海上自衛隊小月航空基地がある山口県下関市は、本州最西端に位置し、関門海峡を挟んで九州と向かい合う海峡都市です。明治維新の志士を多く輩出し、歴史をにぎわせた舞台としても有名。
「フグ、ウニ、クジラ、アンコウ、イカ」が水産物5大ブランドに挙げられています。海自の教育航空集団の1つ、小月教育航空群は、将来、第一線で活躍するパイロットあるいは戦術航空士を目指す若い隊員(航空学生など)に専門知識や技能の教育を行っています。
所在部隊は小月教育航空隊、201教育航空隊、201整備補給隊、小月航空基地隊の4つ。フライトシミュレーターはもちろん、201教育航空隊所有のT-5練習機は当基地のみで運用されています。
今回紹介する料理は2019年に開発された「小月鯨撃カレー」。月1回の金曜日に提供されています。
使用する食材にはT−5練習機にちなみ、5つの意味があるとか。
1:こしあん=邪気を払うとされる小豆で航空安全を祈願、2:ダイコン=語源(大きな根を張る)から、航空学生が基礎の根を張れるように祈念、3:クジラ肉=潜水艦(鉄の鯨)捜索を行う任務に就く場合の安全祈願と、4:商業捕鯨再開(19年7月〜)による、下関産クジラ肉の流通、発展の祈念、5:サトイモ=株の中心が親株、その周りに子株ができることから教官から学生への伝統の継承を祈念。
さらに「磯の香のブラックソース」はのりで海洋資源の豊かさ、ラー油で海の厳しさを表現。まさに愛情たっぷり、特別なカレーです。
材料(2人前)
※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました
クジラ肉(赤肉や胸肉など)(冷凍・自然解凍し、食べやすく切る):100g
サラダ油:大さじ1/2
ショウガ(1/2はみじん切り、残りはすりおろす):1かけ
<A>
アサリむき身:40g
むきエビ:40g
イカの輪切り:40g
<B>
ダイコン(いちょう切り):60g
ニンジン(乱切り):40g
サトイモ(乱切り):1個
タマネギ(さいの目切り):1/2個
水:11/2〜13/4カップ
<C>
チャツネ大さじ1/2
ガラムマサラ、ナツメグ、クミンパウダー各少々
フレーク状のカレールウ:40g
<D>
しょうゆ、こしあん:各小さじ1
バター:10g
ご飯:丼2杯分
[磯の香のブラックソース]
小さめのボウルに味付き岩のり10g、青のり小さじ1/2、ラー油適量を入れてよく混ぜる
作り方
1:クジラ肉は流水にさらし、水からゆでて沸騰したらザルに上げ、流水で洗って臭みを除く。
2:深めのフライパンにサラダ油とショウガのみじん切りを熱し、香りが出たらAを入れてさっと炒め、取り出す。
3:2のフライパンをペーパータオルなどでさっとふき、サラダ油少し(分量外)とBを入れて炒める。全体に油がまわったら水を加えて中火弱で煮、火が通ったら、Cの調味料を加えて混ぜる。
4:1度火を止め、カレールウを入れ、鍋の底から混ぜて再び火にかけ、おろしショウガと1、2を加えてさっと煮る。
5:Dで味を調え、仕上げにバターを加える。
6:器にご飯を盛り、5をかける。磯の香のブラックソースを添え、好みでかけて食べる。
<調理/樋口秀子 文/富田純子 料理撮影/山川修一(扶桑社) 写真提供/防衛省>
(MAMOR2020年8月号)
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです