陸上自衛隊の北海道真駒内駐屯地の食堂メシ・「日本新三大夜景藻岩山ラーメン」をご紹介。トッピングの盛り付け方で駐屯地から望める藻岩山を表現した壮大なスケールとロマンを感じさせる1品です。
この味を自宅で再現できるように、あわせてレシピも掲載します。
陸上自衛隊 真駒内駐屯地

駐屯地内のシンボルとして親しまれている「サイロ隊舎」。この場所が北海道庁種畜場だった1937年に、乳牛試験舎として建築された施設が今も残っているのだ
陸上自衛隊真駒内駐屯地は、北海道の行政、文化、経済の中心地である札幌市内にあります。この地域は1876年に放牛場として開発が始まり、道内の畜産行政の核となって発展してきました。第2次世界大戦後のアメリカ軍駐留期間を経て、1954年に開庁。駐屯地としては全国で3番目に広い敷地面積を誇ります。
第11旅団をはじめ、北部方面隊直轄部隊、防衛大臣直轄部隊および機関があり、第11特科隊、第18普通科連隊、第11音楽隊など27もの部隊が所在しています。
地元の魅力を一皿に!「陸自飯グランプリ」を獲得したメニュー

今回紹介する「日本新三大夜景藻岩山ラーメン」は、「陸自飯グランプリ」にエントリーするために誕生したメニューだそうです。
札幌といえばラーメン、陸自といえば山。せっかくなら当駐屯地から望める標高531メートルの藻岩山を表現できないかと考えた末、トッピングのモヤシとキャベツを高さ5センチメートルくらいにこんもりと盛り、味付けしたチャーシューで囲んで藻岩山に見立てました。
この藻岩山や大倉山などから大都市の夜景が楽しめるため、札幌市は2015年から3回連続日本新三大夜景に選ばれたそう。それを料理名にも取り入れ、結果、見事グランプリを獲得!
隊員食堂では豚骨スープにカツオ節系スープを加えてコクをプラスし、時季によっては甘みの強い北海道産トウモロコシを使用。見た目はボリューミーですが、野菜が多めなので、ペロリとたいらげ、「よーし、午後もがんばるぞ!」と言いながら食堂を後にする隊員が多いのもうなずけます。
豚骨スープにモチモチの麺で大満足の食べ応え

毎年春に、約300人の新隊員を受け入れるので、活気あふれる食堂なのだとか。若い隊員に喜ばれる献立を意識して提供しているそう
「大判の焼豚3枚と大盛り野菜が豚骨スープにマッチして、ペロッといけちゃいます。麺もモチモチしていて最高!」【3曹/男性 20代】
「初めてこのラーメンを見たときのインパクトがすごかったです。そして期待を裏切らず、大満足の食べ応えでした」【1士/女性 10代】
「スープがしつこくなく、食べやすいです。豚背油、刻みニンニクは、自分で量を調整できるので、味変できるのがいい!」【2曹/男性 30代】
行事や季節感を大切にした献立を提供
【陸上自衛隊 真駒内駐屯地 業務隊補給科糧食班 管理栄養士 坂田防衛技官】
札幌市出身で、1986年に入隊しました。北千歳駐屯地、東千歳駐屯地など大規模駐屯地と呼ばれるところで勤務し、当駐屯地に赴任して6年目になります。
こちらも2カ所に食堂があり、各食堂1食500人の隊員が利用するため、ずっと大量調理の献立作成に追われています。安全でおいしい給食をモットーに、行事や季節感を重視した献立を心がけています。今回紹介するラーメンは試行錯誤を繰り返して完成させました。
定年まであと2年、これまでの勤務経験を生かし、笑顔と活気があふれる料理献立を作成し続けたいですね。
「日本新三大夜景藻岩山ラーメン」のレシピを紹介!

※隊員食堂で作られているレシピをもとに編集部で家庭向けにアレンジしました
<材料>(2人分)
中華麺(あれば極太タイプ):2玉(280g)
ラーメンスープ(市販・豚骨しょうゆ味):2袋(約100g)
[焼豚]
チャーシュー(スライス・大判):6枚
しょうゆ、水:各大さじ2
砂糖 大さじ:1と1/3
酒、みりん:各小さじ2
[トッピング]
モヤシ:200g
キャベツ(ひと口大に切る):1枚
コーン缶(ホール):1缶(55g)
万能ネギ(小口切り)、糸唐辛子、調味豚背脂(市販品)、刻みニンニク 各適量
<作り方>
1:チャーシューを味付けする。小鍋にAの調味料を熱し、火から下ろしてチャーシューを漬け込む。
2:トッピングのモヤシとキャベツはさっとゆでて湯をきり、混ぜておく。
3:鍋にラーメンスープを入れ、表示より若干多めの分量の熱湯を加える。味見をして塩、しょうゆ各少々など(分量外)で味を調える。
4:中華麺を表示どおりにゆでて湯をきり、器に盛り、熱した(3)をかける。(2)を中央に山のような形に盛り、周囲に(1)を3枚立てかける。さらにトッピングのコーンを散らし、万能ネギをのせ、糸唐辛子で飾る。好みで調味豚背脂、刻みニンニクを加える。
陸自飯グランプリとは
陸上自衛隊で提供される食事(=給食)は通常、毎日3回、1日合計約3000キロカロリー摂取が目安。コンセプトは「戦士としての体づくり、地域の名産品を活用したご当地グルメ、隊員の要望を丁寧に取り上げたバラエティーに富んだメニュー」だ。
2021年に開催された陸上幕僚監部主催の「陸自飯グランプリ」では、全国の陸自部隊が新メニューを考案し、競い合った。ラーメン、肉料理、丼、ご当地グルメの4部門から各1位が選ばれ、その中からグランプリが選出された。
(MAMOR2025年4月号)
<調理/樋口秀子 文/富田純子 料理写真/星 亘(扶桑社) 写真提供/防衛省>
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです

