空基地(徳島県)に所在する。

哨戒ヘリコプターSH-60Kを運用する第24航空隊。部隊の応援旗などにロゴマークが使用されている
同部隊の松久保3等海佐は、「2015年に創隊50周年を記念して作られたロゴマークです。搭乗員の腕につけられたロゴマークを見ると、源義経のように知勇を兼ね備え、いかなる荒波、困難にも打ち勝ち、狙った獲物は逃さぬ気概をもって任務を完遂しようという気持ちにさせられます」と話す。
水陸両用戦・機雷戦戦術支援隊(海上自衛隊)
4つに区切ったエリアの左(青)は『海』を、右(緑)は『陸』を表し、中央で交差する矢印は『航路・進路・水際』をイメージ、下部には機雷を配している
隊員の誇りと決意の象徴
「このロゴマークに、多くの方が親しみを感じていただければうれしいですね」と話す今満海曹長
水陸両用戦と機雷戦に関する戦術支援や調査研究、その訓練指導や教育などを行う、水陸両用戦 ・機雷戦戦術支援隊。

機雷戦や水陸両用戦を実施する部隊に対して、艦艇の実施する作戦の戦術支援などを行う。写真は、機雷処理装置の教育や練度維持に必要な教育を行う隊員ら
横須賀地区(神奈川県)に所在する同部隊のロゴマークは、2020年に部隊が新編された際、隊員から募集したデザインの中から決定。
同部隊の今満海曹長は「当隊の任務をシンプルかつ的確に捉えたこのロゴマークは、所属隊員の誇りであり、任務への決意の象徴だと思います」とその思いを語った。
第33警戒隊(航空自衛隊)
ロゴマークは、目標の距離や方位を測定するレーダースコープの中央に、地元の男鹿半島のシンボルである『なまはげ』を配置したデザイン
伝統なまはげで強い意志を表現
有志隊員で構成される「なまはげ太鼓部」が太鼓を演舞する際にPRする「のぼり旗」に活用されていると話す秋山准尉
警戒管制レーダーを運用し、領空侵犯の恐れのある他国の航空機や弾道ミサイルへの対処を任務とする、第33警戒隊。

第33警戒隊の所在する加茂分屯基地(秋田県)。男鹿市内からでも分屯基地を遠望できる
同部隊の秋山准空尉は、「なまはげの手には包丁ではなく、警戒監視の武器となる電波を振りかざしており、『近づく敵あれば、ただちに粉砕するぞ!』という強い意志を示しています。
見るたびに、われわれもその一員であると再認識させられる、隊員の団結を感じさせるロゴマークです」と話してくれた。
第18高射隊(航空自衛隊)
ハブと地元の行事を図案化
同部隊で警備を担当し犬舎係として働く西岡2曹。「私の担当する警備犬『シンディー』は花嫁修業を終え絶賛恋人募集中です」と話す
侵攻する弾道ミサイルなどの脅威に、ペトリオットで対処する第18高射隊。

第18高射隊は「人に優しく任務に厳しく」という隊長指導方針の下、日々訓練に勤しんでいる。写真はペトリオット器材へのリロード訓練を行う隊員
「荒波にも屈せずに団結力で立ち向かうたくましさを、地元の行事『与那原大綱曳』の綱がマークを取り囲むデザインで表現しています」と、同部隊の西岡2等空曹は話す。
「われわれにもっと興味を持ってほしい、誰かを喜ばせたい、という意図から生まれたロゴマークなので、その気持ちを忘れずに任務を続けていきたい」と熱く語ってくれた。
航空救難団救難教育隊(航空自衛隊)
将来活躍する学生を金の卵に見立て、航空自衛隊を象徴するワシが救難を行っている様子を表現したロゴマーク
教育と救助活動の心構えを表現
池田3佐は、「隊員用のワッペンだけでなく、ブリーフィング用の資料などにも使用されています」と言う
航空自衛隊小牧基地(愛知県)にてUH−60Jに搭乗する操縦士や機上整備員、救難員の教育を実施する救難教育隊。

寒冷期の山間部で救難訓練を行う救難教育隊の隊員ら。救難教育隊では、いかなる過酷な現場でも要救助者を救出できる乗組員を育成している
同部隊の総括係幹部・池田3等空佐は、「当部隊をモデルにしたTVドラマで目にしたことがあるかもしれませんが、任務である教育を行うとともに、救助活動や災害派遣などに即時出動する隊員の心構えを表現しています。部隊への帰属意識を高揚させることができています」と話してくれた。
(MAMOR2025年7月号)
<文/魚本拓>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです










