放物線を描いて飛ぶ砲弾を、遠方の敵に撃ち込むりゅう弾砲。
前線で戦う味方部隊を支援するため、離れた後方から射撃をするが、素早く進出し射撃、その後は敵の攻撃を避けるため、早急に移動する必要がある。
従来のりゅう弾砲は、トラックなどでけん引していたため、機動性に問題があった。
その点を払しょくする新型のりゅう弾砲が、陸上自衛隊に配備されたとのうわさを聞き付けたマモルは、真相に迫るべく射撃訓練を取材した。
新型りゅう弾砲の実弾射撃訓練に密着!
1:新型りゅう弾砲が陣地に進入!

訓練場に移動してきた新型りゅう弾砲。けん引されての移動ではなく、トラックの車体に直接、砲が搭載されているため自走できる。
2:射撃方向へ車首を向けて停車

車体は火砲を射撃する方向=敵がいる方向へ車首を向けて停車した。射撃を指揮する砲班長が「射撃用意!」と号令を発すると、周囲を警戒しながら、小銃を持った砲班員たちが速やかに車体から降りてきた。
3:すぐさま射撃準備に入る

砲班員らはすぐさまトラック上部に上がり、後部に搭載された155mmりゅう弾砲を覆ったカバーを外したり、射撃を操作するタブレットを取り出すなど、おのおのの役割に従い、速やかに射撃準備を始める。
4:射撃動作を確認する

車両の後部に付いている折り畳み式ステップを広げて、砲班員はその上に上がって、砲弾を装填する装置が正常に作動するかを入念にチェックしながら、弾薬車が到着するのを待った。
5:弾薬車到着!

6:弾薬車から実弾を運び出す

陣地に到着した弾薬車から砲弾を慎重に運びだし、りゅう弾砲の後部付近に並べ、発射する実弾の準備に入る。

砲班員が総出で、弾丸を爆発させる信管を砲弾に取り付ける作業をテキパキと行った。
7:指揮所へ射撃方向を確認する

射撃直前に、目標などを指示する射撃指揮班から攻撃目標の方位角と射角が伝えられる。その情報を照準手がタブレット端末「照準手操作盤」に入力。火砲の砲身が自動で攻撃目標へと向けられる。
8:弾薬を装填する

りゅう弾砲に砲弾をセットし、次いで、砲弾を飛ばす推力となる装薬と、装薬に点火する点火薬からなる火管を装填する。以上の作業を終えたら、砲部の損傷や発射時のガス漏れによる威力の低下を防ぐ、砲身の後部にある閉鎖機を閉める。
9:砲弾を発射
射撃指揮班から有線で射撃の実行を伝えられたら「撃て!」の号令により、砲弾を発射する。
<文/魚本拓 写真/村上淳>
(MAMOR2025年2月号)
※記事内容は上記掲載号の発売時点のものです