•  自衛隊には、部隊の精強さを表現し、隊員の士気を高めるためのロゴマーク(シンボルマークもロゴマークに含める)がある。

     どれが一番カッコいいか? 編集部が数えただけでも、軽く200個を超える中から、マモルが選出した審査委員・宮澤正憲さんが選んだロゴマークを、「自衛隊ロゴマーク大賞」の「宮澤賞」として紹介する。

    【宮澤正憲】
    1966年、東京都出身。東京大学文学部心理学科卒業後、広告会社でブランディング業務に従事。現在、東京大学教養学部にて特任教授を務め、ブランド発想プログラム「ブランドデザインスタジオ」を運営中。著書に『東大教養学部が教える考える力の鍛え方』(SB新書)など

    <宮澤賞・総合部門大賞> 飛行開発実験団(航空自衛隊)

    受賞した飛行開発実験団は、どんな部隊?

    航空機やミサイルなどの航空装備品に対する試験などを実施する航空自衛隊唯一の部隊。各種装備品が任務に適したものかを確認する試験や評価のほか、試験飛行操縦士(テストパイロット)や技術幹部の教育も行っている

    論評:シンプルなデザインながらも部隊の特性が表現されている

     優れたロゴマークには、装飾を抑えたシンプルさと、高い識別性の両立が求められます。シンプルでありながら空を想起させる青一色の構成で部隊を的確に表現している点が魅力です。

    部隊コメント

     広報担当の末永3曹です。ロゴマークは「衝撃波と衛星軌道」をイメージしてデザインされました。創設70周年を迎えるので、多くの方に親しまれる存在を目指していきます!

    <宮澤賞・伝統・芸術部門大賞> 練習艦隊(海上自衛隊)

    受賞した練習艦隊は、どんな部隊?

    海上自衛隊の船乗りを養成するための教育を行う部隊。呉基地(広島県)に司令部があり、教育用の艦艇を用いて、操艦や各種武器の使用など、隊員に対して任務に必要な知識や技能を教えている

    論評:日本の伝統美と挑戦を表現した海のロゴマーク

     葛飾北斎の名作を用いることで、日本の伝統に裏付けられた、海を舞台とする部隊であることを伝えるとともに、荒波と富士山が訓練の困難や挑戦をも同時に伝えているところが、秀逸です。また、外円の浮き輪モチーフも、海の部隊としての特性やイメージを的確に表現できていると感じます。

    <宮澤賞・未来感表現部門大賞> 宇宙作戦群(航空自衛隊)

    受賞した宇宙作戦群は、どんな部隊?

    2022年3月に府中基地(東京都)に新編された部隊。国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)や他国軍と連携し、宇宙空間や人工衛星の監視、状況把握を任務とす

    論評:宇宙への飛躍を直感で伝える先進デザイン

     軌道や衛星を連想させる図形を中心に描いたデザインで、従来の航空自衛隊とは異なった任務を行う部隊であることを直感的にわかりやすく伝えています。

     色使いも黒・青・シルバー系の配色により、宇宙をテーマにした部隊であるという明確なコンセプトと、先進的で洗練された印象を与えていると思います。

    (MAMOR2025年7月号)

    <文/魚本拓>

    自衛隊ロゴマークに着目!

    ※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

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